ネタバレ含みますので、ご注意ください。



バザー当日。
クロフネの厨房を借りて、ケーキの仕込み。

「ショートケーキとチョコレートケーキかあ・・・できあがるの楽しみだな」
一護「おまえが楽しみにしてどうするんだ?これは店に出すんだぞ」
「だってきっとすごく美味しいだろうし・・・」
一護「おまえに最初に味見させてやるよ」
「うんっ!」

嬉しそうね、一護ちゃん



譲二「大人って言うけどお前らと10歳しか変わらないんだぞ?」

ジョージ、27歳!?Σ(・ω・ノ)ノ!


一護「マスターは老けてるからな・・・」
譲二「ひどいなあ、イチゴは・・・」
一護「だから、そのヒゲ剃った方がいいって」
譲二「そうかなあ。かっこいいと思うんだけど・・・どう思う?まなちゃんは」
「似合ってますよ?かっこいいです」
譲二「そう、それならいいや」
一護「おい、まな。マスターがかっこいいっておまえ、まさかマスターのこと・・・」
「そ、そんなんじゃないって」
一護「それならいいけどよ」


一護ちゃんのケーキはすごい人気で、午前中にはなくなってしまうんでは・・・。

ハルくんが生クリームとフルーツソースでケーキ皿を綺麗に彩ってくれた。
(ハルくんも本当に手先が器用だよね)

あれ?ハルくんって芸術的センスが微妙だったような・・・。


バザーも終わり、オトンへのケーキを焼いて帰ってきた。
一護「やっぱり今さら親父にケーキとかやめようかな」
「せっかく作ったのに、どうして?」
一護「なんか今さらって気もするし・・・絶対ケチつけてきそうだしよ」



倫護「なんだ、あらたまって。用事があるとか・・・」
一護「これ・・・今日のバザーの残りだ」
「いっちゃんっ。ちゃんと倫護おじさんのために焼いたケーキだって言わなくちゃダメだよ!」
一護「わ、わかったよ」
一護「材料があまったから、親父にも食わせてやろうと思って作った」

「もう、素直じゃないんだから・・・」
「倫護おじさん、これはいっちゃんが倫護おじさんのために焼いたケーキなんですよ」

倫護「ケーキ?」

倫護「チョコレートケーキじゃねえか」
「大人の男の人用にってあんまり甘くないチョコレートケーキを考えたんです」
倫護「ふん・・・まあ、香りは悪くねえな」
一護「偉そうに・・・」
「いっちゃん!」

一護「どう・・・だ?」
倫護「悪く・・・ねえ。甘さもスポンジの柔らかさもちょうどいい・・・」
倫護「いつの間にこんなに腕を上げやがったんだか・・・」
一護「このくらい簡単だっての」
倫護「調子に乗るな。一人前のケーキ屋になるにはまだまだ修行することがたくさんあるんだぞ」
一護「そんなことわかってるよ」
倫護「だが・・・まあ、このチョコレートケーキだけなら店で売ってやってもいい」
一護「親父・・・」
倫護「オレだってプロだ。評価は正しくする」

二人がちょっとだけだけど、笑い合ってくれた。


あとは桃護さんのこと・・・と思った主人公。
夜遅く、クロフネに呼び出した。

「あの・・・やっぱり、きちんといっちゃんに事情を説明してから家を出てもらえませんか?」
桃護「まなちゃん・・・」
「今のいっちゃんだったら、桃護さんの考えや夢もわかってくれると思うんです」
桃護「・・・一護も思ったよりも大人になってるみたいだしね」
「はい。それに・・・今日、せっかく倫護おじさんといっちゃんわかり合えたみたいなのに・・・」
「また桃護さんといっちゃんがケンカしちゃうなんて・・・嫌です」


桃護「わかったよ。きちんと一護に事情は説明する」

桃護が主人公の頬に触れる。
桃護「こんないい子に好かれて一護は幸せだな。一護のこと・・・頼んだよ」
桃護が主人公の髪に軽いキスをした。

その時、クロフネのドアが開く音がする。
主人公を抱き寄せて、髪にキスをしている桃護さんの姿を見ていっちゃんは固まっていた。

桃護「一護・・・」
一護「なんだよ・・・。そういうことかよ・・・」
(これって・・・もしかして誤解されてる!?)
「いっちゃん!これはっ!」
「話をしてただけなんだよ!?」

一護「へえ、そんなに近くで何を話す必要があるんだ?」
「とにかく違うの!私は桃護さんといっちゃんに仲良くしてほしくてっ・・・」
一護「・・・。そんなの、知るかよ」

一護ちゃんは振り返らずにクロフネを出て行った。