こんにちは!
今日、30年ぶりぐらいにひっつき虫にやられたまなみんです!!
ひっつき虫・・・知ってますか?あの、草むらとかにある、服にくっついてなかなか取れない草の種みたいなヤツ。子供の散歩中に、ちょっと草むらに入ったら大変なことになりましたwww
さて、サクサク進むかと思いきや、ちょっと更新ペースの落ちてるごっとんのレポです。
一話が長~いの(笑)
では、ネタバレで。
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いよいよ『カンフーダンス』の公演当日。
控室でバーテンダーの衣装に着替えていると、携帯のバイブが鳴る。
(メール・・・瑞貴さんからだ)
今日非番の瑞貴さんと海司が観にきてくれている。
www警察官なのに、子守り大変だねwww
瑞貴『客席から応援してますね。大福勝負、楽しみにしています』
奈々「瑞貴さん・・・ありがとうございます。海司からの差し入れの胃薬も飲んだし、準備万端!」
劇中で実際に大福の大食い勝負をする私のために、海司が胃薬を届けてくれた。
wwwお母さんかwww
(チケット送ったけど、後藤さんはやっぱり無理だったのかな・・・)
少し寂しくなりそうな気持ちを切り替えるために、大きく深呼吸をする。
『あんたなら大丈夫だろう』
あの時、後藤さんが言ってくれた言葉が脳裏に浮かぶ。
奈々「うん、頑張ろう!」
みどり「奈々、準備はOK?」
奈々「うん、大丈夫だよ」
みどり「今回の公演も成功させようね!」
開演のアナウンスが入り、幕が上がると・・・小杉部長の語りと演舞が始まった。
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劇は順調に進み、私と小杉部長が勝負をする場面になった。
小杉「ダンスで負け、カンフーで負け・・・大福の大食い勝負とは、あきらめの悪い人ね!」
wwwすっごい衣装www
奈々「私は大福作りの動きとカンフーを融合させ、カンフー大福を作りたかった!」
次は何度も練習したセリフ・・・私は舞台の中央に立つ。
奈々「大福王の座だけは渡さないわ!!」
www打ち込むのもバカらしいセリフだなwww
客席を指差しながら、お客さんに視線を移す。
(あ、瑞貴さんと海司だ。あれ?後ろの入り口に立ってるのって・・・後藤さん?)
小杉「ならば、大福王の座もいただくわ!」
客席に逸れていた意識を、慌てて舞台に戻す。
奈々「望むところよ!大福は私の味方・・・大福だけは、私を裏切らないわ!」
舞台には山盛りの大福が用意され、客席から歓声が上がった。
奈々「勝負よ!」
小杉「受けて立つわ!」
小杉部長との大福勝負に負けると、私はガクリと膝をつく。
奈々「見事だったわ。第25代大福王の座は・・・アナタのものよ・・・」
よろよろと舞台袖に向かいながら、客席の方を見たけれど・・・。
照明のせいで後ろの方までは視線が届かず、後藤さんの姿を確認することはできなかった。
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小杉部長がカンフーダンスマスターになり、劇は無事に幕を閉じた。
控室にみんなが戻ってきて、賑やかになる。
みどり「お疲れ!奈々」
奈々「お疲れさま。みどりの忍者バーテンダーすごくカッコよかったよ!」
みどり「奈々の大福王をめぐる戦いっぷりも大注目だったよ。おなか、大丈夫?」
奈々「うん。食べる前に胃薬飲んでおいたから」
部員「みんなー、お花が届いてるよー」
受付をやっていた子が預かった花束を渡しにきてくれる。
部員「はい、奈々ちゃんには3つも届いてるよ!」
奈々「わ、ありがとう!」
(ひまわりの花束は海司から、ピンクのバラの花束は瑞貴さんからだ。こっちのペチュニアの花束は・・・)
奈々「・・・後藤さん!?」
メッセージカードには「お疲れ」と短い一言と、後藤さんの名前が入っていた。
部員「ペチュニアの花束の人って、前に劇を手伝ってくれたカッコイイ人でしょう?いいなぁ、その人から花束なんて」
奈々「ね、この花束をくれた人、もう帰っちゃったかな!?」
部員「どうだろう・・・。劇が終わったときはロビーにまだいたような気がしたけど・・・」
奈々「そっか、ありがとう!」
みどり「奈々!?そんな恰好のまま、どこに行くの!?」
(いまなら、まだ間に合うかも!)
後藤さんにお礼を言いたくて、私はバーテンダーの衣装のまま花束を抱えて控室を飛び出した。
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ロビーに出ると、出口に向かう人混みの中に後藤さんを見つけた。
奈々「後藤さん!」
大きな声で呼び止めると、後藤さんが振り返る。
後藤「奈々・・・どうしたんだ?そんな恰好のまま・・・客へのサービスか?」
wwwどんなサービスだよwww
奈々「あ、いえ、違うんです。後藤さんにお礼が言いたくて、慌てて出てきたので・・・」
後藤「オレに?」
奈々「は、はい・・・」
後藤「アンタも律儀なやつだな。とりあえず、こっち来い」
私たちは人波をよけるように、ロビーの端に寄った。
奈々「ペチュニアの花束、ありがとうございました。後藤さん、無理だろうなって思ってたから・・・」
後藤「たまたま、今日は空いた時間があったからな。来ないと思ったのに、チケットを送ったのか?」
A:仕事が忙しいだろうなって
B:人混みは嫌いだと思って
C:もしかしたら・・・と思って←
奈々「もしかしたら、来てくれるかもって・・・ちょっとだけ、期待はしてました」
後藤「必ず行くと言えなくて、悪かった。時間がつくれるかどうか、ぎりぎりまでわからなかったんだ」
奈々「そんな!後藤さんが忙しいのは充分わかってますから。すごく、うれしいです。ありがとうございました」
あらためてお礼を言うと、後藤さんはわずかに視線を外した。
後藤「・・・オレはアンタのそーいう顔が見たかったんだろうな」
奈々「え?何の話ですか?」
www天然かwww
後藤「いや、何でもない」
奈々「後藤さんって、約束を大切にしてくれる人なんですね」
後藤「どうした?突然」
奈々「前にも、滝に連れて行ってくれたことありましたよね。あの時も、ちょっとした話だったのに、ちゃんと覚えててくれて・・・」
後藤「アンタが嬉しそうな顔をするからな」
奈々「それは、すごく嬉しいから・・・嬉しい顔になりますよ」
後藤「主人の帰りを待ってるイヌみたいになってるぞ?シッポがあったら、振ってそうな勢いだ」
奈々「そ、そんなにですか!?」
思わず頬を抑えた私に、後藤さんが小さく吹き出す。
後藤「それは冗談だ。ただ、約束を放っておいて、アンタがガッカリしてる姿を想像すると・・・な」
奈々「後藤さん・・・」
後藤「ま、それに、大福王のその後も気になっていたしな・・・」
奈々「あの、舞台・・・どうでしたか?」
後藤「オレはあまり舞台とかは観ないから、うまく言えないが・・・個性的で面白かった。アンタの演技も、その・・・よかったと思う。前に一緒に出た時も思ったが、アンタが声張り上げてると別人に見える」
奈々「ありがとうございます。楽しんでもらえたなら、よかった・・・」
後藤「大福王のくだり、決まってたな」
奈々「本番前日まで、何度も練習したんです。そういえば、小杉部長が次回の時代劇には、侍役で後藤さんに助っ人を頼みたいって言ってましたよ」
後藤「それは勘弁してくれ・・・」
奈々「小杉部長も後藤さんに会いたがってました。よかったら、控室に来ませんか?」
後藤「いや。悪いが、もうそろそろ行かなきゃならないんだ。抜けられない仕事があってな」
奈々「あ、そうですよね。引きとめちゃって、すみませんでした」
後藤「オレもアンタと話せてよかった。・・・また、機会があったら、誘ってくれ」
奈々「はい!」
後藤さんの言葉が嬉しくて、私は花束を抱きしめる。
後藤「・・・気に入ったか?その花・・・」
奈々「はい!可愛くて・・・本当にありがとうございます」
後藤「いや・・・喜んでもらえたなら・・・ああ、そうだ。今日、オレが来たことはお祭りチームには内緒にしておいてくれ。一柳の耳に入ったら、面倒そうだからな・・・」
奈々「はい・・・」
後藤「またな」
後藤さんは人混みに紛れて、劇場を出て行く。
何だか名残惜しくて、その背中を見えなくなるまで見つめていると、ポンッと肩を叩かれた。
海司「奈々、こんなとこにいたのか」
瑞貴「お疲れさまでした、奈々さん。奈々さんのバーテンダー役、とっても素敵でしたよ」
奈々「ありがとうございます。瑞貴さんのメールのおかげで緊張せずに出番を待てました」
海司「お前、着替えもしないでロビーで何やってんだ?」
奈々「え・・・」
(後藤さんに会ったことは言っちゃいけないんだよね・・・)
奈々「その・・・お客さんたちが楽しんでくれたのかが気になっちゃって・・・」
海司「ふーん・・・」
瑞貴「わあ、奈々さんの持ってる花束カワイイですね。それ、ペチュニアですよね」
奈々「はい」
瑞貴「それ・・・誰からもらったんですか?」
www瑞貴、怖いよwww
奈々「それは・・・その・・・」
瑞貴「その花束を贈った人は奈々さんのことを、すごく気に入ってるんでしょうね」
奈々「え?」
海司「どういうことだよ、瑞貴」
瑞貴「・・・海司さん、少しは花言葉くらい覚えた方がいいですよ」
海司「んなもん、オレには必要ねーよ。そんなことより早く教えろよ」
www確かにアンタには必要ないねwww
海司が瑞貴さんの肩をつかむ。
瑞貴「はぁ・・・。ペチュニアの花言葉は、『あなたと一緒にいると心が和らぐ。あなたといると心が静まります』って意味なんですよ」
奈々「そうなんですか!?」
海司「はぁ?」
(後藤さん・・・花言葉まで考えて、この花束をくれたワケじゃ・・・ないよね?)
瑞貴「フフ、ほっぺが赤いですよ、奈々さん。図星だったかな?」
奈々「そ、そんなことないですっ」
海司「その花束贈ったヤツ、誰なんだよ!」
A:お父さん
B:サークルの先輩
C:仲のいい友達←
D:お前に言う義理はない!←私
奈々「仲のいい友達だよ。忙しい人だから、無理かなって思ってたんだけど・・・」
海司「・・・ふーん。オレたちの知らないヤツか?」
wwwめっさ知ってるwww
奈々「う、うん。大学の友達じゃないから・・・」
瑞貴「何そんなに焦ってるんですか、海司さん」
海司「う、うるせーよ、瑞貴。ま、いいや。このあと、打ち上げあるんだろ?オレたちが送ってやるよ」
奈々「ありがとう。演劇部のみんなも海司と瑞貴さんが来てくれたら喜ぶよ!」
海司「ほとんどが瑞貴目当てだけどなー」
wwwどんまい(・∀・)www
瑞貴「海司さん、ひがまない、ひがまない」
海司「ひがんでねーよ!ほら、奈々はさっさと着替えて、帰り支度してこいよ」
奈々「うん」
海司と瑞貴さんと一旦別れて、私は控室に向かう。
(ペチュニアの花言葉・・・)
瑞貴さんから聞いた言葉が耳を離れず・・・早くなる鼓動を抑えられなかった。
(もし、私といて少しでも安らいでくれたりしたら・・・そうだったら・・・嬉しいな)
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『カンフーダンス』の公演が終わってから数日後。
私は部屋でゼミのレポートを仕上げていた。
(コンビニでコーヒーでも買ってこよう。もう少し時間がかかりそうだし・・・)
気分転換にコンビニに向かっていると、薄暗い道でゴソッという物音がした。
(?何だろう・・・あっちの細い路地から聞こえて来たような・・・)
奈々「酔っ払った人が倒れてるとか・・・?」
怖い気持ちもあったけれど、もし人が倒れていたら・・・と、私は音のした路地をのぞいてみる。
暗闇で動く人影があった。
奈々「あの・・・大丈夫・・・ですか?」
???「・・・・・・」
奈々「!!」
(そ、そんなっ!どうして!?)
微かな血のにおいが鼻先をかすめた。
路地に倒れていたのは・・・後藤さんだった。
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前にもどっかで書いたような気がするんだけど、ペチュニアって、花束にする花かな?
私は鉢花のイメージしかないんだけど、切り花用のペチュニアってのもあるの?
ちなみに鉢花の方のペチュニアはあんまり好きじゃないです(爆)