※完レポにつき、ネタバレ!!ダメな方は全力でバックしてください。
※ヒロインの名前は「瀬戸口亜弥子」です。
※時々愚痴や萌えなどが出るかも・・・
ある日の午後、オレは総務課の上司である神谷警視正に呼び出されていた。
神谷「石神、明後日からフランスに行ってくれ」
石神「フランスですか?何の件で・・・・・・」
神谷「外事3課の件だ。担当だった男が負傷した」
石神「・・・・・・捜査は順調に進んでいると聞いていましたが」
神谷「オモテの作業はな。ウラの話では、相手組織はこちらが想定していたよりも規模が大きいらしい」
外事各課のオモテとウラ。
オモテはスパイの入国管理などを。
ウラは関係者ですら知らされないような内密の作業を行っている。
石神「なぜ、私が?」
神谷「総理のお嬢さんがフランスのパーティに参加するそうだ。そこを狙われる可能性が高い。石神と総理のSPチームは親しかったな」
石神「親しいというわけではありません。関わる仕事が偶然多いだけです」
( ´艸`)石神さんの、このうつむいた表情がめっちゃ萌える。
神谷「まあ、それはどちらでもいい・その立場を上手く使ってくれ」
石神「つまり、警備部に情報を流さず、事件を解決しろということですか?」
神谷「その通りだ。それを見越しての応援要請だろう。頼むぞ」
石神「はい」
(オレを利用したいというわけか)
神谷「お前は総理のお嬢さんにも気に入られているそうだな」
石神「さあ・・・・・・そのようなことはないと思いますが?」
神谷「誰が相手であろうと、自分の立場を忘れるなよ」
石神「重々承知しています」
(あれこれとうるさい男だ。どうせ、オレに抜かれるのが気に食わないんだろうがな・・・・・・)
石神「後藤も同行させますが、問題はありませんね?」
神谷「ああ。最近入った黒澤も連れて行け」
(黒澤・・・・・・あのヘラヘラした新人か・・・・・・経歴も能力も申し分ないが、何分、性格に難有りな男だ・・・・・・)
石神「わかりました。では・・・・・・」
オレは一礼して、神谷警視正の部屋をあとにした。
フランス行きを告げるため、総理官邸にいる後藤のもとに向かう。
(しかし、つくづくお祭りチームとは縁が切れないな。いや・・・・・・最近では、その距離の近さをオレが利用しているのか・・・・・・)
公安の仕事は警察内でも特殊だ。どんな話にも情報になりうる要素が入っていないか、会話を精査している。
(桂木班の連中は、ああ見えて優秀だ。そういうことも織り込み済みだろうか・・・・・・)
オレの頭には、警戒心のない女性の笑顔が浮かんでくる。
(亜弥子さん・・・・・・あの人の場合は・・・・・・)
心が痛むなどという表現は仕事柄使いたくないが、時折、会話にためらいを感じるのは事実だ。
主「石神さん?」
石神「・・・・・・・・・」
(声まで勝手に浮かんでくるとは・・・・・・そこまで良心の呵責が?)
主「あの・・・・・・」
石神「これは、亜弥子さん・・・・・・」
目の前に、亜弥子さんが立っていた。
石神「・・・・・・」
よもや、貴女のことを考えていましたとも言えず言葉に詰まる。
( ´艸`)動揺がかわいすぎwwwww
主「すみません。声を掛けたら不味かったですか?」
石神「いえ、そういうわけでは。考え事をしていたもので、失礼しました。亜弥子さんは総理との面会ですか?」
主「はい。石神さんは?SPルームに後藤さんが来ていましたけど・・・・・・」
石神「その後藤を回収に来ました。また一柳たちとケンカでもしていましたか?」
о(ж>▽<)y ☆回収とかwwwウケるwww
主「大体、想像の通りだと思います」
(b^-゜)なんかこのヒロインの返しが好きだwww
石神「やれやれ・・・・・・遊んでいる暇はないんだがな。では、亜弥子さんもお気をつけて」
主「はい」
丁寧に頭を下げて、亜弥子さんは執務室に向かって歩いていく。
(総理に会いに行くということは、フランス行きの日程に変更はなし・・・・・・か。ウラは亜弥子さんをエサにと考えている可能性もある。桂木さんはどの程度、気が付いているのか・・・・・・)
SPルームに寄って、桂木班の様子から判断してみるしかない。
常に仕事と結びついている思考・・・・・・これがオレにとっては当たり前のことだっだ。
予想通り、事件は起きた。
総理とフランス外相を狙うテロ事件。
巻き込まれた亜弥子さんを探して、オレはホテルの廊下を走る。
(想定内のことなのに、何を焦っている?)
石神「SPがマルタイを部屋に置き去りとは・・・・・・」
先ほど入った一柳からの連絡。
ホテルの一室に隠れている亜弥子さんを保護してくれと、一方的に通信が入った。
石神「この部屋か・・・・・・」
周囲を確認して、オレは部屋のドアを開ける。
らしくもなく、指先が焦れているのを感じた。
部屋に入ると、クローゼットから気配を感じる。
扉を開けると・・・・・・固く目を瞑った亜弥子さんが膝を抱えていた。
(無事でよかった・・・・・・)
石神「亜弥子さん・・・・・・ここでしたか」
主「えっ!?・・・・・・石神さん!?」
戸惑う彼女に事情を説明し、オレは手を差し出した。
亜弥子さんを安心させるために、自然に微笑を浮かべた自分に驚く。
(?_?)本編ENDのテーマって「
彼が彼女を好きになるまで」じゃなかったっけ?この時点ですでに好きだよね?本人が気付いてないだけ?
石神「桂木班のことでしたら、ご心配なく。彼らはこの程度の事件でくたばったりはしません」
主「石神さん・・・・・・」
石神「私が必ず、貴女を無事にお祭りメンバーのところまで送り届けますよ」
主「よろしくお願いします!」
オレは亜弥子さんを連れて、ホテルの廊下に出た。
そして、銃撃戦の末、オレの肩を銃弾が掠めると・・・・・・
主「それより、石神さんの腕は大丈夫なんですか!?スーツに穴が空いて・・・・・・」
石神「擦っただけで、腕にはあたっていませんから大丈夫です」
主「よかった・・・・・・」
亜弥子さんは泣きそうな顔でオレを見上げている。
(なぜ、彼女がこんな顔を・・・・・・)
石神「どうして、貴女がそんな顔をするんですか」
主「どうしてって・・・・・・。石神さんにケガがなくて安心したら、気が抜けちゃって・・・・・・」
石神「貴女が私の心配を・・・・・・?」
主「え?は、はい・・・・・・。余計な心配でしたら、すみません・・・・・・」
石神「いえ・・・・・・そういうわけではありません」
(オレのことを心配してくれる人が、まだいたとはな・・・・・・)
亜弥子さんの言葉を受け取って、人らしい感情が戻りそうになる。
(彼女に心配されていることを嬉しいと感じているのか・・・・・・)
・・・・・・・・・・・・調子が狂う。
仕事中にも関わらず、襲ってくる感情にオレは戸惑いを感じていた。
一日、亜弥子さんの警護を兼ねてフランスの市街を回った。
食あたりを起こした広末と藤咲の代わりに、夜も彼女の部屋で警護を続けている。
石神「寝付きはいいんだな」
先ほどまで元気に話をしていたのに、今は健やかな寝息を立てている。
彼女の寝顔をしばらく見つめてから、オレは窓の外に視線を移した。
(小川が出所したか・・・・・・)
小川はオレが過去の汚職事件絡みで逮捕した男だ。
執念深い性格の男で、服役中もオレへの恨みは消えていないようだった。
(あの男のことだ。姑息な手を使って、オレに復讐を考える可能性は高い)
主「ん・・・・・・」
寝返りを打った亜弥子さんの背中を見つめる。
石神「貴女とも距離を置いた方がいいだろうな・・・・・・」
( p_q)ええ~ん
(このお嬢さんは仮にも総理の娘だ。少なからず、メディアにも出ている。オレと一緒にいるところを見られたら、人質に取られる可能性もある・・・・・・)
仕事のために偽りの人間関係を築くことも、人を切り離すことにも慣れているはずだ。
それなのに、今回は気持ちの切り替えが簡単にできない。
石神「・・・・・・・・・」
(貴女の甘さに影響されたか・・・・・・?)
無意識に伸ばした手に気がついて、オレはその手を止める。
自分の手をしばらく見つめて、固く拳を握った。
(オレはこの仕事に誇りを持っている。他人を切り離すことに迷いを感じるな)
こんなふうに自分に言い聞かせたのは、公安に配属された時以来かもしれない。
小川のことも、どこか制御できていない自分のことも・・・・・・頭の痛いことばかりだった。
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かなり長いので、分けます。