昨日は学校で文学の授業のプレゼンテーションをしました!
プレゼンって言うか、オーラルレポートっていうもっとカジュアルなものだったのですが
1人1つ詩を選んでその作者、内容、技術、テーマ、思い入れについて10分ほど話さなくてはいけませんでした。
これ1週間前に始まってて、先週の月曜日には準備万全だったのに、出席番号順での発表だったので私は最終日の昨日に発表しました
私が選んだ詩は、金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」でした
金子みすゞさんについてはこちらのウェブサイト、金子みすずの世界 でよく知ることができます。
彼女はとても才能のある詩人だったのですが、不幸な結婚をし、夫に虐げられ、離婚をしようとしたらただ一人の愛娘を奪われることになったため、
その夫に反抗するために睡眠薬を飲んで25歳という若さで自殺をしてしまったという壮絶な人生を生きました。
上記のウェブサイトで彼女の人生について書いてあるところ、そして最後に記した詩を読むとあまりにも不憫で、その時の彼女の気持ちを考えたら思わず涙が出てきてしまいました。
そんな金子みすゞさんのもっとも有名と言っても過言ではない「私と小鳥と鈴と」という詩。
英訳したらこのような感じになります↓
Me, a Songbird, and a Bell
Spread my arms though I may
I’ll never fly up in the sky
Songbirds fly but they can’t run
Fast on the ground like I do
Shake myself though I may
No pretty sound comes out
Bells jingle but they don’t know
Lots of songs like I do
Bell, songbird, and me –
All different, all just right
Kaneko Misuzu
(translated by D.P. Dutcher, Japan University Library Association, 1999)
みんな違って、みんないい。
私は日本という単一民族国家から、アメリカという多民族国家の代表のような国に出てきて、自信を失っていました。
やっぱり育ってきた文化、環境が違うから考え方ももちろん全く違う。
その違う考えの人ばかりに囲まれていたら、「違う」という自分が間違っているような気がして
ふと何か頭に浮かんできてもそれを口に出すことをためらってしまうことが多々ありました(今でももちろんまだあります)。
そんな時に、この詩を思い出して、すごく勇気をもらったんです
あ、そうか、私はただ違うだけで、だからといって私の考えていることが間違ってるわけじゃないんだ、って。
当たり前のことだけれど、本当に自信がなくなってしまうんですよね、あまりに自分とみんなが違うと。
久々にこの詩を読み返して、ああそうか、別に恥ずかしがらなくったって、怖がらなくったっていいんだなって改めて思いました
そういうことをクラスのみんなに一生懸命伝えて、最後は日本語でこの詩を読みました。
みんな沢山拍手してくれて、感想もたくさん言ってくれて
"You are one of my favorite speakers!"
ってわざわざクラスの後にいいに来てくれた子もいて、本当にうれしかったです。何か伝わったんだろうな。
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みんなが選ぶ詩も、その人の個性が出てるようで、とても興味深くておもしろかったです。
一つ気付いて面白いなって思ったのは、アメリカとか西洋の詩人が書いた詩って
「みんなもとは同じなんだ」
って、「同じ」っていうことを伝えてるものが多いなってこと。
やっぱり陸続きで文化が混ざってることが多くて、見た目からして違う人々が共存してたりするし
アメリカだったら見た目で差別をされたりした過去もあったから
どんなに見た目が違っても、私たちはみんな同じ人間なんだよ、自然が母なんだよ、ってことを伝えている詩が多いんだろうな。
それと正反対の国に生まれた金子みすゞさんは、人間の「違い」に視点を置いて、違うことが素晴らしいことなんだって伝えている
それって、やっぱりすごく似たような人々が集まる日本にだからこそ生まれる、「違い」に対する憧れや理想を表しているんだろうなって思いました。
文化って本当におもしろいな。