鎖骨が痛い。。。
いつの頃からか右鎖骨の終端に鈍痛があって、時折指でぐりぐりとマッサージしていたのだが、この1週間ほどでものすごく悪化した。
なぜ突然悪化したのかはよく分からない。
ジムをがんばり過ぎたのか、新型コロナウイルスのワクチンを打った時の関節痛の副作用が影響したのか、いや・・・もしかすると骨転移か!?などと疑ってみるも、肩関節周辺がうずいて寝返りを打つのも辛いほどだ。
「こういう時は主治医の教授先生に相談だっ!」とはならず、以前から気になっていたあるペインクリニックに電話をした。
教授先生はがんのスペシャリストだが、がん以外のことは相談に乗ってくれるどころか、院内紹介すらしてくれないという冷酷な面があることはよく知っている。
ところが電話したクリニックはお盆休みと重なってしまい、予約が取れたのは1週間先だった。
・・・いやぁ、困った。
困ったので、SASの治療で通っている耳鼻咽喉科のある地域の中核病院の整形外科にアポを取った。
僕が初発の手術をした病院だ。
整形外科の先生は30歳半ばくらいの若い女医さんだった。
右肩をぐりぐり触診して僕が
「痛てて・・・」
と言う箇所を探り当てると、
「うーん、肩鎖関節炎かなぁ・・・。レントゲンを撮ってきてくれるかな?」
と言って僕を放射線科へ送り出した。
再び診察室をノックすると、中で女医先生が僕の肩のレントゲンを見ながらウンウンうなっていた。
「肩鎖関節炎の画像じゃないんだよなぁ。。。それよりも、鎖骨の先端が跳ね上がってるように見えるでしょ?私の経験上、これは外傷性の鎖骨亜脱臼のように見えるんだけど、悪いけど健側のレントゲンと、あとMRIも撮ってきてくれる?」
と。
だ、脱臼?外傷性?
画像出典:京都下鴨病院
そんな記憶はないんだけど、さすがに今日はこれ以上の画像検査はできないので、明後日に予約を入れさせてもらった。
その後で診察もしてくれるそうで、こういう柔軟さは大学病院にはないな。
自宅に帰ってから妻に「鎖骨が脱臼しているかも?」と言うと、半年前に自宅で大転倒したことがあったことを思い出させてくれた。
そう、それはわんこの彼を迎えて間もなくのこと・・・。
我が家のリビングのど真ん中に彼の寝床(ケージ)とそれを囲むプラスティックフェンスを置いたせいで、ソファとソファのテーブルの配置がいつもよりも狭くなっていた。
そのソファとテーブルの間を通った時に、足を取られてバランスを崩し、受け身が取れないまま患側(腋窩リンパ節を郭清したほう)の左腕から右膝にかけて派手に転倒したことがあった。
一瞬にしてこれまでに経験したことのない熱い痛みが、左腕にぱっーと広がった。
倒れたまま身動きできず、声すら上げられない中でベランダにいた妻が激しい物音を聞いて駆け寄ってきた・・・が、呼びかけにも応じず、ただ唸り声をあげているだけの僕を見てたちまちパニックに陥ってしまった。
救急車を呼ぼうとするのをなんとか押しとどめ、左腕の熱い痛みが徐々に引いて、さあ立ち上がろうとして右膝をひどく痛めていることに気が付いた。
「折れたかも?」って思わせるほどだったが、ホントに折れていたらもっと痛いはず。
妻の助けを借りてなんとか立ち上がったが、痛みで1週間ほど右膝が曲がらず、トイレやお風呂に入ることさえ苦労し、階段の上り下りができないほどだった。
(折れていない以上、病院に行っても湿布くらいでしょ?)と、病院には行かなかったが、この痛みは数ヶ月たった今でも遠いところにあって、特定の動きをするとあの時のことを思い出させてくれる。
歳を取るってことは、ケガをしても完全に治らなくなるってことなんだね。
この時に鎖骨を激しく痛めた記憶はないんだけど、外傷性・・・って言われるとこれくらいしか思い浮かばない。
さて、前述したとおり、女医先生との2回目の診察の前にMRI検査があった。
最初に見比べるために健側の肩のレントゲンを撮ったところまではよかったが、30分ほど狭いトンネルの中でじっとしていなければならないMRIは辛かった。
ここ数カ月はリュープリンがよく効いてくれて、複数ある既知の頭皮の腫瘍が軒並み縮小してくれたが、後頭部のたんこぶ腫瘍は元々が大きすぎたようだ。
トンネルの中で余裕をこいていたのは最初の5分だけで、あとはいつものように尖った石ころの上に頭を乗せているような激痛に苛まれた。
撮影中は動いてはいけないことはよく分かっていたけど、なんとも耐えられず、首の力を全集中して0.1mmづつ頭を持ち上げたり、そっと左右に首を傾けたりして何とか痛みをしのいだ。
今月末は、大学病院で頭頸部のMRIが予定されている。
頭をコイルの型枠でがっちり固定されるので0.1mmづつ首を動かすというこの裏技は使えず、最後まで(耐えられないかもしれない)・・・と初めて弱気になった。
いよいよコールボタンを押さなければならない時が来たのかも。
検査を途中で中断したらまた最初からやり直し?それとも動いた場所から再開できるのだろうか?
ともかく。。。
検査が終わり、診察室の前のベンチに腰をかけるとすぐに女医先生の声でコールがあった。
レントゲンで鎖骨を確認すると、どちらも先端が少し跳ね上がっているようで、これは僕の骨格で脱臼ではなかったということが明らかになった。
MRIでは炎症が確認できたが、痛みそのものの原因は分からず、肩関節周囲炎・・・つまり四十肩と言うことで診断がついた。
安静とアイシングが一番いいお薬とのことだったが、女医先生がトリガーポイント注射を打ってもいいかもしれない・・・というので、お願いして肩にズバッと打ってもらった。
ヘタレな僕も自ら注射を打ってくれって言えるようになったあたり、少しは男になったようだ。(えへんえへん)
側で見ていた妻が思わず顔をそむけるほど大きくて痛そうな注射だったようだったが、穿刺を見る勇気はなかった僕にはよく分からない。
そりゃもう脂汗がどばっと放出されるほど痛かったけど、打った直後から魔法のように肩の鈍痛が消えた。
通常はステロイド入りのキシロカインを打つのだが、間接内への感染を恐れた女医先生は、ステロイドは入れなかったようだ。
これで痛みが消えなかったらガツンとステロイドを入れよう・・・ということで診察が終わり、2週間後の予約を入れた。
しかし、女医先生の診断に不満があったわけではないが、ペインクリニックにも行ってみたいと思っていたので、予約を取り消していなかった僕はセカンドオピニオンのつもりでペインクリニックに行ってみることにした。
(続く)