ジムは順調に通えている・・・と言いたいところだが、以前の記事にも少し書いたが病気をする前と違うことが3つある。

① ヅラになったこと
以前なら会社に行く前や帰りがけに気軽にジムに立ち寄ることができていたけど、病気後、会社員の姿をしている時はヅラをかぶっている僕は、この着脱が意外と厄介だ。
まず、人目を気にせずに着脱できる場所の確保が必要だ。

ジムの近くに小さな公園があって、この中に小さな公衆トイレがあるのを発見した。
公園のトイレって夜間は暗くて僕にとってはもってこいなのだが、個室の中の匂いや虫などの衛生状態は気になるところだ。
まだ中は確認していないのだけど、ま、そんなにきれいなはずはなかろう。
あと、近くに交番がある。
人目をうかがってコソコソしていると通報され、すぐに警察官が駆け付けてくるのでは・・・と心配している。
やましいことはなくても、職務質問でもされれば申し開きが面倒だ。

ジムが入っているビルの中のトイレでは、監視カメラの問題がある。
トイレに入る時にはヅラがあって、出てきた時にはヅラがないなんて、たとえ監視カメラでも見ている人がいると言うのは抵抗がある。

それに、脱いだヅラをどう持っていくのかというのも問題だ。
わずかな距離を持ち運ぶと言っても、脱いだヅラをそのままカバンの中に突っ込むとヅラ毛が痛むだろうし、次にかぶったときに変なクセがついてしまう可能性だってある。
かといって持ち運び式のスタンドはものすごくカサがあるので、非常に不便だし、そもそもジムのロッカーには入らない。

しょーもないと自分でも思うけど、ちっちゃな男の悩み事として記録しておく。

② 左胸がなくなったこと
僕の左胸は全摘手術で乳首がなくなり、横一文字に大きな手術痕が残っている。


これまでお風呂屋さんや更衣室で男の裸は何度も見てきたけど、いまだに乳首がない男は見たことがない。
お風呂屋さんだったらさっと服を脱ぎ、左肩にタオルを掛けて胸を隠す術を覚えたのであまり抵抗がなくなったが、ジムの更衣室は少し雰囲気が違う。
みんな筋肉を自慢したがる野郎ばかりで、自分を鏡に映してポーズを決めるナルシストもいれば、他人の筋肉を羨望の眼差しで見つめる人もいる。
僕がその対象だとは言わないが、他人の体が気になるのがジムの更衣室の特徴である。
そんな雰囲気の中で服を脱ぐのは、お風呂屋さん以上に緊張する。


トレーニング後のシャワーも狭いジムのシャワーだと左胸を隠し切れない可能性があって、使おうという気にならない。
ホントは汗で冷えた体を温めてさっぱりしたいところだけど、人目を気にしながら汗をタオルでゴシゴシ拭うだけで精いっぱいだ。

③ 大胸筋がなくなったこと
前回の記事のとおり、大胸筋が5年前の手術で摘出されていたことは僕にとっては大きな衝撃だった。


メソメソするようなことはもうないけれど、大胸筋がないことを知らずに胸の運動をしていた僕はいったいどこを鍛えていたんだろう・・・と、考えるとおかしくなってきた。
少なくとも大胸筋がない左側はほとんど腕の力だけでバーベルをあげていただんだろうね。
前回のトレーニング後、筋肉痛はわずかながら左鎖骨の下あたりにあった。
このわずかな筋肉痛がなぜかものすごく愛おしく感じ、この一点を考えるとめそっとしてしまった。

自分を鏡に映してポーズを決める・・・のは、僕だってそうだ。
トレーニング中にパンプアップした筋肉を鏡を通して見るけど、右胸に比べると不自然に陥没した左胸はウェアの上からでもよく分かり、とっても残念な気持ちになる。

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5年前にリンパ浮腫を恐れてやめてしまったジム通いだけど、再開しても手放しでは喜べなかった。
久しぶりのトレーニングで筋肉は喜んでいたけど、どうしても病気をする前の自分と比べてしまい、寂しさばかりが募ってしまった。
入会する前から分かっていたことだけど、腰椎3か所の骨転移のことも気にしないといけないしね。

再入会してよかったかどうかは、もう少し時間が必要かな。
ジムのお金は半年分前払いにしたから、少なくとも半年は辞めないけど。。。