詳しく調べたわけではないけど、闘病ブログを書いている多くのがん患者の皆様がこのテーマに触れたのではないだろうか。
なので僕まで書こうか書くまいか迷ったけど、記録を含めて少しだけ書いておくことにする。
そう、それは2019.4.9に国立がん研究センターが発表した10年生存率のことだ。
全国20のがん専門病院で、2002年~2005年の4年間でがんと診断された人は5~94歳の7万285人いるが、がん以外で亡くなる影響を除いた10年生存率(相対生存率)が発表された。
それによると全体の10年生存率は56.3%で、前回調査よりも0.8ポイント上昇したらしい。
この調子で毎年、毎年生存率が上昇すれば、「がんでは死なない」という世の中がもうそこまできているようにも思えてくる。
乳がんだと83.9%。(※ 但し、男性は含まれていない)
ステージ1だと96.1%の方がご存命になっているので、ホントに夢物語ではないのだ。
しかーし!
ステージ3と4の生存率には、残念ながら天と地ほどの開きがある。
ステージ3が59.4%に対し、ステージ4は15.9%。
僕は2014年の発症なので、これだけを見れば10年後の2024年に生存している可能性はかなり低いだろう。
僕は今年47歳になるので、享年52歳か。。。
ほれ、僕の正夢が当たりそうな気配がしてきたでしょ?
10年生存率に男性乳がんの記載はないが、5年生存率には男性乳がんの数字も発表されるようになったのは興味深い。
ってひょっとしたら過去に同じことを書いたかもしれないが、おさらいを含めてもう一度書いておこう。
(2008年~2010年症例の男性乳がん)
ステージ1・・・29症例で5年相対生存率は100%!
ステージ2・・・26症例で5年相対生存率は97.9%!
ステージ3・・・8症例で5年相対生存率は80.4%!
ステージ4・・・発表なし
前述したようにステージ3と4の間には天地の差があるので、ステージ4の数字がものすごく気になるところだが、まだ統計として表に出てきてないようだ。
がんが分かった頃はこういう数字を見て一喜一憂し、メソメソな記事を書いて読者に怒られたこともあった。
元来、悲観的な僕は、「癌に負けてたまるかー」「絶対死なねぇー」「癌をやっつける薬ができるまで頑張るんだ!」なんて、根拠もなく自分を奮い立たせるようにはできていない。
悪い数字を見てもメソメソしなくなったのは、「乗り越えられた」って言うよりかは、「覚悟を決めた」って言うほうが正しいかもしれない。
人がいつ死ぬかなんてそれこそ人それぞれで、そういう分からないことをクヨクヨと考えていても仕方がない。
「今、生きている」ことが大切で、それが他人よりも短くてもそれが運命なら受け入れるしかないのだ。
僕はがん患者が治療を放棄することは命を粗末にしているようで大反対の立場だが、ある乳がん放置患者が書いている女性のブログの中で、心に響いた言葉があった。
それは、
「そのままの寿命を生きたい」
という言葉だった。
これを僕流に解釈すると、そのままの寿命っていうのは何もしないことではなく、
「人智を尽くして最善の治療(標準治療)を受けたにも関わらず生き延びられない寿命」のことで、そこに気づいた時、僕の覚悟が決まったように思う。
降水確率が80%であれば、僕は雨が降らないほうに賭けるよりも傘を持っていくだろう。
でも心のどこかで、このまま雨が降らないことを祈っている自分もいたりする。