前回の記事で「がん疲労」のことを書いた。

僕は乳がんなので必然、女性の同病者のブログを読むことが多いのだが、主の方には独身の方もいらっしゃるし、家族をお持ちの方もいらっしゃる。
また中には年老いた親の介護をされている方も見受けられる。

 

腫瘍そのものの苦しさに加えて手術の後遺症、強い薬の副作用、将来への不安、保険の手続き等、がんが肉体的にも精神的にも我々を蝕み、くたくたに疲弊させることは僕もよく知っている。
そんな中、がんになった女性が生きていくために、そして愛する家族のために、自分のことを一番後回しにして炊事、洗濯、掃除などの家事をこなす姿を聞くと、本当に頭が下がる思いがする。
中にはお昼間仕事をされている女性もいらっしゃるのだ。
僕が安易に「疲れた・・・」などと愚痴を言う資格はない。
みんな泥のように疲れているのだ。
みんな沈み込むように休みたいのだ。
誰もやらないから、やらねばならないから病身に鞭を打っているだけだ。

そんな思いを巡らせていると、「しんどい」などと書いた前の記事を恥ずかしくて消したくなってくる。
でも、僕の後に続く男性乳がん患者に、情けない姿をさらすことで奮起してもらうという意味を込めて、このまま恥をさらしておくことにしておこう。

ただこの疲れの原因については愚痴だけで終わらせることなく、正しく理解しておかないといけない。
原因が分からないと対処のしようもないからだ。

僕は、加齢、薬の副作用、腫瘍そのものの疲れ・・・を前回の記事であげたが、それに加えて男性更年期障害というのも可能性としてあげておきたいと思う。
更年期障害は閉経前後の女性の代表的な症状の一つだが、男性にも更年期障害があるということをある泌尿科医の記事で知った。
男性ホルモンであるテストステロンの減少によって引き起こされるもので、医学的にはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と言い、好発期は50代。
女性のエストロゲンのように時期を同じくして大きく減少することで発症することはないが、男性の場合はテストステロンの減少原因の一つにストレスがあるようだ。
症状としては、
○ 性機能障害
○ ひどい肩こり
○ うつ状態
○ のぼせや多汗
○ 全身倦怠感
○ 関節のこわばりや痛み・・・などなど。

確定診断には血液検査でテストテロンの減少を調べるのと、AMSスコアで決定するようだが、試しにAMSスコアでチェックしてみたところ、僕には中程度以上という結果が出た。
治療には、生活習慣の改善と漢方薬(補中益気湯)、そしてテストテロンの補充があり、これで大半の患者は改善すると聞く。

※ テストテロンの補充は、前立腺がんのリスクをあげるという説もあったので注意が必要だ。


このAMSスコアの結果を見てみると、僕はどうやら男性更年期障害のようだ。

あまりに症状が酷似している。

でも病院に行って、確定診断を付けようとまでは思わない。
ホルモンをいじるホルモン療法を施行中なのに、さらにホルモンをいじることには抵抗があるからだ。

 

でも、この「補中益気湯」という漢方薬は、女性主のブログでもよく目にする。

ツムラのHPで確認してみると、「気力がわかず、だるくて疲れが取れない人に・・・」とある。

お、これ、いいんじゃないの?それに漢方薬っていうのも気に入った。

アマゾンでも買えるようなので、早速カートに入れてしまった。

 

本当なら教授先生にこういった症状のことも相談したいところだけど、多分こういうことについては関心がないだろうし、親身にもなってくれないだろう。

「補中益気湯を処方してください」と言ってみたところで、無駄のような気がする。

もちろんだめもとで言ってみるべきかもしれないけど、前から何度も言ってるように、僕と教授先生は気安く相談できる間柄ではない。
医師としての腕は信頼しているけど、人間としては信頼していない。

 

アマゾンで売っている程度の薬なら差し支えはあるまい。

これで少しでも元気を取り戻せたらいいなと、すごく期待している。(注:性機能のことを言ってるのではありません。)