先日、「遅筆が自身の心の弱り度のバロメーター」という一文を読んだが、言い得て妙だなと思った。
最近ブログを更新するためにPCへ向かうことが少し億劫な自分がいるのだが、理由は明白である。

1 倦怠感
昨今のこのジメジメした暑さでは普通の人でもまいってしまうと思うが、加えて僕には放射線治療やらホルモン療法など、どれが作用しているのか分からない倦怠感が、ずっしり襲ってくる時がある。
こうなるともう立っていることも喋ることも辛くてぐったりとしてしまうのだが、この重い倦怠感が最近頻回に感じている。

2 仕事の忙しさ
僕の仕事はだいたい4月から7月頃までは頭に藻が生えるほど暇なのだが、8月~翌年3月まではなんだかんだと忙しい。
暇な時は会社で仕事をしているフリをしながらこっそりブログの下書きをしているほどなのだが、今は一日中しっかりと仕事をしている有様だ。(当たり前のことを胸を張って言うのも妙だが。)
加えて単身赴任となってからは出張が多くなり、しかも単身赴任先の住まいの家事全般を一人でやらざるを得ないことも忙しさに拍車をかけている。
とはいっても今のところはしっかり土日祝日は休めているし、仕事は8:00~18:30できっちり切り上げているので本当に忙しい人から怒られてしまう。

3 ヤナ上司
赴任してきた頃の上司は「よきにはからえ」型の上司だったので、ある程度の苦労はあってもマイペース型の僕にとってはそれほど苦もなく仕事を進められたのだが、5か月後に異動してきた新しい上司は、それとは対照的に僕が苦手とするバリバリの「管理型」の上司だった。
どこへ行くにしても何をやるにしても必ず報告を求めてくるし、幹部職員の僕をまるで平社員のように完全なる管理下におこうとする。
彼は僕と同じ年齢(もちろん入社は彼が先輩)だが、どうも仕事に対するベクトルが上のほうへ向いているようで、役員連中からは可愛がられているが、下からの評判はあんまり芳しくないように聞いている。
こんな上司なので何を相談しても、「それはたいちクンが悪い」なんてことごとく否定されるものだから、僕も完全に心を閉ざしてしまった。
超長時間型の抗不安薬(メイラックス)を服用するハメになったのは、彼の存在が大きいと考えている。

とまあ、僕の心が弱っている理由を大きく3つあげてみたが、普通に社会生活を営んでいればどこにでもあるようなストレスを大げさに書き、それをまたブログの更新が遅れる理由にする厚顔無恥さには自分で恐れ入っている。

文章を作るという作業は筆さえ握れば誰にだって書くことができ、それほど難しいものではない。
ブログを書くことと小説を書くこととはまるで違うと思うが、 小説家の村上春樹がある著書の中でこう言っていた。
小説家に必要なのは書かずにはいられないという「内的なドライブ(衝動)」と、孤独な執筆を長時間持続できる「強靭な忍耐力」があるか。
これが小説家の「資格」のようなものだと語る。
「あたりを注意深く見回して」みて、一見つまらなそうな世界から多くの魅力を「見出す目を持ち合わせた人々」が小説家なのだという。

これまでブログを始めてからコンスタントに約200本もの記事をアップしてきたが、村上春樹のこの言葉に触れ、「強靭な忍耐力」どころか風に少し吹かれただけでつまづきそうになる僕には、とうてい小説家にはなれないなと妙に得心してしまった。

ランキングを外したおかげで覗きに来られる読者がぐっと減り、「頻回に更新しなければ」とか、「興味がありそうな面白い記事を書かなきゃ」なんていうプレッシャーも昔ほどなくなった。
文章を作るという行為自体は嫌いではないし、文章力や表現力を磨くという点においても決してマイナスだとは思わないので、これからもマイペースに更新していきたい。