タイトルはもちろん男性向けの言葉だ。
男性乳がんは全乳がん患者の1%弱と言われていて、なんで僕がこの病気になったのか、これまでにも何度か自問を繰り返してきた。
がん情報サイトの他、男性乳がんを解説しているページではそのリスク因子として、
○ 遺伝
○ 放射線にさらされる
○ エストロゲン量の増大→女性化乳房
なんてことが共通して書かれている。
某巨大掲示板では、なんと「ホモ」がリスク因子として書かれていた。
こんなことを信じるわけはないけれど、世間さまの男性乳がん患者を見る目ってこの程度なのかと、ショックを受けたこともあった。

これまでの記事にも書いてきたように、かつての僕は体を鍛えるのが大好きで、全盛期は相当大きな大胸筋を持っていた。
残念ながら「絞る」ことにはあまり興味がなく、筋肉量の増大と比例して脂肪量も増大したので、ボディービルダーというよりかはプロレスラーのような体型をしていた。
この病気になって腋窩リンパ節を廓清し、リンパ浮腫やら蜂窩織炎を恐れて運動を一切諦めてしまうと、筋肉が真っ先に落ち、そして脂肪が残った。
改めて自分の胸を眺めてみると、
「僕は大胸筋だと思っていたけど、実はこれって女性化乳房だったんじゃないの?だから乳がんになったのかな?」
って思いが消えなくなった。
それか・・・ピペトップ(笑)

先日、スーパー銭湯に行ってきた。
全摘後は他人に胸を晒すことに思春期の乙女のような恥じらいがあったのだが、ここ最近はそういうことにもすっかり慣れた。
ハンドタオルを2枚持ち、1枚を左肩から掛けて胸を隠してしまうと平気になった。
熱いお湯やサウナ、水風呂もリンパ浮腫を恐れて避けていたのだが、今ではそうならないことに自信を持ったので、これも平気になった。
いつものとおり限界までサウナに入り、冷たい水風呂に1分間沈んでから、屋外のリクライニングチェアでくつろいでいると、そう、発見したのだ・・・女性化乳房を。

歳の頃は50歳前半で坊主頭で顔は小さく、鬼デブではなかったけど腹はまあまあ出てて、小太りよりももう少し肥えていたかな。
堅太りってやつだ。
それよりも、びっくりしたのは胸。
お相撲さんのような肥満した胸ではなく、見たところそれは胸ではなくもはや乳房だった。
もちろん女性の胸のようにしゃぶりつきたくなるような柔らかさがないことは一目で分かったが、僕の目はおっさんの顔とおっさんの乳房を何度も往復した。
それほどにアンバランスだったのだ。
これじゃTシャツを着ても目立つだろうし、まさかブラジャーするわけにもいかないだろうけど、いや、この胸じゃジャストサイズのブラジャーがあるんじゃないの?って、下世話にもあれやこれやと考えてしまった。
それよりもこのおっさんの胸を見てはっきりと分かったのは、自分は女性化乳房ではなかったこと。
積年の悩みが霧消してしまった。

いやぁ、貴重なものを見せてもらった。
このおっさんこそ、男性乳がんには気を付けてもらわなくちゃ。

そうなると、僕の乳がんの原因はやっぱりピペトップだろう。
主治医は「んなわけない!」と言っていたが、これより他に思い当たるものはない。
※ 乳がんはしこりに育つのに10年近くかかるということは知っているので、半分冗談です。