血液腫瘍内科の教授先生に、次第に大きくなっていく縦隔リンパ節の正体を明らかにすべく呼吸器外科の受診を指示された僕。
不安になるだけなのにネットで「縦隔リンパ節生検」について調べてみたところ、
○ 気管支鏡
肺がんの検査に用いる機器で、やわらかくて細い内視鏡を口から挿入し、気管支の中を観察する。
気管支の粘膜などの様子を観察するほか、病変から組織を採取するのにも用いる。
検査の前には、痛みや刺激を和らげるために、のどや気管内などに簡単な局所麻酔薬を噴霧する。(局所麻酔)
○ 縦隔鏡
首のつけ根の皮膚に切り込みを入れて、縦隔鏡と呼ばれる筒状の器具を入れて、2つの肺の間(縦隔)を直接見て観察する検査。(全身麻酔)
○ 胸腔鏡
胸に穴をあけて、そこから内視鏡を入れて観察する検査。(全身麻酔)
○ 開胸手術
胸壁を切開し、胸腔を開放する手術方法のこと。(全身麻酔)
の4つが大きな検査方法であることが分かった。
もちろん、下へ行くほうが体の負担(侵襲)が大きい。
2016.12.26
「縦隔リンパ節」を取るのだから当然縦隔鏡検査を提示されるのだろうなぁと思いながら、初めての呼吸器外科の受付に診察券を通す。
待合室で問診票を記入すると、1時間ほどで診察室に呼ばれた。
この先生も「教授」だ。
以下、先生のお話を箇条書きにして記載する。
◯ CT、PET-CTの画像を見ると、気管支が二つに分岐しているところの気管支周りのリンパ節が5つほど大きくなってきているのが分かる。
<赤く囲んだところが肥大した縦隔リンパ節の5つ。四角い青色で囲んだ部分は心臓だそうだ。>
◯ 乳がんから肺や肝臓、骨などの転移はよくあるが、この縦隔リンパ節の肥大が乳がんからの転移とすれば、今の僕の状態から言えば珍しいと思う。
○ 縦隔の病気はたくさんあるが、胸腺種、サルコイドーシス、悪性リンパ腫などが考えられ、むしろこの画像から診断するなら悪性リンパ腫と鑑別したほうがスッキリする。
◯ 提示する生検は2種類で、
① 胸腔鏡(全身麻酔下)
- 身体に3つほど穴を開ける。
- 確定診断率はほぼ100%
- 入院期間は1週間程度。
- 手術時間は1時間程度。
② 気管支鏡(気管支ファイバースコープ)(局所麻酔下)
- 胃カメラと同じ要領で、鎮静剤を打って意識が朦朧としている間に終わらせることもできる。
- 確定診断率は7割だが、取りにくい場所にあるリンパ節ではない。
- 手術時間は30分程度
- 問題がなければ日帰りも可能。
- もしうまく組織がとれなかったら胸腔鏡を受けてもらう可能性がある。
とのことで、好きな方を選んでよしとのことだった。
すっかり全身麻酔で尿道バルーン留置の覚悟を決めてきた僕だったが、意外にも気管支鏡ファイバースコープでも検査ができることが分かり、選択肢が一つ増えたことでその場で素早く考えを巡らせた。
○ 教授先生は乳がんの転移を疑っており、それはまず間違いないだろう。
○ 気管支鏡でも7割の確立で確定診断がつく。
○ 全麻よりも身体への負担が少ない。
○ 入院期間が短い(日帰り可能)
・・・ということで、うまくいかなかった時は胸腔鏡検査を受けるということを視野に入れながら、とりあえず気管支鏡での検査を選択した。
検査予定は年明けの1月10日に決まり、手術をしないので呼吸器外科ではなく、2016.12.26に呼吸器内科の診察を受けてもらう必要があるとのことだった。