2017.3.14
翌日も振休を取っていたので、昨日皮膚科の先生に書いてもらった診療情報提供書を持って早速大学病院の形成外科へと向かった。
昨夜は、「粉瘤 摘出手術」「癌 皮下転移 頭」などのキーワードで検索しまくったので、少々寝不足気味だ。
昨日、抗うつ剤のサインバルタを2日に1度にしてもらったのに、しばらくまた毎日必要になりそうだ。
 
以下、箇条書きで形成外科の先生とのやり取りを書いてみる。

1 左後頭部の大きな「できもの」について
○ 大きさは約3cmで、前に大学病院で撮影したCTを見る限り粉瘤にしては奥が深い気がする。
○ 大きくなったり小さくなったりする原因はよく分からない。
○ 頭部造影MRIを撮る必要があるが、生検するなら摘出手術をすることになるだろう。
○ 手術は局所麻酔で2時間程度、切開部分にドレーンを留置して血が止まるまで入院してもらうことになるが、入院は3泊4日程度になるだろう。

2  その他3か所の小さな腫瘍
○ 左側頭部のものは1cm×0.5mm、他の前額部、前頭部は0.5mm程度で、やはり皮膚科医と同じく皮下転移を疑う。
○ 左側頭部の大きなできものと一緒に摘出することができるが、一度の手術で4つ取れるかどうかは微妙(侵襲が大きいから?)で、術中に判断する。
 
とのことだった。

「たいちさんはどうしたいですか?」
と聞かれたので、
○ 左後頭部の腫瘍は気味が悪いので摘出して生検してもらいたい気持ちはある。
○ その他のしこり・・・これが癌の皮下転移の可能性が大きいのならば、僕は縦郭リンパ節に転移しているステージⅣなので、手術で摘出したとしてもまた新たな腫瘍ができる可能性がある。
いわゆるもぐら叩きのような状態になるのでケモで抑えるのが常道ではないでしょうか?
 
と申し上げた。
「うーん、ケモで抑えられるかどうかは専門外なのでなんとも言えないけど、とりあえずMRIを受けてみましょう」
ということで、カメラで頭のしこり4ヵ所の写真を撮ってこの日の診察は終わった。
 
2017.3.15
振休とはいえ2日連続で会社を休んだので気が引けたが、午後から休暇をもらって頭部造影MRIを撮りに行ってきた。
大学病院の癖にうちのMRIは遅い(予約がとれない?結果が出るのが遅い?)からと、違うクリニックへの依頼状を書いていただき、大学病院の裏手にある循環器クリニックというまだ新しそうなクリニックへ行ってきた。
 
MRIは全摘手術の前に撮って以来になるので約3年ぶりになる。
痛みを感じさせることなく太い点滴の針を上手に右手にルートを取ってくれて、撮影中の騒音緩和のためのヘッドホンを付けさせられる。
20ジャンルの中から音楽を選ぶことができて、サザンやらエグザイルなどがあったけど、もちろん僕は迷うことなく「ジャズ」を選択した・・・が、これが後に後悔することになった。
 
撮影ポイントを明確にするために頭の腫瘍4か所にマーキングのためのシールを張られ、ヘッドホンの上から頭部を固定されて撮影が始まった。
 
前回のMRIは音楽なしのただのヘッドホンだったので、漏れ聞こえてくる「ガッガッガッ」とか「ビ—————」とかいう騒音を半分楽しんでたのだが、実は僕には絶対音感がある。
全ての音が「ドレミファソラシド」の波長で聞こえるので、ジャズの「ドレミファ」の波長とMRIの「ドレミファ」の波長とが重なり合ったり微妙にずれたりするのが気になって、どうにも気分が悪くなってしまった。

4か所の腫瘍が対象なので、撮影時間は50分程度かかった。
途中からウトウトしてきたので、音の苦痛を本格的に感じる前に撮影が終わった。
結果発表は2017年3月21日の診察で、形成外科と腫瘍血液内科の教授先生とのダブル診察になる。
 
さてどんな結果が出て、どんな治療方針となるのか・・・。
結果が出る前にあれこれ考えても仕方がないことはすでに経験済みだ。
しかし、わずか半年で縦隔リンパ節への転移と頭への皮下転移への疑い・・・となると、自然と余命のことが頭をよぎる。
もう半年経ったら僕はどんな状態になっているのだろうか。
ただでは済んでいないような気がする。
そして治らないと分かっていても副作用の激しいケモをするのか、それとも緩和ケアを選択するのか・・・。
もう少し考える時間があると思っていたが、結論を出さなければいけない時期がすぐそこまでやってきているのかもしれない。