経過観察中は闘病ブログのカテゴリーを外していたが、再発したので勇んで(?)再登録したのはいいけれど、病気に関連する記事を書くことで忙しかったのは大学病院に転院し、再発を確認するまでの検査や診察の時だけだった。
今の治療はお薬(LET)と、2ヵ月に1回の造影CTと先生の診察のみ(1ヵ月に1回はポートフラッシュに行かなければならないけど、この時はこちらから希望しない限り診察はない。)と、経過観察時代とあまり変わらなくなった。
変わったのは検査や診察を受ける度に、「絶望」と言う名の崖の淵へと、少しづつ追いやられていくことになったくらいのもんだ。

 

ステージⅣって、かつての術後薬物療法のように3週間に1度の点滴や血液検査、時にはCT、時にはMRIと、もっと忙しいものだと思っていた。
繰り返しになるが、遠隔転移がはっきりと確認できた時の教授先生が言っていた「これからは年単位で徐々に悪くなっていき、月単位で急激に悪くなることもあるでしょう」って言葉が、1日に1回は頭の中で再生される。
その言葉に象徴されるようにそれからすぐに頭皮への転移が疑われ、左後頭部の大きなこぶが時折痛むようになった。
頭蓋骨の外側とは言え、大きな固いこぶができたのである。
それが脳にまで影響を与えているのか分からないが、軽い頭痛やふわっとした浮遊感などの症状がほぼ毎日のように出現するようになった。
でも縦郭リンパ節への転移も頭皮への転移もただちに命に関わるようなものではなく、また生活や仕事に支障がでてきているわけでもない。
ゆっくりと進行し、突然悪くなる・・・なるほどね。
「ステージⅣは広いよ」ってコメントをくれた方がいて、その時は意味が分からなかったけれど今はなんとなく分かってきた。
そしてこれからはもっともっとこの言葉を実感することになるのだろう。

 

僕も昔は混同していたけれど、ステージⅣと末期とは違う。
乳癌で言うステージⅣは遠隔転移が明らかになった状態で、末期というのは闘う武器がなくなってしまった状態のことを言うようだ。
僕にはまだ・・・使うかどうかは別にしてケモという武器が残されているので末期ではないということになるが、この期に及んで言葉の定義なんてあんまり意味はないような気がする。

癌じゃない人に、「ステージⅣですor末期なんです。」なんて説明はしないし、せいぜい「あんまりよくはないんです」って言うくらいなものだろう。

 

次の診察は4月25日で、すでに会社に休みを届けてあり、なるべく1日で済ませられるように予約を集中させてある。
耳鼻科、形成外科、そして教授先生の診察・・・時間があれば心療内科にも行くかもしれない。

 

形成外科には教授先生の治療方針・・・つまり頭皮の皮膚がんを切るのかケモをするのかを伝えなければならないのだが、前にも書いたように前回の教授先生のご機嫌が最悪でまともに話ができていない。
ただ、以前からぎりぎりまでLETでがんばると言われていたので、摘出手術をすることは「気になるんなら切ってもらえばいいんじゃない?」
という冷たい言葉が示すように賛成ではないようだ。
これをこのまま形成外科の先生に伝えるしかない・・・って言うか、なんで患者が教授先生の御意を他科の先生に伝えなければならないのだろうか。
それとも大学病院っていうのはそういう縦割り社会なのだろうか。

 

妻が憤るのも無理はないが、だからと言って転院を考えるほどのことでもないと僕は思っている。
転院したところで先生が優しいのか冷たいのか、また馬が合うのか合わないのかの違いだけで大きく治療方針が変わるわけではない。
ぎりぎりまでLETでがんばる・・・御意御意!