前回の記事、149 乳がん患者、単身赴任を命じられる(その5)「がん相談支援センター再び」で、もうこの病院に決めるか・・・とほぼ心が決まりかけたのだが、ちょうどいいタイミングでこのブログを開設したことがきっかけでメールをやり取りするようになった方から、
「こんな病院(クリニック)があるよ」
と情報をいただいた。
教えてもらったクリニックが開設したHPを見てみると、僕が理想とする病院に近いような気がした。
すなわち・・・。
○ 経過観察とポートフラッシュだけなので、大病院で長時間待ちたくない。
○ でも乳腺の専門医に診てもらいたい。
○ 女性ばっかりのクリニックに行くのは嫌だ。
○ もちろん通いやすいところがいい。
早速HPに載っていたメールアドレス宛に、「こんな僕ですが診てもらえますか?」と送ったのだが、全く返事が返ってこない。
思い切って電話をしてみると、電話口に出た女性から、
「男性の患者さんもよく来られますし、先生に確認したところ、経過観察もポートフラッシュも大丈夫とのことなのでどうぞいらしてください。」
とのだった。
どうやらメールは先生が失念してしまったらしい。
2015.12.26
転院元の病院から紹介状と画像データが手元に届いたため、今日、転院先となるクリニックを訪ねることにした。
来週は年末の挨拶で実家に帰るため、今日を逃すと年明けすぐに行かなければいけなくなる。
最後のハーセプチン投与が12月6日だったので、1か月以内にポートフラッシュをしてもらわなければならないのだ。
このクリニックでは土曜日も開院しているので、本当にありがたい。
昨今の乳腺外科の混雑は相当なものらしいので、かなり待たされることを見越し、タブレットや読書用の本などをバッグに詰め、自宅から電車を乗り継いで約30分かけてクリニックへと向かった。
そのクリニックは、医療やエステ系のテナントが入り、少し女性を意識したようなかわいらしいデザインの雑居ビルの3階にあった。
事前にグーグルのストリートビューで訪れていたので、初めてという感じがしない。
自動扉を開けると、小さな待合室に20人弱の患者さんがいた。
この病院では消化器内科、乳腺外科、内科、外科を扱っており、やはり乳腺外科の看板を掲げているだけあって女性の患者が8割ほど、2割が男性だった。
たくさんの女性の中に男が一人という状況は避けたかったので乳腺以外の取扱いがあるクリニックを希望していたが、ここは目論見通りだ。
待合室では既存の椅子だけでは足りなかったようで、通路に急ごしらえの小さな木製の丸椅子に腰掛けている患者さんもいた。
朝一番の9時に行けば多少なりとも待ち時間がマシではないかという淡い期待はたちまち裏切られる。
周りの人の話を聞いているとどうも診察の開始時間が9時で、クリニック自体は8時過ぎにはオープンしていたようだ。
受付で初診である旨を告げると、カウンターの中の事務員さんが、
「今日はどうしました?」
と不躾に聞く。
こんなオープンの場で、
「乳癌の術後フォローで来ました」
なんて言えないので、デリカシーのない事務員さんに黙って前の病院の封筒に入った紹介状を差し出した。
小さなクリニックである以上仕方がないのだろうけど、女性患者が多いのならもう少し配慮があってもいいだろうにと、少しイラっとしてしまった。
僕の感情が伝わったのか事務員さんはそれ以上何も尋ねず、
「今日は混雑していて診察までに1時間~1時間30分ほどかかります」
と言いながら、問診票が挟んであるバインダーを僕に手渡した。
たまたま空いた既存の椅子があったので、僕はそこに腰を掛けてまわりの観察を始めた。
僕が座ってからも5分に1回の割合で次々と患者さんがやってくる。
件の事務員がその都度、「今日はどうしました?」と聞くので、嫌でも患者さんの用件が耳に入ってくる。
点滴、乳がん検診、内視鏡検査・・・などなど。
男性がいる小さな待合室でも臆する様子なく、
「乳がん検診できました」
と堂々と申告しているのを見て、改めて女性はたくましいなって思ってしまった。
いや、僕がヘタレ過ぎるのか。。。
その間も診察は進み、診察室やら検査室から名前を呼ばれた人が次々と中へ入っていくのだが、同じペースで来院する患者さんがいるので、座りきれなくなった人が外にまで待つ人が現れたのには驚いてしまった。
いつしか予約なしの検診は3時間待ち、診察までは2時間待ちという受付の話を聞いて、あきらめる人も出始めた。
窮屈な思いが人一倍嫌いな僕は、
(中に座りきれないなんてひどいな。末期の僕が病院ではなくクリニックで本当によかったのだろうか。)
と、後悔の念が沸々としてきた。
それに、男性がいるとは言え圧倒的に女性が多く、心理的にも窮屈さを感じてきた。
人間観察やら物思いなどにふけっていると知らぬ間に時間が経過していたようで、持ってきたタブレットや本を開く前に僕の名前がマイクで呼ばれた。
時計を見ると、病院についてからおよそ1時間15分が経過していた。
さあ、どんな先生かな?
期待半分、不安半分の気持ちで診察室の引き戸を開けた。
「こんな病院(クリニック)があるよ」
と情報をいただいた。
教えてもらったクリニックが開設したHPを見てみると、僕が理想とする病院に近いような気がした。
すなわち・・・。
○ 経過観察とポートフラッシュだけなので、大病院で長時間待ちたくない。
○ でも乳腺の専門医に診てもらいたい。
○ 女性ばっかりのクリニックに行くのは嫌だ。
○ もちろん通いやすいところがいい。
早速HPに載っていたメールアドレス宛に、「こんな僕ですが診てもらえますか?」と送ったのだが、全く返事が返ってこない。
思い切って電話をしてみると、電話口に出た女性から、
「男性の患者さんもよく来られますし、先生に確認したところ、経過観察もポートフラッシュも大丈夫とのことなのでどうぞいらしてください。」
とのだった。
どうやらメールは先生が失念してしまったらしい。
2015.12.26
転院元の病院から紹介状と画像データが手元に届いたため、今日、転院先となるクリニックを訪ねることにした。
来週は年末の挨拶で実家に帰るため、今日を逃すと年明けすぐに行かなければいけなくなる。
最後のハーセプチン投与が12月6日だったので、1か月以内にポートフラッシュをしてもらわなければならないのだ。
このクリニックでは土曜日も開院しているので、本当にありがたい。
昨今の乳腺外科の混雑は相当なものらしいので、かなり待たされることを見越し、タブレットや読書用の本などをバッグに詰め、自宅から電車を乗り継いで約30分かけてクリニックへと向かった。
そのクリニックは、医療やエステ系のテナントが入り、少し女性を意識したようなかわいらしいデザインの雑居ビルの3階にあった。
事前にグーグルのストリートビューで訪れていたので、初めてという感じがしない。
自動扉を開けると、小さな待合室に20人弱の患者さんがいた。
この病院では消化器内科、乳腺外科、内科、外科を扱っており、やはり乳腺外科の看板を掲げているだけあって女性の患者が8割ほど、2割が男性だった。
たくさんの女性の中に男が一人という状況は避けたかったので乳腺以外の取扱いがあるクリニックを希望していたが、ここは目論見通りだ。
待合室では既存の椅子だけでは足りなかったようで、通路に急ごしらえの小さな木製の丸椅子に腰掛けている患者さんもいた。
朝一番の9時に行けば多少なりとも待ち時間がマシではないかという淡い期待はたちまち裏切られる。
周りの人の話を聞いているとどうも診察の開始時間が9時で、クリニック自体は8時過ぎにはオープンしていたようだ。
受付で初診である旨を告げると、カウンターの中の事務員さんが、
「今日はどうしました?」
と不躾に聞く。
こんなオープンの場で、
「乳癌の術後フォローで来ました」
なんて言えないので、デリカシーのない事務員さんに黙って前の病院の封筒に入った紹介状を差し出した。
小さなクリニックである以上仕方がないのだろうけど、女性患者が多いのならもう少し配慮があってもいいだろうにと、少しイラっとしてしまった。
僕の感情が伝わったのか事務員さんはそれ以上何も尋ねず、
「今日は混雑していて診察までに1時間~1時間30分ほどかかります」
と言いながら、問診票が挟んであるバインダーを僕に手渡した。
たまたま空いた既存の椅子があったので、僕はそこに腰を掛けてまわりの観察を始めた。
僕が座ってからも5分に1回の割合で次々と患者さんがやってくる。
件の事務員がその都度、「今日はどうしました?」と聞くので、嫌でも患者さんの用件が耳に入ってくる。
点滴、乳がん検診、内視鏡検査・・・などなど。
男性がいる小さな待合室でも臆する様子なく、
「乳がん検診できました」
と堂々と申告しているのを見て、改めて女性はたくましいなって思ってしまった。
いや、僕がヘタレ過ぎるのか。。。
その間も診察は進み、診察室やら検査室から名前を呼ばれた人が次々と中へ入っていくのだが、同じペースで来院する患者さんがいるので、座りきれなくなった人が外にまで待つ人が現れたのには驚いてしまった。
いつしか予約なしの検診は3時間待ち、診察までは2時間待ちという受付の話を聞いて、あきらめる人も出始めた。
窮屈な思いが人一倍嫌いな僕は、
(中に座りきれないなんてひどいな。末期の僕が病院ではなくクリニックで本当によかったのだろうか。)
と、後悔の念が沸々としてきた。
それに、男性がいるとは言え圧倒的に女性が多く、心理的にも窮屈さを感じてきた。
人間観察やら物思いなどにふけっていると知らぬ間に時間が経過していたようで、持ってきたタブレットや本を開く前に僕の名前がマイクで呼ばれた。
時計を見ると、病院についてからおよそ1時間15分が経過していた。
さあ、どんな先生かな?
期待半分、不安半分の気持ちで診察室の引き戸を開けた。