2015.11.6
IKEAから転勤先の居宅に家具が届く予定なので、仕事は忙しかったのだが思い切って仕事を休んだ。
なにしろ時間指定がおおまかにしかできないので、いつ届くのか分からないのだ。
でもラッキーなことに、「早く届けばいいのにな・・・」という僕の願いが通じたのか、家具はお昼一番に届いた。

というわけでお昼から時間に余裕ができた僕は、先日某病院の「がん相談支援センター」で勧められた病院に行ってみようと思い立った。
タイムズカーシェアリングの会員である僕はすぐに近くのタイムズで車を借りると、カーナビを頼りにして病院へと向かった。
レンタカーだと20分程度で着いたが、電車とバスを乗り継げば軽く1時間はかかるだろう。

病院に着いた僕は院内案内図を見て、がん治療センターの中にある「がん相談支援センター」へと向かった。
アポを取っていなかったがダメならダメでしょうがないと、自動扉を開けた。
中は10人くらいが座れる独立した中待合室のようになっており、患者と思しき女性が一人だけ座って雑誌を読んでいた。
受付には事務職の制服を着た女性が座っていて、どうやらこの奥にあるケモ室の受付も兼ねているようだった。

僕が来院目的を告げると、どこの部位の癌かと聞かれる。
軽くうろたえながら乳がんであることを告げると、驚いて何か言いたそうな顔になる。
「ええ、妻とかじゃなくて僕が当事者なんですよ」
と言うとそれでもなんだか納得いかない顔で、
「ソファーに掛けてお待ちください」
と言っ、奥のスタッフルームへ誰かを呼びに行った。

代わって現れたのは30代後半くらいのふくよかな女性で、僕が話しだす前から目をまん丸にして最初から驚いたような顔をしている。
その顔を見て少しイラっとしてしまったが、僕が病気の経緯や治療のことなどを話し始めると、ようやくリラックスしたのかよく話を聞いてくれた。
よくお喋りになるのでこの人と飲みに行ったらきっと楽しいだろうな・・・なんて頭の片隅にふっと浮かんだ妄想を慌てて振り払う。

しかしどこかの個室で話を聞いてくれるのかと思いきや、そのまま待合室で話をされるので、僕は先に座っていた女性のことが気になってしかたがない。
きっとこの女性、男性乳がんのお話に耳がダンボになってるんだろなー、と思いながら、半ばやけ気味で自分の乳がんの話を続ける。

1 病院の混雑具合について
芸能人のがん報道もあり、他科を受診している患者の中で、少しでも胸に違和感があったら検査を受けにくるというケースが目立っている。
なので当院では医師の判断がなければ基本的に検査はお断りしている。
(※ 最近ではこの病院に限らず、乳腺科のHPを見ると「検査お断り」というのをよく見かける。)

2 経過観察だけでも受診できるのか?
本家では経過観察のみの受診はお断りしているが、当院ではそういったことはない。
ただ、かかりつけ医の制度は推進している。

3 病院の設備は?
PET-CTはないが、リニアックや骨シンチなどの治療、検査機器は備えている。

4 乳腺の専門医に診てもらいたいのだが
乳腺の医師は二人いる。
専門医が良ければ専門医宛の紹介状を書いてもらってほしい。

5 ポートのフラッシュが必要なのだが。
(僕の患者カードを見ながら)メディコンのポートなら、4週間に一度フラッシュが必要。
希望すれば自宅で自分でもできるように手技を教えることもできる。

6 タモキシフェンの処方日数は?
30日だ。

7 病院を見て歴史を感じるが開院してどれくらい?
30年が経つ。

最後に突然伺ったにも関わらず、親切に相談に乗ってもらったことの謝意を述べて、がん相談支援センターを後にした。
相談に乗ってもらった女性の印象が良かったせいもあって、なんだかいい病院のように思えてきた。
アクセスは不便だがもうこの病院に決めちゃうかな…と、そう思いながら病院を後にする。

しかし、ハーセプチンが終わっても4週間に1度のポートフラッシュがあるので、ほぼ今のペースで病院通いが続くのだな。
かと言って医者から再発リスクが高度だと言われている僕に、ポートを抜くなんてことは考えられない。
どうせ経過観察で定期的に病院に通わなければいけないのだから、そのついでだと思えばフラッシュなんてどうってことない。