※ 今日の記事は少しネガティブな内容を含んでいます。落ち込みたくない方は読まないでくださいね。
これまでの記事やコメ返で、
「僕には高度なリンパ節転移があったので転移することも天寿を全うできないことも覚悟の上。おかげで初発の告知の時は1か月ほど泣き暮らしたけど、もういつ再発の告知を受けたとしても平常心を保つことができる。」
なんてことを言っていたが、再発が確定してから2週間。
じわじわと負の心が浸潤(癌患者にとってあまりいい言葉ではないが)・・・いや、内側から外へ湧き出てきたと表現すべきだろうか。
・ 1日の半分が寂しくて悲しい感情に支配されていて、時には場所を選ばず自然に涙がこぼれることも・・・。
・ 「僕はあと何年生きられるのかなぁ」と、気が付けばぼぉーっと考えている時間が増えた。
・ 相変わらず休みなしの長時間の仕事を続けているが、管理職なので残業もつかないし、人間関係の複雑さに加え命に係わる病気を抱えている今、ストレスの多い職場にいる意味が全く分からない。
(※ 辞めれば現在貰っている給料は諦めなければならないので、人事部に配置換えを申し出ようか真剣に考えている)
・ 教授先生から「残念ながら治りません。年単位で悪くなっていくでしょう」という言葉がことあるごとに脳裏によみがえり、生きる気力が湧いてこない。
・ 嫌なことがあれば口には出さないが、「癌患者をこれ以上いじめないでくれよ」と心底思うようになった。
とまあ、立派なことを言ってた割にはやっぱり自分はヘタレなんだなと改めて自覚をしているところである。
以前の記事、「67 心のお薬」でも触れたが、僕は定期的に心療内科に通っている。
一時期ある悲しい出来事に遭遇してからのお付き合いで、当初は何種類もの抗うつ薬を服用していたが、精神薬を飲み続けるのはやっぱり怖いので、先生と相談しながら徐々に減らしていき、この間までは頓服でデパス(抗不安薬)を不定期にもらいにいくだけになっていた。
1年くらい前(単身赴任した頃)から職場の人間関係のストレスからまた1か月に1回の頻度で診察を受けるようになり、現在はメイラックス(抗不安薬)を処方してもらっている。
いつもの診察なら、
「最近はどうかね?」
「薬はどうするかね?」
という5分間診療であった。
癌になったことや高度なリンパ節転移があったことは初発の時に先生にはお話ししていたが、再発が分かってから初めて受診した時に、上に書いたような気持ちから抜け出すことができないというお話しをすると、
「たいちさん、今日はゆっくりお話ししましょう」
と僕に真正面に向き直って、珍しく15分ほどじっくりとお話しをしてくれて励ましてくれた。
話の内容は癌患者なら誰でも知っていたり一度は考えたりするようなことばかりで、
「乳癌は癌の中でも比較的治りやすく、緩やかに進行することが多い」
「分子標的薬など副作用が少なくてよく効く薬が次々と開発されている」
「人間は誰でもいつかは死ぬんだから・・・」
等々。
そんなたわいもない(失礼)話なのに、先生の話を聞いているとまた自然と目から涙があふれ出てきて・・・。
診察室で涙を見せるなんてこれまでなかったことだが、ただただ悲しい感情が涙となってあふれ出てしまった。
図らずも涙を流したことを言い訳でもするように、
「先生、日常生活でもこんな感じで涙が出て困るんですよね」
と言ったが、
「うんうん、たいちくん。分かるよ。今日はね、サインバルタという薬を追加しておこう。
最初は吐き気があるかも知れないけど、落ち込んだ気持ちを持ち上げてくれる作用があるからね」
と、デパス、メイラックスに加えて今回はサインバルタというを処方してくれた。
初発の時は時間の経過と共に落ち着きを取り戻すことができたが、今回は再発で死ぬまで病気と向かい合わなくてはならず、治る希望もなく、一時も自分が癌であることを忘れられるような気がしない。
崩れようとする精神を薬の力を借りて支えられたとしても、今度は死ぬまで抗うつ薬をやめることができないかもしれない。
そんな中、時折ブログにコメントを寄せてくださる方から、僕の自宅にとっても素敵なプレゼントを届けてくれた。
世界に二つとないもので、ホントは皆様にもご紹介したいところだけど僕にいただいたものなので大切に大事に自宅に飾っておくことにしよう。
何よりもそのお気持ちが嬉しくて、どんな抗うつ薬にも勝るほどの元気と癒しをいただいた。
僕は音楽をやっていたけど、これこそ芸術の力の真髄というものを見せてもらったような気がした。
お姉さん、本当にありがとうございました。
最後に、前回の体調編で書き忘れたこと・・・。
リンパ廓清による左腕のリンパ浮腫だが、不思議なことに最近は大きく腫れたりするようなことがなくなった。
一時はLVA手術まで考えていたのだが、再発した今はそれどころではなくなったので半ば諦めていたのだが、考えられる理由とすれば少し痩せたことかな。
単身赴任が終わってからあまりに仕事が忙しくて朝・昼食を食べる時間がなかったことや、今は妻が玄米弁当を用意してくれるようになったおかげで5キロほど体重が落ちた。
果たしてそれが理由かどうかは分からないけど、なんにせよ極端な浮腫みに悩まされることがなくなったことを追記しておく。