5泊6日の北九州地方への出張を終え、疲れた体を引きずるようにしてようやく単身赴任元へと戻ってきた。
単身赴任先に戻らなかったのは、もちろん再発疑惑を解消するための検査を行うためと、再発が確定した場合のこれからの治療を託すに値する病院で診察してもらうためである。

前回の記事、「206 再発疑惑(その3)「クリニックをクビになる」でも書いたように、再発治療は手術を受けた病院ではなく、今回は大学病院にお願いしたいと思っていた。

久しぶりの自宅に帰ると、単身赴任先のクリニックからお願いしていた「診療情報提書」が郵送されてきていた。

 

これを持って早速大学病院へ行くべし・・・と思ったが、よく考えると普通ならクリニックから大学病院の地域医療連携室なるところに連絡を取り、予めアポをとってもらうのが手順ではないのかと気が付いた。
町のお医者さんなので、きっとそこまで気が回っていないに違いない。
無駄足になっても仕方がないので、大学病院に電話で問い合わせてみると、案の定だった。

特に大学病院に知った先生も紹介された先生もいなかった僕は、紹介状ありの「初診患者」だと見なされてしまい、最短でも10月11日のアポしかとることができなかった。
再発疑惑を一刻も早く晴らしたい僕は、電話口でかなり粘り、拝むようにして食い下がってみたけどどうしようもなかった。

この大学病院には「乳腺内分泌外科」が本来乳がんを担当するらしいが、僕は再発の疑いが濃厚ということもあって、「腫瘍・血液内科」での診察を望んでいた。
しかし紹介状には「乳腺外科担当医」が宛先になっているので、一旦乳腺内分泌外科を受診するのが先だと、これまた頭の固い対応をされてしまい、僕はすっかり降参してしまった。

手術を受けた前の病院なら何か力になってくれるかも・・・と期待を込めて電話をしてみたが、この日は僕の前の主治医は診察日ではなく、医局にはいるものの電話口にも出してくれなかった。
頼りがいのあったがん化学療法認定看護師さんも退職されたようだし、僕はすっかり途方に暮れてしまった。

大学病院で予約が取れた診察日まであと20日。
この間に急激にしこりが触れるようになったり、体のどこかに異常が出たりするはずはないとは思うが、考え出すと不安で仕方がない。
しかし再発治療は一生もの。
焦ってつまらない病院をつかまえるより、ここはじっと待つことが肝要だと、僕は大学病院の診察日までじっと待つ腹を決めた。

しかし・・・タモキシフェンの在庫がもうあと4日分しかないなあ。
ま、効かなくなったホルモン剤なのだから、そんなに神経質になる必要もないか。