冷たいタイトルをつけてしまったのは、やはり「治療途中の僕を置いて退職するんだね・・・」という思いがあるからだ。
正直なところ、
「絶対にこの先生でなきゃだめだ」
というわけではないのだが、僕の癌を一番に発見し、全摘手術の時には自らメスをふるい、抗がん剤治療では発熱を始めとする様々な副作用を一緒になって考えて対処してくれた。
僕の体を熟知し、治療の経緯と経過を知る先生が退職するというのは、残念を通り越して憤懣やるかたない気持ちになる。

しかもこの1~2カ月の間、診察中もどこか上の空で、ホルモン療法の薬を出し忘れたり、腫瘍マーカーの結果を言わなかったり、セカンドオピニオンの紹介状には治療に使った抗がん剤の薬名を間違えて記載し、陥入爪で苦しんでいても見ることもしないなど、今までの頼りになる主治医の姿はあとかたもなく消えてしまっていたのだ。

2015.7.23(木)ハーセプチン12回目の投与となる今日は、現在の主治医の最後の診察となる。
ケモ室での採血と問診のあと、予定どおり心エコーの検査をする。
そしていつものとおり、血液検査の結果が出た後、主治医の診察となった。

主治医からは次回、
・ 同じ乳腺外来を担当する医師が新しく僕の主治医となること。
・ これからは毎週木曜日ではなく、3週間ごとの月曜日が診察日となること。
・ 今月末まで今の病院で勤務するので、相談ごとがあれば連絡がほしいこと。
などのお話があった。
確か前回の診察の時に、次の診察時に新しい主治医と引き合わせると言っていたと思うが、そんな気配は微塵もない。

淡々と診察は進み、いよいよ別れる際に少しは暖かい言葉をかけてくれるかと思ったが、いつもと同じように部屋を送りだされたので、
「お世話になりました」
と、頭だけ下げておいた。

ちなみに今回の血液検査も異常はなかった。
あ、先生・・・心エコーの結果、どうだったか教えてくれなかったね。

異常があればさすがに教えてくれるだろうから、大丈夫だったのだと受け止めているから別にいいけど。