179 脱毛再び

2016.7.1
2ヶ月に一度のヅラメンテナンスに行ってきた。

ヅラを洗ってくれた美容師さんによると、今すぐどうこうという話ではないが、全体的に毛量が減ってきているのが少し気になるという。
サモアラン。
自分でヅラをブラシで梳いたりシャンプーすると毎回3～4本ほど抜けていたので、このペースで抜けるといずれ買い換えないといけなくなるなぁと心配をしていた。
それにしても、自分の頭だけでなくヅラさえも脱毛の心配をしなくちゃいけないとは皮肉な話である。

ラストケモから一年半が経過し、予定ではフサフサの髪の毛がとっくに戻ってきているはずだった。
しかし、何が影響しているのかは分からないが、僕の場合は異常に伸びる速度が遅い。
しかし遅いのであって、全く禿げてしまったわけではないというところにいじらしさがある。

そもそも今の今までヅラ生活を続けているのは、将来的に髪の毛がケモ前に戻るのを期待しているからだ。
もう伸びてくる見込みがないのなら一生涯ヅラとお友達になることを覚悟するか、それともやっぱりヅラとは縁を切るのか決めなければならない。

ヅラの代替わりには大金がいる。
これ以上髪の毛が生える見込みがないのなら思い切って脱ヅラし、もっと生産的なものにお金を使いたい。

多分突然脱ヅラして会社に行けば、会う人会う人に、
「いやぁ、なかなか円形脱毛症が治らなくてねー。もうあきらめて思いきってヅラを脱いじゃったんです。そうなんです、あれってヅラだったんですよ、エヘヘ」
って100回くらいは言わなければいけないだろう。
そして「あいつはヅラをかぶってた」という名誉でないレッテルを貼られ、これからは社内社外を問わず、れっきとした「ハゲ族」の一員となって余生を過ごさなければいけなくなる。

もし僕が女性だったら、このぽやっとした頭で脱ズラなんて検討することもしなかっただろう。
でも男なので「ハゲ族」に移籍することさえ厭わなければ、今すぐにでも立派に社会生活を営むことができる。

前にも記事にしたことがあったけど、これから抗がん剤治療で脱毛する予定がある人に言っておきたい。
ヅラは隠すよりもオープンにしたほうが絶対いい。
抗がん剤治療が終わっても、生えてこない人もいるのだから。