2016.12.21
教授先生の診察日がやってきた。
前回の先生との診察は11.15だったので、ちょうど1か月になる。
仕事が忙かったのですっかり忘れていたのだが、本来なら12月1日頃に、1か月に一度のポートフラッシュをしてもらわないといけなかったのだが、それが今日までできていなかった。
今日はポートフラッシュのことと、TAMも在庫が少なくなってきたので診察の時に忘れずにちゃんと言わなきゃいけないな。
今日は11:30の予約に対して13:42からの診察だった。
待つことにもすっかり慣れっこになってしまい、最初の1時間は病院内のドトールでコーヒーを飲みながらモバイルパソコンをいじり、腫瘍血液内科の待合室に移ってからは普段読めなかった新聞や雑誌に目を通していると2時間なんてあっという間に経つ。
単身赴任先のクリニックでは小さな待合室にぎゅうぎゅう詰めに待たされたのでなかなか大変な思いをしたが、大きな病院だとゆったりと待ち時間を費やすことができる。
さて、タイトルに「増悪」とつけたが決して読者寄せのためにつけたわけではない。
前回の教授先生の診察以降、もう一度胸部/全腹部の造影CTを撮ったので、ようやく再発疑惑となっている場所(縦隔リンパ節)の病変をこの大学病院で比較することができるようになったはずで、今日は大事な診察の日になるはずである。
さて吉と出るか凶と出るか・・・。
ま、僕はいつもの癖で悪い方に考えてしまうのだけどね。
さて、診察室に入った僕。
最初に本日の採血の結果を聞かされる。
CEAは22.5とさらに増悪していた。
10月25日時点では、15.7だったので、2か月で7ポイントほど高くなったことになる。
この日はNCC-ST-439も検査していたが、こちらは異常なしだった。
先生曰く、
「昨日からたいちさんの乳がん治療をどう始めようかと考えていた(こういう一言って患者にとっては嬉しい)のだけどね、男性乳がんはタモキシフェンしかホルモン療法がないんだよ。アロマターゼ阻害剤がわずかに奏功例としてあるだけでね。
胸骨の裏側にある縦隔リンパ節がね、前回に比べて明らかに大きくなっていてね。
これ、とってみるかい?」
と聞かれたが、「とってみる?」の意味が瞬時に理解できなかったが、
「生検ですか?」と聞くと「そうだ」という。
先生は胸骨裏のリンパ節の増大が、
○ 乳癌の転移によるもの
○ 胸腺種によるもの
○ 胸腺癌によるもの
○ 未知なるもの
のどれかを疑っていて、これをはっきりさせて治療方針を確立させるには生検・・・つまり手術して組織を取り、検査するしかないというわけだ。
胸骨の裏側・・・つまり縦隔という所は肺と肺との間の場所を言うが、心臓や肺、食道や気道などの重要な臓器が近くにあり、太い血管や神経が走っているようなところで、前の主治医の話によると、生検は心臓手術と同じような開胸手術(肋骨を折る?)になるという話を聞いたことがある。
教授先生は内科医なので、術式・・・例えば胸腔鏡が使えるのかどうかまでは判断できないらしいが、「呼吸器外科」の先生に「縦隔リンパ節生検」の院内紹介状を書いてくれた。
受診は来週の月曜日の予定だ。
本当なら2年前、ケモ施行前の乳房摘出手術時に、胸骨裏にあるのが分かっていた腫瘍を一緒に取って検査に出してくれていたらよかったのだが、前の病院には呼吸器外科というものがなかったので仕方がなかったのかもしれない。
タモキシフェンはCEAがどんどん上昇していることからすでに効いていないことがはっきりしたので、処方の中止が決定した。
代わりのアロマターゼ阻害剤ですら処方しなかったのは、男に効くのかどうか分からないからなのか、それとも生検の結果を待ってから判断しようとしているのかは分からない・・・が、僕の髪の毛が伸びるのが遅いのがホルモン療法のせいだとすると、服用中止になったことでわさわさと伸びてくることを少し期待している。
教授先生との次の診察は年明けの1月10日だが、呼吸器外科の診察の結果、手術が決まって入院しているのならこの診察はキャンセルになるとのことだった。
最後に・・・先日の左後頭部の腫瘤は現在はこぶも痛みもすっかり引いてしまった。
先日撮った頭部単純CTには所見がなく、実はPET-CTを撮った時(11/7)に後頭部が光っていたのでひょっとしたら頭の皮下転移の可能性もあるが、いま症状が消失しているなら放置しておけばいいとのことだった。(PET-CTは炎症を起こしていても光ることがあるらしい。)
先生は胸骨裏のリンパ節の増大は、
「まず乳がんの転移に間違いないだろう」
とおっしゃっていたが、肺や骨、脳や肝臓へ転移したという話はよく聞くが、乳がんからの縦隔リンパ節への転移ってどうなんだろう。
ネットで検索すると肺がんからの転移ではよくあることらしいことは分かったけど、これって珍しいことなのかな。
そして右の肺の怪しい影もまだ疑惑の解消には至っていない。
ただ教授先生はCEAを22まで上昇させるような影ではないと見ているようだし、PET-CTでも光らないほどの小さなものなのでこれは優先順位としては少し下のほうにあるようだ。
病院で診察を受ける度に悪い話ばかりを聞かされるが、先生から「手術、入院」という言葉が出たのには全く驚いた。
自宅に帰ってからさらっとネットで「縦隔リンパ節生検」調べてみると3~7日ほどの入院で全身麻酔下での手術になるらしい。
ということは、また尿道からバルーンを挿入させられてしまうのか・・・と、段々気分は抑うつ状態になってきた。
これからどんどん体が悪くなっていくことについてはずっと覚悟してきたので今更動揺はないが、それでもがっかりしたような寂しいような・・・そんな気持ちまでは抑えることができない。
すぐに命に関わるというわけでないが、確実に悪くなっている・・・この事実だけはしっかりと受け止めなければいけない。
病院を出たのは15:20ですっかりお昼ご飯が遅くなってしまったが、妻が「お昼ごはん、何食べる?」って聞くので「いっそのこと焼肉でも行くかー!」って冗談(僕は病気以来肉を食べない)を言ったら、何とも言えない気持ちになって涙がこぼれそうになった。