2015年7月23日が最後の診察となった僕の前の主治医だが、退職間際にいろんな不信感を残していったことはブログで報告してきたとおりである。
例をあげると、
・ 術前検査で主治医から胸腺が腫れているという指摘があり、術後落ち着いてから精査しようと言われたが、手術が終わってから胸腺の話は一切出なかった。
※ 僕も怖かったので自分から胸腺の話は持ち出さなかった。その後、胸のCTなどを撮っても特に異常は指摘されていないので、大丈夫なんだろうと勝手に納得していた。←これが後日大変なことになる・・・
・ 退職する数か月前から診察が上の空で、出すべき薬をよく出し忘れたりするようになった。
・ 僕がセカオピを受ける際、僕の画像データの提供を拒否し、主治医が簡単に書いたA4の紹介状1枚だけを持たされた。
・ セカオピの先生からは「放射線治療は受けたほうがいい」と言われたが、主治医は放射線治療の話を全くしなかった。
・ 再発予防のために打つアブラキサンは通常4クールらしいが、僕の場合は何クール打つのかを事前に示されず9クールまで打たれ、副作用からの回復に時間がかかることになった。
・ 今の病院に勤務されて2年という短期間で退職され、僕を執刀した主治医を治療半ばで失うことになった。
・ 病院にカンファレンス制度が充実しておらず、主治医の判断が最優先される
などなど、ぶちぶち・・・。

もちろん、好意的に解釈することもできないことはないのだが、僕と主治医のコミュニケーションが不足していたせいもあったのか、僕は妻とともに主治医に対しては段々と不信感を抱くようになっていったのであった。

先日タブレットで何気に医療情報を調べていたところ、前の主治医が9月1日に開業し、クリニックを立ち上げられたことを知った。
HPに載せられたクリニック内部の画像もピカピカの新品であるところを見るとどうやら新築したらしい。
診療科は、消火器内科、外科、肛門外科で、新クリニックでは乳腺は見ていないようだが、癌は胃などの消化器系は診療するらしい。

HPに「院長からのあいさつ」として、主治医の写真が大きく載せられているのを見ると、なんだか複雑な気持ちになった。
いつからクリニックを立ち上げる準備に入ったのだろうか・・・。
上の空の診療はこの準備で忙しかったのだろうか・・・。
ま、もうご退職された主治医だからいいのだけど、新しい主治医はがんの専門医ではなく、普通の外科医なのでがん治療に関する知識は限定的だ。
アドバイスを求めても僕が満足するような答えはあまり返ってこない。
いっそのこと病院を変えてみようか・・・という話を妻ともしたのだが、今の病院は自宅から徒歩5分と通いやすい(仮に僕が再発して寝たきりになったとしても、妻の負担が少ないだろう・・・これは僕の意見)し、的確なアドバイスは返ってこなくても少なくとも標準治療は受けられるし、仮に転院したとしても治療が大きく変わるわけではないだろう。
ハーセプチンが年内に終わるし、転院を考えるのは再発してからでもいいだろう
という結論に至り、ただちに転院する考えはなくなった。

地域のがんセンターや乳腺に強いと言われるような病院の混雑は半端なく、治療日は丸一日費やすことも珍しくないと聞く。
今の病院は病気が発覚してから3週間後には手術ができたし、ケモの日でも待たされることはほとんどなく、診察も含めて午前中には全てが終わってしまう。
確かにリニアックやPET-CTなどの設備がなく、専門医も少ないので、がんに対する取り組みは他の病院と比べると遅れていると言わざるを得ないのだけど。

なかなか自分が理想とする病院に出会うのは難しいが、同じことは主治医に対しても言えるだろう。
何しろ人間対人間のおつきあいなので、どんなに腕のいい医者でも相性が悪ければ付き合えない。
先輩方のブログを見ていると、病院や主治医に対する愚痴や不満をよく目にするが、それに比べると僕の環境はまだ恵まれているほうなのかもしれない。