かつて心療内科でマイスリーという入眠剤を処方してもらっていた。
マイスリーには5mgと10mgの2種類の錠剤があって、僕は5mgではあまり効果がなかったので10mgを処方してもらい、寝つきが悪い時だけ飲んでいた。
だが、この薬。
飲むとちょいと不思議な出来事が起こるので、怖くなった僕はできるだけ飲まないようにしていたのだが、いつの間にか寝つきの悪さも改善されたのでこの薬はずっと薬箱の奥のほうに眠らせておいた。
さて、僕が「抑うつ状態」の診断を受けたのは2017.6.16のことだったが、この日よりも前から様々な身体的不調があり、その中には「眠れない」という症状も再び出現していた。
そこで久々に薬箱の奥からマイスリーを出してきたのであったが、もちろん以前あった不思議な出来事については忘れてはいない。
忘れてはいなかったけど、気を付けていれば大丈夫じゃないか・・・という変な自信もあった。
しかしマイスリーは裏切らなかった。
以前、この薬の不思議な出来事に遭遇した時に、ネットでこの薬のことを調べたことがあった。
その時、ある掲示板に「マイスリー/小人で検索してごらん」という書き込みを見たので早速検索してみたところ、不思議な出来事に遭遇していたのは僕だけじゃなかったことが分かった。
(マイスリーの小人さん)
部屋を隅々まで掃除しまくる、メールを送りつけるor電話をかけまくる、勝手に何かを食べる……など、色々やらかしては翌朝全く覚えていない。本気で「妖精さんか小人さんが出たんじゃ?」と疑いたくなるようなことを、童話「小人と靴屋」になぞらえて「小人さん」「小人」と呼びます。
(「しゃくやくブログ」2016.8.31の記事から引用)
僕の場合は妻の話によると・・・。
○ ふらふらと家の中を夢遊病者のように歩き回る
○ わけのわからないことをしゃべる
(例)「犬がねぇー、太陽の光がまぶしいみたいで目をぱちぱちさせててねぇー、かわいそうだから毛布をかけてあげたらさぁー、もぞもぞ動いてるのでなんだろうと思ってねぇ、毛布をとったらいなくなってるねん」・・・等々
もちろん僕に一切の記憶は残っていない。
そして先日、マイスリーを飲んでからしっかりとベッドで寝たつもりだったが、ふっと目が覚めるとなぜか居間のソファの上に寝ていた。
しかも下半身にはなにも着けていない。
朦朧とする意識の中で自分の部屋に戻ると、床に脱ぎ散らかした下着とパジャマを発見し、のろのろとそれを履き、ベッドへ戻ってもう一度眠った・・・ことをおぼろげに覚えていた。
次の日の朝、妻が言う。
トイレで目が覚めたらソファの上にあなたがいてびっくりした。
薄暗かったからよく見えなかったし、私も寝ぼけていたのだけど明らかに上半身と下半身と色が違う。
そのままほっておこうかと思ったけど、さすがに目に余るのでタオルを下半身にかけた・・・とのことだった。
妻にしても災難だっただろうけど、僕もそんなあられもない姿を妻に見せてしまって恥ずかしいというよりも、情けなかったし、見られたことが悔しかった。
どうやら僕の場合は小人が僕のパジャマとパンツをはぎ取っていってしまったらしい。
まったくスケベな野郎だ。
それにしてもなんという薬だろうね。
うちはマンションの高層階だけど、意識のないまま飛び降りたりなんかしたらシャレにならない。
小人が出るほどによく効く薬だが、朝方には引きづらずにしゃきっと起きれるのでいい薬なのだろうけど、こういった副作用は珍しくないようなのでマイスリーを服用される方はご注意を。
僕の眠れない原因はあれこれ考えすぎて、不安感を増幅することにある。
こういった小人の副作用のこともあるが、僕は入眠剤よりもデパスといった抗不安薬のほうが落ち着きを取り戻すことができ、穏やかに眠りにつけるような気がする。