仕事が終わったある日の18:00 を過ぎた頃、いつものように会社の玄関を出たところで突然ライトをつけたテレビカメラに取り囲まれ、横からは男女のレポーターから無数に槍のようにマイクを突き出され、アナウンサー特有の早口ではあるものの毅然とした口調で質問責めにあった。
その内容は以下のとおり。(※ 以下、フィクションです。)
Q1:再発の疑いが濃厚になったとのことだが、現在の体の状況を教えてください。
(頭髪)
・ おでこは生まれつき広いのだが、ケモによる脱毛状態は脱しつつある。
・ 髪の毛もしっかりしてきたし街中を歩いていても奇異な目で見られることはないが、同僚へのズラバレが嫌なのでウィッグ生活は当分続きそうだ。
(顔)
・ 眉毛はもともと薄いほうだが、脱毛を機にアイブローペンシルで描くことが日課になり、現在もそれが続いている。
(鼻毛・ひげ)
・ ケモ前より薄い部分があったりするが、概ね以前と戻りつつある。
・ 日常生活に不便はない。
(手)
・ 両指先の5指の第1関節部分に若干の痺れが残っている。
・ 爪はようやくしっかりした爪が生えてきて、Yシャツのボタンを留めるのに苦労はなくなった。
(足)
・ 両足とも手よりは激しくつま先から足底にまで広範囲に痺れが残っている。
・ 両足親指の陥入爪は一進一退で、膿出が止まったなと思えば、また絆創膏を2枚重ねしないといけないほどになり、激しく痛むこともある。
・ この痺れと陥入爪のせいか、迂闊につま先を何かにぶつけると3分間は一言も発せないほど悶絶する。(※ 一度妻が救急車を呼ぼうとしたくらいだ。)
(全身)
・ ホルモン療法のせいか放射線治療の副作用のせいなのか、疲れやすくて激しい倦怠感に見舞われるのはこれまでと同じ。
・ 午前中は比較的ましだが、仕事が終わってから自宅に帰るとぐったりとし、横になったまましばらく動けなくなる。
(血液検査)
・ 貧血気味ではあるが、その他腫瘍マーカーを除いて異常はない。
Q2:腫瘍マーカーが上がったという事実に対して現在のお気持ちは?
これまでの血液検査の結果は術前から全て控えをとっているが、調べてみるとCEAは術前に検査した時が7.0でそれ以降は3.0前後で推移してきていた。
今回は1か月連続して8.1、8.9、おまけにCA15-3も基準値内とはいえ17.4と上昇傾向にある。
精査はこれからだが、再発したのはほぼ間違いがないだろうと考えている。
ケモが終わった後もCVポートを抜去しなかったことからもお分かりのように、僕の中では再発は必至だと以前から覚悟していたことなので、癌が発覚した時のような動揺は前回と違ってはない。
Q3:では再発前と再発後では気持ちに変化がないということか?
「ついに来るべき時が来た」という心境かもしれないが、仙人のように生死の境地を超えられたわけではないので、
・ これからどんどん弱っていくであろう身体のこと
・ ぼちぼち家族や友人達との別れに対する準備を進めなければならないこと
・ 治療が始まると思うように仕事ができなくなること
などを考えると、一言で言えば「寂しい」という言葉に尽きるのかも知れない。
Q4:全くの興味本位だが、癌はどこに再発したと考えているのか?
① 胸骨裏の胸腺
・ 術前に指摘されながらも退縮後にCTを一度撮ったきりなので、再び胸腺が腫れてきているのではないかと一番怪しく思っている。
・ それ以外は定期的に胸のx-pやエコーで検査しているので、大丈夫だと思っている(もっとも細胞レベルの転移だと分からないが。)
② 肺
・ 気のせいかもしれないが、妙な咳が出たり、大きく息を吸い込むと胸に痛みを感じたりすることがあったので。
③ 肝臓
・ 根拠はない。①②じゃなければ肝臓だと思うだけ。
その内容は以下のとおり。(※ 以下、フィクションです。)
Q1:再発の疑いが濃厚になったとのことだが、現在の体の状況を教えてください。
(頭髪)
・ おでこは生まれつき広いのだが、ケモによる脱毛状態は脱しつつある。
・ 髪の毛もしっかりしてきたし街中を歩いていても奇異な目で見られることはないが、同僚へのズラバレが嫌なのでウィッグ生活は当分続きそうだ。
(顔)
・ 眉毛はもともと薄いほうだが、脱毛を機にアイブローペンシルで描くことが日課になり、現在もそれが続いている。
(鼻毛・ひげ)
・ ケモ前より薄い部分があったりするが、概ね以前と戻りつつある。
・ 日常生活に不便はない。
(手)
・ 両指先の5指の第1関節部分に若干の痺れが残っている。
・ 爪はようやくしっかりした爪が生えてきて、Yシャツのボタンを留めるのに苦労はなくなった。
(足)
・ 両足とも手よりは激しくつま先から足底にまで広範囲に痺れが残っている。
・ 両足親指の陥入爪は一進一退で、膿出が止まったなと思えば、また絆創膏を2枚重ねしないといけないほどになり、激しく痛むこともある。
・ この痺れと陥入爪のせいか、迂闊につま先を何かにぶつけると3分間は一言も発せないほど悶絶する。(※ 一度妻が救急車を呼ぼうとしたくらいだ。)
(全身)
・ ホルモン療法のせいか放射線治療の副作用のせいなのか、疲れやすくて激しい倦怠感に見舞われるのはこれまでと同じ。
・ 午前中は比較的ましだが、仕事が終わってから自宅に帰るとぐったりとし、横になったまましばらく動けなくなる。
(血液検査)
・ 貧血気味ではあるが、その他腫瘍マーカーを除いて異常はない。
Q2:腫瘍マーカーが上がったという事実に対して現在のお気持ちは?
これまでの血液検査の結果は術前から全て控えをとっているが、調べてみるとCEAは術前に検査した時が7.0でそれ以降は3.0前後で推移してきていた。
今回は1か月連続して8.1、8.9、おまけにCA15-3も基準値内とはいえ17.4と上昇傾向にある。
精査はこれからだが、再発したのはほぼ間違いがないだろうと考えている。
ケモが終わった後もCVポートを抜去しなかったことからもお分かりのように、僕の中では再発は必至だと以前から覚悟していたことなので、癌が発覚した時のような動揺は前回と違ってはない。
Q3:では再発前と再発後では気持ちに変化がないということか?
「ついに来るべき時が来た」という心境かもしれないが、仙人のように生死の境地を超えられたわけではないので、
・ これからどんどん弱っていくであろう身体のこと
・ ぼちぼち家族や友人達との別れに対する準備を進めなければならないこと
・ 治療が始まると思うように仕事ができなくなること
などを考えると、一言で言えば「寂しい」という言葉に尽きるのかも知れない。
Q4:全くの興味本位だが、癌はどこに再発したと考えているのか?
① 胸骨裏の胸腺
・ 術前に指摘されながらも退縮後にCTを一度撮ったきりなので、再び胸腺が腫れてきているのではないかと一番怪しく思っている。
・ それ以外は定期的に胸のx-pやエコーで検査しているので、大丈夫だと思っている(もっとも細胞レベルの転移だと分からないが。)
② 肺
・ 気のせいかもしれないが、妙な咳が出たり、大きく息を吸い込むと胸に痛みを感じたりすることがあったので。
③ 肝臓
・ 根拠はない。①②じゃなければ肝臓だと思うだけ。