そういえば昨年の1月1日に「年頭所感」と題して1年の総括と、その時の気持ちを記した記事をアップしていたことを思い出した。
昨年・・・というよりほぼ毎年であるが、とある神社から初詣の雑踏事故や事件防止のためのコンサルタント業務を毎年いただいていて、今年も大晦日からお正月にかけて仕事が入っている。
なので我が家では12月31日のお昼ご飯におせちと年越しそばを食べることが半ば習慣化している。
それはさておき、昨年1年の総括として改めて振り返ってみると、
第1位
転移疑惑
第2位
単身赴任の解除
第3位
出会いに感謝
と、ほぼ前回と同じような内容になった。(前回は第3位に相次ぐ芸能人の癌による死のことをあげていた)
まず第1位。
昨年は術前に縦隔に何かがあったのがケモ後に消失しているとの指摘に、「とうとう末期を宣告されてしまった」と騒いでいたが、今年はいよいよCEAが22.5まで上昇、初めてのPET-CTでは縦隔リンパ節の腫大とその個数が増えたことが明らかになり、 また左肺にも怪しい影が見つかった。
まだ確定診断はついていないものの状況証拠は「再発・転移」を明確に示している。
覚悟はずっと前からしていたので、「ついに来るべきものが来たか」というような心境で、初発の時より落ち着いて事実を受け止めている。
顔つきだけは男前の癌なのですぐに死ぬことはないとは思っているけど、これから癌とどう共存していくかということをより深く考えさせられる年になりそうだ。
第2位
仕事面では辛い1年だった。
昨年は部長に昇進したと喜んでいたが、単身赴任先では役員間の根回しがうまくできていなかったことが原因で、結果的に僕一人が単身赴任先で孤立することになってしまった。
単身赴任元での仕事も僕の次席が引き継ぐことになっていたが結果的に万歳してしまい、ANAのプレミアムメンバーサービスが受けられるほど飛行機を往復して奮闘したが、逆に出張費がかさんだことにも会社から目を付けられた。
僕の直属の上司が僕が苦手とするガチガチの管理型ということもあり、週報・月報に加えて2か月に1回は総括と役員へのレポートを求められるなど、「これってパワハラか?」って思うほどにきつかった。
入社して14年目になるが、初めて「会社を辞めたい」と思うほどだった。
再発疑惑の中、1年という異例の短さで帰任命令を受けて戻れたのは結果的にはよかったものの、次席が万歳した年末の大きな仕事をすぐに新人と二人でとりかかり、電通もびっくりするほどの長時間労働で何とか乗り切った。
病気を理由にして仕事から逃げだしたくはないけれど、これからの治療と仕事とのバランスに悩む1年になるかもしれない。
第3位
何度かブログの中でも申し上げてきたことだが、これまでも女性の乳がん患者のブログはよく読んでいてたくさん勉強させてもらってきたけれど、やっぱり自分は男なので女性が開設されている闘病ブログにコメントを残したりメッセージを送ったりしてコミュニケーションをとることについてはものすごく遠慮している。
そんな中、全く期待していなかったことだが、男でありながら女性に多いこの病気になって戸惑っている(ように見えるらしい)僕を見て、暖かいコメントやメールで励ましていただいたり、時には有用なアドバイスをいただいたり、心配して見守ってくださった全ての方に最大の感謝を申し上げたい。
単身赴任先での仕事は辛かったが、赴任先では数人の同病の方とお知り合いになる機会があり、僕が叶わないだろうと諦めていた病気や治療のことなどを大いに語り合い、今後の僕の治療生活にとって大きな励みになった。
総じて言えば、女性は強いなって一言に尽きる。
脱毛を含め、その他辛いケモの副作用を乗り越えながら、これからの生活に不安や孤独感を抱えつつも自分を見失わずに粛々と暮らしておられる。
「だってやらなきゃしょうがないじゃん」って言われるかもしれないが、僕のようになんでもマイナス思考に捉える人間にとっては、それが特に印象に残っている。
それでも、お話させていただく中で少しだけ心の内側を覗かせてもらったことが、なんだか同志というか絆というか、仲間に入れてもらえたような・・・そんな気持ちになったことが一番嬉しかった。(勝手に僕がそう思っていると思っていてください。)
平成29年はいよいよ再発治療が本格化するだろう。
癌と共存しながらいかにQOLを維持して人生を謳歌するか・・・これが僕の平成29年の一番の課題になりそうな予感がしている。
物事を先送りにせず、会いたい人に会い、行きたいところに行き、後悔するようなことはしない。
「病気になったことが負けではなく、病気に負けることが負けなのだ」
僕の好きなこの言葉を最後に記して今年1年を締めくくるとしよう。
平成29年もみなさまにとって、よき1年でありますように。