入院の翌日、
脳外科のB先生から手術に関する説明が行われるため家族が病院へ集められた。

わたしの家族は
父、母、兄二人(すでに家をでている)、
そして私、祖母(入院中)、犬
という構成。
兄は県外のため不参加。
その他、父の兄と妹も参加。

仕事を早退し向かうと
すでにみなさんお揃いで…。

B先生の到着を待ち、
カンファレンスルームへ。

今日撮影したMRIと先週撮影したMRIの画像を比較しながら説明を受ける。

今回手術を行う腫瘍は
1週間で2.2㎝から2.4㎝に成長。
腫瘍としては大きい部類ではないが、
やはり腫瘍の周りの浮腫がひどく、
素人目に見ても状態がよくないことがなんとなく分かる気がしてちょっと怯んだ。

ここ最近、急激に麻痺や言語障害が悪化していることも妙に納得できてしまった。


また、できている部位がデリケートなラインにあるため手術ですべての腫瘍を無理に取るつもりはないことと、取り残した腫瘍と小脳にある小さな転移もまとめてガンマナイフでの治療を行うことの説明があった。

B先生はたんたんと、
ポジティブにもネガティブにもならない、
ありのままの状況を説明してくださった。

手術は3日後の金曜日…、
決戦の金曜日である。

手術開始時間は前日にならないと断言できないとのこと。
ただ、所要時間から鑑みても、
午前中からではないか、との予想。


説明の最後に
B先生は父に
何か質問はありますか??、と。

私は父が余命について尋ねるのではないかと内心ヒヤヒヤしていた。
私たち家族もあえて聞く必要はないと思っていたので、尋ねたことはなかった。

しかし、父の口から出た言葉は、
コーヒーは飲んでもいいですか??
だった。

その場にいた全員の目が点になった。

B先生も苦笑いで、
無糖なら問題ないですよ~、と。

父は微糖は??
と食い下がる。

B先生、今度は真顔で、
少量なら可。
なるべく無糖にして下さいね、と。

父、ちょっとはにかむ。

このやり取りで、
説明会は終わった。

この時は深く考えてなかったのだが、
今まで父が砂糖の入ったコーヒーを飲んでいるところをみたことがない。

がんが糖分を欲しているのか、
ふと、怖くなった。