蕎麦を待ってたのに、

何故か場面は、店の外

トラックに積んである段ボール箱をロープで縛りつけている。

 自分の仕事に満足して、店に戻ると、ちょうど茹であがった蕎麦を店の店主らしき白髪の老人が、ヨタヨタと沸騰した湯の中に蕎麦が泳いでいる釜を両手に抱えて厨房から現れた。

お客の前には、すでに器が用意されていて、今からその器に茹で上がった蕎麦を配るようだ。

 ふと俺の席を見ると、俺の席には、おちょこが置かれていて、妙に白い蕎麦が乗せられ、太い箸が立ててあった。

 そこで、俺は、

  誰じゃあこんなことさらした奴はぁ

とブチギレした。

  僕です。すみません

と後ろから声がしたので、振り返ると、

会社の後輩であるS君がいた。

 そういえば、S君が転勤してから、もう何年も合っていないなぁと、まるで夢の中であることに気づいているかのように冷静な思いが浮かびながら、俺は、

   俺は洋風だから、箸を立てるんだ

   ったら十字架にしろよ

なんて、ジョークをかましながら、S君を見ると、見る見る顔が青ざめてゆく。

 俺にビビったかと少し満足してから、おちょこに盛られた蕎麦を食べた。

 不味い、驚くほど不味かった。

蕎麦は、完全に伸びきり、コシもハリもあったもんじゃない。

 味は、かたくり粉?

かたくり粉って、単体で食べたことないけど、イメージはかたくり粉ってことにしておく。

 店内のお客の様子を見ると、一様に悲惨な顔つきだった。

 ここまで見て目が覚めた。