1970年レナード.カッスル監督作品。
元々この人映画監督ではありません。
オペラの作曲家であったとのこと。
これ以降映画は撮っていないそうですが、公開当初余り売れなかった事も影響しているのかなぁ。

しかし、その後Fトリュフォーといった有名監督などが絶賛するというのも、ありがちなパターンですが、本人的にはやりきれんよね。

ストーリーは、1950年代アメリカで起こった結婚詐欺から発展した殺人事件に取材したこの映画です。
ありえへんと思うのは、詐欺師が二人、恋人同士というところ。
詐欺師のレイとそれに惚れたマーサ。
もちろん最初レイは詐欺師とは言わずに、貿易商と偽ってマーサに近づくのですな、愛し合うようになって、真実を告白するというもの。
好きになってしまったら、行きがかりもあって、後戻りできないんですよね。
詐欺を止めるのかと思いきや、それに加担してしまうんですね、マーサは。
人間の悲しい性というんですかね。

元々きまじめな看護師で、婦長まで務めている彼女。しかし、容姿がいいわけでもなく、肥満。真面目な分暗い性格で、自分に男との出会いなどあるわけがないと、ヤケ気味になっていて、病院内の色恋沙汰には、執拗に注意しまくる始末。
はぁー、悪い人じゃないだけに、やりきれんなー。

で、そんな彼女を心配した友達が紹介したのが、雑誌に掲載されてた文通クラブなるもの。
いわゆる出会い系の走りですねー。
で、ここで知り合ったのがレイというわけ。

真実を知った後で、マーサは一緒に住んでいた母親を置き去りにしてレイについて行ってしまうのですね。
しかも詐欺師として寄り添うと決めてからは、ふてぶてしさ満載、わがまま放題になるのは、自信の表れやろうね。
あとアメリカの国民性なのかな。
親とは違う自分の生き方を追求するというのは。


だいたい、レイの妹とか姉という役割で、ターゲットの女性の家に上がり込み、肉親面で相手に注意したり、嫉妬まじりに、レイはあなたとは一緒にならないみたいな憎まれ口を叩いたりするんですね。

ある意味迷惑な存在にもかかわらず、レイの仕事の邪魔もなんのその、自分の感情を優先させ、挙句の果てには殺人へと突き進んでしまうから、女性というのは、怖いですね。
ってこんな事言ったら、バッシングに合いそうですが💦

まぁ納得したとはいえ、自分の目の前で二人がいちゃつく姿を見させられたら腹立たしく、その辺りの心の動きもこの映画の面白いところ。また、それだけに相手が少し席を外した隙にレイと愛し合ったりというドキドキ感もこの映画の醍醐味の一つです!

ところで、詐欺相手をさがすアイテムとして度々登場するのが文通クラブ。設定上、不倫さんは出てこなかったけど、独り身の女性が彼氏や旦那を求める気持ちは古今東西変わらんよなと思います。
出会い系は社会の必然か?!

それにしても気の毒なのはターゲットにされる女性達。
生真面目で男に縁のなかった学校の先生、60半ばなのに10歳サバを読んでる心配症のやたらに金は持ってる未亡人、子持ちで軍人だった夫を戦争で無くした未亡人など、結婚に未来を託す女性ばかりで、それが次々と食い物にされてしまうなやですから。これ見てたら、俺でもやれるのちゃうと思ってしまいます(^◇^;)

あと、同情の余地はないのですがレイもある意味可哀想な奴ではありますよね。

元々レイはスマートな詐欺師で、殺人なんかは絶対にしないはずだったのに、マーサの感情に振り回されるうちに、ついに殺人に手を出してしまうというところでは、彼も犠牲者!マーサの真面目に隠された鬼畜ぶり、面目躍如というところでしょうか?

最終的には、法の裁きによる社会的な制裁を受ける事で映画は終わりますが、事実は変わりませんものね。時間は戻れないですものね。