映画だけど...

心が揺さぶられたので。


草彅剛の好演との評価が高いけど、

男性の姿になった時の佇まいを観て、

オーラがあまりに凪沙だと思った。

一果との化学反応みたいなものがすごくて、

割と重めのテイストの映画のはずなのに

2人の愛情を感じられるから全体がほんのり温かくて、

終わってからしばらく動けなくて、

結局2回観てしまった。


母になりたいと思う凪沙が切ない。

お母さんと言われて笑う凪沙が愛おしい。


一果が言った"お母さん"は、

最初は実の母だと思ったけど、

2回目観た時は、あれ?違うかもと思った。


会場入りした時から

お母さんに甘えている他の選手が羨ましくて、

優勝候補であるプレッシャーや緊張と、

いるはずのない凛を見た衝撃で、

呼んだのはきっと凪沙。

だけど、凪沙はやっぱり男だから、

もっと抽象的な"お母さん"だったんじゃないかな。凪沙の母性を求めてのお母さん。

少なくともきっと実の母じゃない。


広島に帰って結局やさぐれて、

でも凪沙が来てくれた時には

戸惑いもあったろうけど嬉しかったに違いない。

凪沙の母性は完全に一果に届いていて、

一果の心を癒してくれていたんだ。


2人がバレエを踊るシーンが好きで

何度も観てしまう。

そこにいるのは本当に母娘。

温かいオーラに包まれている。


一果が最後海に入っていくシーンは

きっとこの日を忘れたくないと思ったんじゃないかと思った。

身体にこの日を刻みつけるように海に入って行く。


最後の観てて。は凪沙に対してで。

凪沙に観ててもらう為に、

凪沙の為に踊るのかな。

特定の誰かの為に表現するというのは

胸を撃つものだから。

トレンチコートと赤のハイヒールを履いて。

生命は受け継がれていく。