拝啓 緑樹の候、つっちー様におかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
アナタ様と出会ったのは今から10年前、私がインターネットを始めたばかりの頃でした。
今は別名になってしまったかなりアヤしすぎるサイトで初めて面白半分で入室した
当時はまだ珍しかった2ショットチャットでしたね?
ブロードバンドなどなく、ダイヤル回線接続の大変まどろっこしい環境で一生懸命チャットしました。
やがて…。
不思議なことに二人は恋に堕ちました。
高校生が初めて恋愛したような寝ても醒めても常に繋がっていたいと思うような恋でした。
札幌と東京という1000キロ以上の長距離サイバーラヴ。
アナタはお金持ちさんでした。
でも誰もアナタを包んでくれる人はいませんでした。
オトナなのにさびしがり屋さんでしたね。
私もあの頃はまだまだ若く、蒼かったのでアナタを傷つけてしまうようなコトがたくさんあり
アナタを困らせていましたね。
初めて二人で迎えた夜。
窓の外は雪が舞っていました。
だけど二人は熱かったように思います。
11月の初めの頃の札幌で…。
初めてのキスのとき、私は「なんてこの人の口唇は冷たく薄いのだろう…。」と思いました。
其れがアナタの生き様なんだと今、気づきました。
アナタの手が私のカラダの上をゆっくりと滑っている感触は今でも忘れません。
「慣れている…んだ…。」
アナタはいつもいつも悩み疲れていました。
あまりにも多くのものを背負い込み、かつご自分が強すぎて
誰もアナタを包んでくれない…というより、包みきれないというのが本当のことでしょう。
たった3カ月の恋の終わりは…クリスマスだったかな。
あまりに早く急ぎ過ぎ、終わってしまった私の初めての不倫。
私はあれから元の場所に戻り、人生の半分を一緒に過ごした男性
アナタが常に私の後ろに見えるとしきりに言っていた男性に「さようなら」を告げました。
アナタの野望は達成しましたか?
身体を壊す前に心を壊さないよう、アナタを包んでくれる誰かとアナタが一緒にいますよう…。
敬具