ITジャーナリスト 佐々木俊尚の新著「キュレーションの時代」等に対する書評(今を読み解く)が、SUNDAY NIKKEI に載っています。
5月8日 日経19面書評欄 (評者:京大准教授 佐藤卓己氏(メディア史、大衆文化論) )
(QT)※文中敬称略
震災とソーシャルメディア 「つながり」の重要性
先月、新幹線で東京に着いたとき、節電中の駅構内で思わずつぶやいた。東京駅がまるでヨーロッパのようだ、と。
もちろん、このつぶやき(ツイート)を私[評者 佐藤]は胸にしまい込んだ。関西に住んでいる私が、計画停電の混乱のなか他人事のように口にすべき感想ではない。
だが、日本社会をどう再建するのか、それを真剣に議論するためには避けて通れない視点だろう。ツイッター、フェイスブックなどソーシャルメディア関連本から、新しい日本社会への展望を探ってみたい。
佐々木俊尚は『キュレーションの時代 』(ちくま新書)で「クラウドとシェアが紡ぐ『清貧の思想』」と表現している。ひけらかしの記号消費はシンプルな機能消費に戻り、新たに社会との接続と承認を補強する「つながり消費」が生まれている。その一例である「応援消費」の真価は、今後の被災地復興に対する連帯において明らかになるだろうか。その際、情報の持つ意味、可能性を提供するキュレーターと、彼らをつなぐソーシャルメディアの役割が決定的に重要となる。
人と人の「つながり」が生み出す一般的信頼は、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)と呼ばれている。それに対するインターネットの影響についは、稲葉陽二ほか編『ソーシャル・キャピタルのフロンティア 』(ミネルヴァ書房)で柴内康文が見事に整理している。インターネットは社会関係資本の低減が進むアメリカ社会でその回復の切り札と期待されたメディアである。実際、ソーシャルメディアの効用を説く論者の切り口は信仰告白のように聞こえる。その背景には、社会関係資本低減による共同体崩壊への危機感があったことは十分に踏まえておくべきだろう。
そして、今回の大震災で世界中のメディアが絶賛したのも、被災地における「人と人とのつながり」の豊さだったことを忘れてはならない。この豊かさがある限り、「ソーシャルネイティブの時代」は明るいに違いない。
(UQT)
このGWもネットの情報にたくさんお世話になりました。
ブログやツイッターをやってみて、ただ情報を取りに行く場と認識していましたが、遠からず場を共有することがCSV(場を共有する人たちによって価値を共有し新しい価値を創造する)ことになっていくのだなと何となく思えてきました。
新聞やテレビ、ラジオの情報は今でも誰にも等しく情報を共有する機能がありますが、自分の周りに起こったことや人が今考えていることを同時進行でより深く知りたいときはネットに繋ぎます。
何より飽きないだけの情報があるので、(このGWもお世話になりましたが、)”自ら情報を選んで、意味づけし、みんなと共有する”楽しみでもあります。自分の言葉でさえ、誰かに読まれているかもしれない、といった感じが、自分にとって学生時代以来の、知的刺激を受ける機会になっている気がします。
-今度の地震のとき、仕事場に居て、そこで何が起こったのか知るためにスマフォをいじってから、ネットにはまりだした私の感想



