4月に同じテーマでブログを書きましたが、その第2段です。

 

「PCR検査数が一向に拡大しない(海外に比べて1桁少ない)」という話があります。私は、この問題こそが日本の行政組織の根源的な問題点が凝縮したものと受け止めています。

 

本件については、既に2ヶ月以上前から(一部の)ワイドショーや報道番組でも継続的に取り上げられており、私も重大な関心を持って推移を見守ってきましたが、現在に至るまで事態があまり改善していません。

安倍首相が4月初旬に「PCR検査能力を1日当たり最大2万件に拡大する」と言いながら、その後2万件はおろか1万件にも達していない状況と思います。

 

この原因は様々あるようです(5/4の専門家会議報告ではPCR検査が拡大しない6つの理由を挙げていましたが、何を今更という内容でした)が、根本的には「リーダーシップの欠如」、「司令塔の不在」でしょう。

 

当初PCR検査は「行政検査」として主に国立感染症研究所や地方衛生研究所で実施されており、実施件数が大幅に制限されていました。

これを途中から保険適用とし、民間検査機関でも検査ができるようにしましたが、自治体と検査機関との契約の問題、検査試薬の不足及び検査人員の不足の問題などがあり、一向に拡充されていません。

 

また、先日も京大ips研究所の山中伸弥教授がインターネット番組で仰られていましたが、大学(医学部、歯学部だけでなく、農学部、理学部など多くの学部)の研究機関のPCR検査装置(遺伝子増幅技術の代表的なものがPCR法なので、その検査装置は遺伝子研究をしている機関であれば必ず持っている)及び研究者(PCR検査技術はある)をうまく活用すれば1日当たり2万件はおろか10万件くらいすぐに実現可能になるとのこと。

 

他にも、農水省や経産省など他の省庁が所管する研究所でもPCR検査が実施可能な施設や人材はそれなりに確保できるらしいです。

つまり、関連省庁が連携し、PCR検査拡充に向けた横断的な体制を作れれば問題は大きく改善する可能性があるのです。

 

にもかかわらず、そういう体制(省庁横断的な連携体制)を作れないのは結局のところ政府のリーダーシップの欠如と言わざるを得ません。残念ながら、省庁横断的に号令を掛けて、役人を迅速果断に動かせる意志と力量を持った政治家が日本にはいないということなのでしょう。

 

詰まる所、今回の新型コロナ禍で明らかになったことは、平時はおろか有事においてさえ日本の行政組織が効果的・効率的に機能しないということなのかもしれません。

 

今回のコロナ禍は、それまで国民も薄々気付いていた政府のダメダメぶり(政策の機能不全)を白日の下に晒してしまったように思います。

 

もう一つ、今回のコロナ禍で浮かび上がった日本の課題はIT化(デジタル化)の遅れだと思います。台湾や韓国などと比較した場合、感染者のトレース、国民への経済的補償などの局面で活用されるべきIT化の遅れは目を覆うものがあります。

 

勿論プライバシーの問題はありますが、我が国の場合、それ以前に克服すべき課題(総じて国民のITへの拒否感など)が色々あるように思います。

 

思わず政府への不満を色々述べてしまいましたが、実は同様の問題(リーダーシップ不足、IT化の遅れ)は多くの日本企業にも存在しています。

 

リーダーシップ不足は経営者の指導力及び取締役会のガバナンスの問題であり、IT化の遅れはデジタルトランスフォーメーション(DX)の問題です。

いづれもサステナビリティ経営(ポストコロナのニューノーマル経営)では必須の経営要件です。

 

新型コロナは厄介ですし、終息までまだ先は長そうです。

体に気をつけて、毎日の生活を明るく楽しみながら乗り切りましょう!