いしゃちがい
むかし、医者が、 いなか道を、歩いておりますと、
「もし、もし、医者どの」
と、よびとめられました。
「はて、ふしぎな」
と、きょろきょろしておると、
「医者どの。わしじゃ、わしじゃ」
と、いう声。
なんと、すぐそばに立っていた、石の地蔵さんでした。
「はい、地蔵さま。なんぞ、ご用で?」
「うむ、まことにすまんが、
このとおり、わしの鼻がかけておるだろう。
どうぞ、直してくださらぬか」
そう言われて、医者は、地蔵さまの鼻を見ておりましたが、
「なるほど、これはまた、ひどいかけようでございますな。
すみませんが、
とても、わたくしの手にはおえませぬ」
「お主は医者だろう。
そういわず、たのむ。直してくだされ」
「いやいや、たしかに医者ですが、
せんもんがちがいます。
この鼻は、わたくしのような小さい『ゃ』よりも、
大きい『や』のお人になおしてもらったほうが、よろしいかと」
「・・・? その、大きい『や』とは?」
「あなたさまは石ですので、
『いしゃ』よりも
、『いしや(石屋)』でございます」
頑張れこども達




