日本での出来事だが
手首を骨折した。
ポーランドのオーケストラとショパンのピアノコンチェルト#2を
演奏する約2ヶ月前のことだった
手から肘まで包帯でぐるぐる巻き。
板付き。三角巾付き。
筋肉が痩せるからギブスは
しなかった。
主催者が先ず慌てた。
その前に転んで頭を
包帯でぐるぐる巻きの私を見てるから、「今度は何をやらかしたぁー」
とまあまあの騒ぎ。
兎に角私は病気、怪我と
枚挙に暇がない
そこで主催者の紹介で
スポーツ医学の権威とされている
名医に診て頂いた。
グーもパーも激痛で出来ない。
(チョキ)は求められなかた。
先生はサラッと診て
「右手だけで練習を続けてごらん。
貴女の様にプロになるまで弾き続けてたら、右手の練習をしても、左手も脳で一緒に弾いてるから。
フィードバック現象が起きるよ」
私はそれを信じ毎日練習を重ねた。
ただ、筋肉が痩せると、指がフラフラする。
ピアニストは手のひらに筋肉が付き
安定した鳴りに繋がる。
考えても仕方がない物は
考えない、と切り替えるものの
不安はあった。
1ヶ月半近く左手は固定された。
もう大丈夫だよ、と包帯等が外された時、左の腕を見て驚いた。
筋肉が落ちていない!
早速弾く。
なんと、普通に動く。
特にショパンのコンチェルトは
熟知していた為もあるだろうが、
練習を重ねた右手に
何ら遜色無く弾ける。
脳って凄い!!!
脳は総督だ!
身を持って経験した。
応用で脳がHAPPYに夢に向かうなら
それも実現するんだ、と思う
怪我の巧妙