千歳民報と苫小牧民報に毎日掲載されているコラム欄、
「ゆのみ」で3週間に1度、執筆させていただいています
7月15日に掲載された3回目のコラムを紹介します
「三つだけ」
一人目の育児の時は、
初めてのこと尽くしで いっぱいいっぱいになってました
仕事は自分さえ頑張ったり努力をすれば報われたし、結果が付いてきた。
でも、育児はイレギュラーなことばかりで。
外出準備バッチリで、いざ車に乗せた途端に赤ちゃんがウンチしちゃったり
そのうえ漏れてて、全部お着替え……
ロンパースの下着が汚れちゃったら、全部脱がさなくちゃいけないんですよね
ズボンだけ脱がしてオムツを替える……だけじゃ済まないんですよ
冬だとさらに悲劇。
ようやく着せたつなぎのジャンプスーツまで脱がして、また着せなくちゃいけない
故に、約束の時間に間に合わない なんてザラ。
赤ちゃんあるある でしょうか
「理不尽」としか形容しがたいこんな状況ばかりでした
さらに、旦那は青年会議所卒業の年でほぼ毎晩いなくて。
ご飯も作れず、食べられず、お風呂も入れず、トイレにも行けず、
ひたすら眠ってくれることを祈りながら
我が子を腕に抱いて、部屋を真っ暗にして、
何時間もソファーに座って呆然としていた夜も、幾度となくありました。
抱っこ紐とおしゃぶり という
神アイテムをゲットしてからは、
寝愚図りで19時から12時まで何をやっても泣く
……ということはなくなり、
抱っこ紐でおんぶしながら家事、食事、もうトイレまで
できるようになって、この暗黒の日々は脱出したんですけどね
そのアイテムに行きつくまでは、
ひたすら抱っこの日々。
ベッドにおろすと背中ボタンが作動して、泣きだすから
本当に家事ができませんした。
買い物はおろか、掃除も洗濯も毎日できない。
自分のお風呂も、朝の数分旦那に赤ちゃんを見てもらってシャワーだけ。
夜中も2時間おきの授乳でほぼ寝れない。
日中寝ている間は、搾乳機で搾乳をして次の授乳に備える……
そんな毎日で、小さい赤ちゃんと一緒の生活なのに掃除機もろくにかけられないのが嫌で、自己嫌悪に陥っていました。
そこで
「1日に3つだけやる」という自分ルールを作りました。
掃除機、お皿洗い、たまった新聞の片づけ
それだけできたら、よしとしました。
洗濯が毎日できなくたって、乾いた洗濯物が放置されていたって、部屋がおもちゃだらけだって死なない。
そう割り切ってしまうと、かなり気持ちが楽になりました
次の日、
洗濯、洗濯物整理、買い物
その3つができたら、もうクリア。
よくやったと自分を大げさに褒めました。
また次の日は
お部屋の片づけ、掃除機、お皿洗い、もう着れなくなった子供のお洋服の整理
あ
4つできた
そんな日はもうウキウキで、「できた~~」と
ニコニコ笑顔で過ごすことができました
「今日もなにもできなかった」
「今日はお皿洗いと買い物と洗濯しかできなかった。掃除機をかけることができなかった」
そう落ち込んで、自己嫌悪に陥っていたのが、
「3つできた!」
「クリアできた!」
「今日は4つもできた! 最高!」
と、心に余裕ができるようになりました
以前よりやっている家事の量は少ない日だってあるんです。
それでも、
いつもイライラしていたのが、ニコニコできて、なにより満足感に包まれていました。
さらに、たま~に旦那が家事をやってくれると、
素直に心からありがとう と感謝できる心の余裕もできました
ゲーム感覚で取り組めて、
「できなかった」 ではなく 「できた」に気持ちをシフトできるこのルール、
おススメです
育児中じゃなくても、独身時代にも実はやっていた時期もあります
やらなくても死なないけど、できればやりたい煩わしいこと や
ちょっとめんどくさいけどいつかはやらなくちゃいけないコトなどなど、
このルールで楽しくできますよ
車の掃除とか、断捨離とか、暑中見舞いを書くとか、
粗大ごみを捨てに行とか、常備菜を作るとか、戸棚の片づけとか、
写真整理とか、冷蔵庫掃除とか、溜め込んだ化粧品のサンプル処分とか(私だけ?)
そして
暗い部屋でひたすら赤ちゃんを抱いて呆然として・・・
そんな暗黒の日々としか形容できないような毎日は、、
思えばその期間は、ほんの1ヶ月ほどで。
なにもできずに呆然としていたその記憶を思い起こす時、
不思議と悲壮感はなくて、
小さな足や、握りしめられたままの手、静かな寝息、
そして赤ちゃん独特の匂い、天使のような寝顔が真っ先に脳裏に蘇ります。
確かに不自由だったけれど、
不自由=不幸せ
ではなかった。
暗い部屋で2人っきりで動けずにいたあの日々には、
「幸せ」が漂っていたな……と
今になって気が付きました。
4歳と1歳になった子供たちは、
今となってはもう、一日中私の腕の中でじっと抱っこさせてはくれませんから
そんなことを想いながら書いたコラムでした
ちなみに
2人目の時は驚くほど手がかからず、あっという間のもうすぐ1年半
子供にもよるのか、私のママレベルがちょっと上がったのか、
それとも家事の手抜きに罪悪感を感じなくなったからか
それでもここに来て断乳という、
一人目では経験しなかった大きな壁にぶちあがっています
きっとこれもなんとかなるでしょう
来年の今頃はこんな悩みなんて忘れていることを期待しつつ。
育児って面白いな~と楽しみながら日々を過ごしていこうと思います
さて、
次の掲載日は8月5日
ゆのみは番組表の方から一枚めくったところにあります。
次回掲載日も、
千歳民報と苫小牧民報の「ゆのみ」を
ご覧いただけると嬉しいです
まりこ