おじいちゃん、と言うより
おじちゃん的な方のところに
何件かサービスで入っている。
おじいちゃんというほどは衰えていない。
基本的に65歳以上で
介護認定を受けて要支援1以上で
必要とされる方はサービスを受けられる。
だけど、今の60代後半、70代の方は
割とお元気で若く
見た目はサービスが必要?と思える方もいる。
ただ、私が入っている、このサービスの必要な要支援1とか2のおじちゃん達に共通なのは
「奥様をなくした」
という事実である。
主要な家事を担っていたと思われる奥様を亡くし
本当に困り果てておられる。
室内はホコリだらけ、(中には潔癖なほどのきれい好きな方もいらっしゃる)
毎日の食事に困り
弁当にも飽き
体の調子も今ひとつ
そうして、一人きりの家の中が寂しくて寂しくてたまらない。
多分
奥様のいらっしゃった時にはほとんど感じなかった様々なストレスに苛まれているご様子。
あるおじちゃん。
つやつやと血色はいいが、めまいがすると
ホコリだらけの部屋のお布団の中で横になって
「新しい奥さんばもらわないかん。財産全部やる言うたら来る人が居るやろうか」
と 私の顔をじっと見て聞く。
そりゃ無理。おらんわ。
誰だって介護の必要な人のところに家政婦代わりに来る女性はおらん。
財産いうても、どんくらいあるかしらんけど、疎遠でも子供がおろうもん。
もめるのはわかっとるもん。
それに財産目当てに来る人が介護ができるとは思わん。
そんな生易しいもんじゃないし。
お互い愛情なり、築いてきた年月なりがあってこその夫婦。
そげん簡単に奥さんの差し替えはできん。
と心の中で言い
「婚活せないかんですね、誰かいい人がおったらいいですね」とにっこり。
確かにそばに誰かいてくれたらきっとこの人は少なくとも今よりは元気になるだろう。
「婚活ねえ。どっこも行ききらんもんなぁ、こげんあったら。」
と溜息をついておられる。
家事に困っているのも本当。
寂しいのも本当。
辛いのも本当。
ご主人様をなくした女性はそれほど生活そのものには困らないが
いい奥様を持っていた男性ほど大変なのだろう。
年をとったらどんな人でも
ある程度の家事能力も必要。
それができなくなることもある。
その時には助けてくれる
家族なりお友達なり
他人を使えばお金はかかるけれど福祉関係でも
誰かまわりにいる人間が必要。
やっぱり、人は一人では生きていけないのだと
改めて思う今日このごろ。
世の中のいい奥様方、もし自分が先に逝ってしまったら
ご主人はいかがでしょう。
ご主人様方、奥様大切にして差し上げてください。
さて、我が家は・・・・
想像するのもこわいな。