今回は、拘置所に入り、しばらく暮らすことになる房(部屋)についてお話しします。


拘置所に来たら、どんな生活が待っているのか?


留置場とはどこが違うのか?





1.何もモノがないよ~

私服はチェックを受けるため翌日までおあずけ、そのため懲役囚と同じ格好です。


本などの私物も、すべてチェックを受けることになります。


ハブラシ、チリ紙など最低限のものを除いて、数日はおあずけになります。



つまり、入所初日は部屋にはフトンと小机しかない、殺風景となります。


「便器と同じ空間で過ごすのか!」


自分が虫けらのようになった気がし、ここまで落ちたのかと実感します。



同じ空間の片隅にある便器が、とても異彩を放っています。



2.直立不動で 「気をつけ!礼!」

懲役囚と同じ服装に、持ち物はシーツを風呂敷にした小さな包み1つだけです。



いよいよ、自分の房がある建物に入っていきます。


コンクリート打ちっぱなし、鉄格子だらけです。


色は白か茶か黒しかないんじゃないかというくらい荒んだモノクロームな世界です。



拘置所の中は薄暗く、とにかく一直線のながーい廊下です。


「キョロキョロするなよ。前を見て歩け!」といきなり注意をされます。



フロアの中ほどに、校長先生が朝礼をするような台があり、その前に立たされます。


突然、「気をつけ~ぇ! 担当に対し、礼っ!」と何も説明もないまま礼をさせられます。


戸惑っていると、「ちゃんとまっすぐに立てーぇ!」と怒られました。



あっけにとられているうちに、担当の職員が説明を始めました。


「はい、名前、住所、生年月日!」直立不動の姿勢のまま、本人確認の尋問です。


あぁ、ここは今までと違うヤバいところに来てしまった、と否が応にも実感します。



3.扉には決してお手を触れないでください

シャバの世界では、自分で戸を開ける、ドアノブを持つなど当たり前の行為です。


しかし、ここではそれが許されません。



「扉の前でそのまま立っていろ!勝手に触るな。」刑務官から注意されます。


そうなんです。扉一枚、自分では勝手に開けることも、触ることもできないのです。


何が悲しいかって、房(部屋)の内側には、ドアノブも取っ手も、何もないのですΣ( ̄。 ̄ノ)ノ



4.電気をつけてください!

拘置所の房(部屋)は、天井に1本の蛍光灯しか照明はありません。


これがすべて。


ですから、雨の日なんかは昼間から薄暗い。



夜になるともう暗くて、就寝後のマメ球じゃないかと思い、しばらく悩んだ後、職員に


「すみません。房の電気が点いていないようなのですが。」と尋ねてしまいました。


「点いているよっ!」と怒られてしまうのですが、どう考えても暗いのです。




新聞を読むにも顔を近付けないと読み取れず、手紙を書くにも何を書いているか怪しい。


必死で読み取ろうと、眉間にシワが寄り、ぐったりと疲れる。


施設にいる間に視力が落ちて、メガネを取り換えたという人も何人かいました。



5.前略 おふくろさん、寒くて死にそうです


私が入所したのは真冬の時期でした。


その拘置所は間もなく築50年を迎えるという、もうボロボロの建物です。


窓枠は、まだこんなのが残っていたのか!という、鉄のサッシです。



これは非常に恐ろしいことで、気密性がほとんどなく、すきま風が入り放題なのです。


もう、外でキャンプしているのとまったく変わりません。


スースーとして、とにかく寒い。



初日で寒さに慣れていないせいもあり、震えが止まりません。


耐えきれず、早々と布団を引いて、寝ようとするも、身体が冷え切って寝られません。



毛布は「足拭きマットだろ?」という様な粗末な物、掛布団は今どき重い綿のものです。


他人の汗と埃にまみれた臭いのフトンにやられながらも、じっともぐって温まります。



「あぁ、人間が本当に惨めなのは、空腹と寒さなんだな」 


このことを実感したことでした。


何だか、自然と涙がこぼれてきます。衣・食・住、これが大切なんですよね。



どうでしょうか? 拘置所は厳しいところです。でもそうでもない点もありました。


次回はそこ所と、拘置所独自の文化について書いていきたいと思います。