徳夫と出会うきっかけになった、
福祉職の集まりには、その後も定期的に参加していた。
プライベートで徳夫と会っていることを、
どこからか知ったのか、
ある日、同僚からこんなふうに聞かれた。
「徳夫さんと、仲良さそうだよね?」
私は正直に、
付き合っているわけではないこと、
今のところ恋愛感情はないことを伝えた。
ると同僚は、少し間を置いて、
こう言った。
「あの人、宇宙人だもんね。」
冗談のような口調だったけれど、
その言葉には、どこか本音が混じっているように感じた。
どういう意味かと聞くと、
「何を考えているのか分からない人」
ということらしかった。
集まりには参加するけれど、
自分から積極的に話すことは少ない。
昼休憩も、ほとんど一人で過ごし、
職場の同期とも、特別つるむことはない。
その話を聞いたとき、
私はなぜか妙に納得してしまった。
あのとき感じていた違和感に、
名前をつけてもらったような気がしたからだ。
そのときの私は、
同僚の言葉を深く考えることはなかった。
ただ、
「そういう人なのかもしれない」
それくらいに受け止めて、
また日常に戻っていった。
でも今思えば、
あの何気ない一言は、
徳夫についてもう一度立ち止まって考え直すための
小さな信号だったのだと思う。
違和感は、
大きな出来事として現れるとは限らない。
笑い話のように、
何気ない会話の中に、
静かに紛れ込んでいることもある。
あのとき、
もう少しだけ自分の感覚を信じていたら──
そう思うことが、今もある。