給食が苦手だった。

絶対に残してはいけないルールだった。


気持ちが悪くなって食べられない。

当時は何故食べられないのか

何故気分が悪くなるのか分からない。


何故自分だけが食べられないのか。

何故こんなに苦しまなければいけないのかと。


毎日、毎日、毎日、毎日、

トイレで吐いて。

放課後居残りまでさせられて。

食うしかない。


泣いても許されない。

全部食べるまでは。


見るに見かねた給食のおばちゃんが助けに入っても

担任は許してくれない。


親には言えなかった。


そもそも助けてくれると思えなかった。

怒られるか、責められるだけだと思った。


それにほんとうの事を言うのが申し訳ないし、

悲しませる気がした。


ひとり耐えるしかなかった。



が、それも限界。



登校拒否になった。




大人になるまでわからなかった。


セブンイレブンで、ねぎ塩カルビ弁当を買って

分かった。


原因は麦ごはんだった。


あの匂い。

あの見た目。


当時の私は

給食のご飯が麦ごはんで家のご飯が白米だと

その違いも分からなかった。



「苦手」というものがどういう事なのかも

分からなかった。



そうして、ひとり悩み苦しんだ。


家のご飯は食べれるのにどうしてって。

どうして給食のご飯は食べれないの?って。



でも結局は、原因が分かったところで

どうしようもなかったんだろう。

食べるまで許されないのだから。



小学1年生の頃のお話し。