先日、実家のもう1匹の猫、シュシュが亡くなりました。
おーいこらノアちゃん!まだ連れてかないでって言ったのに!…なんて。
まぁ真面目な話、2匹とも
年には勝てない
ってやつですね、きっと。
乳がんと、それに伴う肺水腫で、シュシュはこの世を去りました。
ノアと同じく、15才でした。
シュシュがうちにやってきたのは、ノアを飼い始めて1年目か2年目の夏。
父の実家に両親だけが行っていて、帰ってきたら猫が一緒だった!
「えー!どうしたのこの子!!」
「じいちゃんちの近くのペットショップにフラッと入ったら、この子にガラス越しに『買って買って買って〜♡』ってスリスリ熱烈アピールされて…しかも店員さんから『成猫になるのでもうすぐ処分するんです』って言われてほっとけなくて…」
セールストークか何なのかわかりませんが処分って何?!ペットショップ怖っ!!というわけでお父さんとお母さんを骨抜きにしてうちにやってきたヒマラヤンのメス猫。
またまたおフランスかぶれのわたくしがかわい子ちゃんとかベイビー的な意味の『Chouchou』と名付けました。
血統書にはブリーダーさんがつけたのであろう「ジャパニーズ・なんとかかんとか・ヒルダ」という名前が書いてあったけど。長いし無視。笑
ヒマラヤンには典型的なシールポイントという柄で、顔は…ペルシャ系によくある眉間にシワが寄ってるような模様のせいでちょっといかつくてキツイ表情に見える。
でも人懐こくて、とても可愛い鳴き声の子。
ノアのおかげで猫と関わるのには慣れていたし、じゃらしオモチャもいっぱいあったのでさっそく釣竿の糸の先っぽに猫じゃらしがついてるタイプのオモチャで遊ばせてみると、前足をあげてカンガルーのように後ろ足でぴょんぴょん飛び跳ねながら追いかけてくる様が面白くて、
「やっぱりシュシュじゃなくてカンガルーの『ガル山』にすればよかったね(当時マガジンで連載してた某漫画が好きだった)」
なんて言ったり。
ノアが母にベッタリだったようにシュシュは父にベッタリで、父もシュシュを娘のように可愛がっていて、寝るときはいつも一緒。
「俺の味方はシューちゃんだけやー」
と言うほど溺愛していました。
甘え上手で、よく足元にスリスリと寄ってきてくれるのが本当に可愛かった。
「ペットショップ仕込みの人間タラシテクニックか〜?悪い猫めーこんにゃろー♡」
と撫で回して抱っこしてもちょっとイヤそうに鳴きはするけれどひとしきり猫接待してくれたし、来客の知らない人が相手でもおとなしく抱っこさせてくれました。
でも、本気でイヤなことしたりしてマジギレさせてしまうと、ケガするレベルで容赦なく攻撃してくる、怒らせたらコワイ女でした。
ノアが「オア〜ン」とか「オルルン」とかすごく変な鳴き声だったからシュシュの「キャーオン♡」という甲高い猫らしい声が可愛くて可愛くて。
でも喉をゴロゴロ鳴らす音が「フンガブルスコフンガブルスコ」ってものすごくぶっさいくで、そのギャップがまた面白可愛くて。
エレガントな所作と見た目のくせによくズッコケたり落っこちたりするドジっ娘なところも可愛かった。
一度、2階のベランダの手すりから落っこちたときは血の気が引いたけど、悲鳴をあげながら大慌てで階段を降り庭でうずくまっていたシュシュを
保護しに行ったら、怪我もなくケロッとしていて…
ホッとすると同時に
「落ちる!ってなったとき外に向かってバッ!ってムササビみたいに飛んだよな…そして尻尾がヘリコプターみたいに回ってたけど、飛べると思ったのか…」
って。
なんか恐怖のあまり笑えてきて。
怪我もなく無事だったから笑えるんですけど、未だに思い出すとクスリときます。
そんなやりて猫嬢のシュシュに私も家族もマタタビやらいろんな食べ物を貢いでおりました。
最近じゃ私が実家へ行っても、自分の晩ごはんの時間でもない限りずーっと椅子の下で寝ていたシュシュ。
「おーい、おばあ、元気してるー?」
と椅子の下に手を突っ込んでふわふわの頭と耳の後ろを撫でると、気持ちよさそうに目を閉じてくれた。
少し前に、ブラッシング中に乳腺にしこりができているのを妹が発見し、おばあちゃんだし手術は難しいということでずっと様子を見ていたのですが、どんどん痩せてきて、亡くなる3日前からはしこりがじゅくじゅくと自壊し始めてしまい、ちょくちょく呼吸も苦しそうにしていて
「これはいよいよやばい」
と母も妹も覚悟を決め、私に「元気なうちに会いにおいで」と電話をしてきてくれたので、亡くなる前日、ギリギリ、おやつをあげたり撫でたりしてきました。
ヒマラヤンなので毛がホワッホワで、ちょっとぽっちゃりに見えるんだけど水をかけるとものすごくしぼむ、「デブと見せかけてスリムだよねぇ」と言っていたシュシュの体を撫でると、背骨がゴツゴツに浮き出ていたのがどうしようもなく悲しかった。
晩年は尿路結石ができやすくなっていて、予防のためにミネラル制限していたので鰹節などは滅多にあげられませんでしたが、ここ数日はお水もあまり口にせずカリカリを噛む元気もなかったようなので、もう好きなものを好きなだけお食べ!と、猫ミルクやらペーストのマグロやら買ってきて食べさせてあげていたそうです。
そしてその日の夜、いつもと同じように、シュシュが家族の中で一番大好きな実家の父と一緒に布団に入り、次の日の朝起きたらもう、息を引き取っていたそうです。
ノアも、シュシュも、静かに静かに、今際の際を看取られることなく、眠るように逝ってしまいました。
シュシュが亡くなったのは月曜の朝で、実家の家族はみんな仕事だったり外出の予定があったりしたので、火葬の時間が来るまでの間、私の家でクーラーをガンガンにかけて保冷剤を敷き詰めて預かりました。
なので、私はシュシュとゆっくりとお別れをすることもできました。
子供達が昼寝している間に
痛くなかった?
苦しくなかった?
最期までお父さんの横にいられてよかったね
なんて言葉をかけながら、頭をふわふわと指でなぞったり耳の後ろをくしゅくしゅしたり。体は痩せて骨が浮いてしまっているから、撫でていると胸が苦しくなってしまうので…
ノアが亡くなってまだ半年も経ってなくて
そして
病気だったから心の準備をする時間があった
おかげ(?)で、ショックはそこまで大きくないです。
死んでしまうことを覚悟できたというか。
悔いがないことはないけれど、
やれること、したいことはできました。
ただ、実家から猫がみんないなくなってしまった、という喪失感は大きいです。
そのためか、あえてこのことを考えないようにしている自分もいます。
猫と人間は寿命も違うし、猫は老いても見た目が変わらない、ずーっとふわふわのかわい子ちゃんだから、私よりあとに生まれてきたのに気がついたら私よりもおばあちゃんだなんて、全然信じられなくて。
だから余計に受け入れられないのもあるのかもしれません。
なので
しっかり思い出して
しっかり悲しんで
しっかり区切りをつけて
…とはいえ子供達はせっかくの夏休みなので、あんまり落ち込みすぎず、夏の思い出を作ってあげられるよう、ちゃんと毎日を楽しんで過ごしたいと思います。
フワッフワの真綿みたいなシューちゃんの毛並み、綺麗なグレーの瞳、音もなく高いところに飛び上がるエレガントなジャンプ、元気だったときの姿を今でもありありと思い出せる。
たくさんの思い出と癒しをありがとう。
子供達に優しくしてくれてありがとう。
あの日、体キツかったろうに、愛でさせてくれてありがとう。
最後までずーっと可愛かった。
おやすみなさい。
大好きだよ。