new world center in Coraldays
その時代は 『コーラルの時代』 で
私たちが住む世界は 『6つの島』 からなっていた
白い海に囲まれた島々は 月と双子の星で
月のリズムと同じ時の流れになっていた
ブラウン ブルー グリーン バイオレット マゼンタ そして 琥珀色の2番目に大きな島
新しいかたちの愛があふれている世界では 共依存に優れ
それぞれが みんなとつながりながら 自分らしく生きていた
過去の者たちをみたものはいないけれど
彼らの負った傷と経験を つながりながら 共感し、 愛の知恵にかえていった
これは、 過去をのりこえ 新しい世界を生み出した人々の 繊細であたたかいお話です
~coraldays 1~
珊瑚暦67年 マゼンタの島 冠香月の1日
パステルカラーの花々が咲き 七色の風が吹くこの島
冠香月に入った街では いたるところで甘い香りがして
島人の顔も なんだか穏やかにみえる
もしかしたら 甘い香りに酔っているのかもしれない・・・
一年の最後の月である冠香月は どこの家でも毎日 甘いものを作る風習がある
作ったものは、みんなで分け、食べ、島の北にあるライオンロックにそなえられる
さすがに初日は、酔うほどの甘い香りに 島人でさえ順応できないので
すべてのことが安息日となっている
わたしは通信機のエアールを使って、他の島の様子を覗いていた
もうすぐバイオレットの島で おもしろいお祭りがあるのを見つけたところで
サラ・リナから通信がきた
『家で焼いたお菓子をもって、いつものミントティー屋で会わない? アヤ・ソフィアもくるから』
サラ・リナからの通信が途切れたところで、
バイオレットの島のお祭りの映像をコピーして、わたしは布いっぱいにお菓子を包んででかけた
いつものようにミントの葉をまぜながら、 そのお祭りを2人にみせてみる
『ねぇ、いかない? 4人で。』
2人は軽く頷きながら、 七色の風が通りすぎるのを待っている
この世界では、13ヶ月、この1年を無事に過ごせたことを 世界中の人々と感謝しあう日がある
その日は名前も時間もない日で マゼンタの島では冠香月の28の日の次の日にあたる
バイオレットの島では、その日までの14日間、毎日一晩中お祭りが行われる
『そうねぇ・・・、七日くらいならいいかしら』 と、サラ・リナがいうと
アヤ・ソフィアも頷く
そして2人は同時に 『エリ・マリコは七日で足りる?』 と、 嬉しそうに私に問いかける
『・・・、じゃ、カイリが戻ってきたら、プランたてて、行こうか』
と二人の質問に別の答えで返し、 甘いお菓子を食べてみる
サラ・リナの焼いたお菓子は、尋常じゃないほど、甘い
でも今日は、これくらいがちょうど良かった
あしたの陽が落ちるころに、カイリは戻ってくる
彼女の顔をみるまでは、もう一度会えるのか、どうか、本当は3人共、不安でいっぱいだった
研究者のカイリは、水の研究で白い海へ行った
冠香月の2日の陽の落ちるころに戻ってくるから、と笑顔でいったカイリは
たびたび研究にでては、予定通りに帰ってこないから
わたしたちを不安にさせた
夜になり星が降ってくると
3人のミントティーも いつの間にかラムの濃いモヒートにかわり
ミント屋のおじさんも仕事に飽きて 参加しはじめる
珊瑚暦67年に起こった出来事を話していたけど
みんな明日起きたら今日の記憶はないだろぅ・・、
というまでに仕上がったので
『星をみながらのモヒートは絶品だわ』 とつぶやくサラ・リナと一緒に 家路についた
~続く~

