医療保険ナビ
Amebaでブログを始めよう!
2022/11/15

入院保険と医療保険の違い

「入院保険」という言い方をするときもありますが、基本的には医療保険と全く同じだと考えてもらって構いません。
ちなみに学資保険のことを「こども保険」と呼ぶこともありますが、学資保険もこども保険も基本的には同じものです。

ここでは民間の医療保険のことを単に「医療保険」と呼ぶこととします(公的な医療保険は健康保険)。

生命保険は大切な方の死亡時に死亡保険金が出るものであり、保険の初心者の方でも理解しやすい仕組みです。
一方で、医療保険となると難解な印象を受けるのではないでしょうか。

医療保険とは入院や手術などにより給付金を受け取ることができる保険のことです。
入院時には入院した日数分が補償され、手術の際も手術の度合いに応じて一時金が補償されます。
特約というオプションを付けることで、さらに様々な保障を追加できます。

医療保険の実際の使用例

医療保険とは何ぞや?という方は次の実際の請求例を参照してください。
私は2017年10月に入院をして医療保険の入院一時金、手術給付金、入院給付金、通院給付金の請求をしました。
病名は腹腔動脈解離、そして動脈瘤という血管が裂ける病気だったのです。
入院日数は約30日間にもなりました。
医療給付金の請求にあたっては、保険会社から送付してもらった保険金請求書に医師の診断書を添えて保険会社に提出しました。
提出後、特に内容に問題はなかったようで一週間以内には私の口座に保険金は振り込まれました。
病気にかかり入院、手術をして退院をした時点で一度保険金の請求をしました。
その後は通院による治療となったのですが、通院給付金については治療が全て終わった段階で請求しました。
通院給付金の請求に診断書は不要で、自分自身でどこの病院にどういう症状でいつからいつまで通院をしたのか、記載をする書類で代替しました。
こちらも保険会社に提出をしてから一週間以内で保険金が支払われました。
結局、入院日数、通院日数の分だけ保険金の支払いを受けました。
書類の書き方が分からない時にはコールセンターに問い合わせをしましたが、実に丁寧に対応してくれました。
支払いを受けた保険金の大半は入院や通院にかかった費用として使いました。
一方で退院後の自宅療養が長きに渡った事により会社からの給料は大きく減ることになりました。
ですのでそういった病気や怪我で働けなくなって減ってしまった収入を保障してくれる保険にも加入しておけば良かったなと思いました。
今はそういう保険が保険会社から発売されていますが、医療保険を検討する方はそちらも比較対象として検討すると良いと思います。
日本では健康保険制度がしっかりしているため民間の医療保険は不要論が叫ばれがちですが、↑のように収入保障の役割も期待することができます。
他にも差額ベッド代や病院への交通費などに充てることができます。

契約者・被保険者・受取人

保険を契約する上で、契約者・被保険者・受取人の3つを指名しなければいけません。

契約者は保険の契約の主体となる方です。
普通は保険料を払い込む方であり、保険の契約内容を変更することもできます。
ちなみに契約者と保険料の払い込みをする方を別々にすることもできます。

被保険者は保険の対象となる方です。
この方が病気やケガをした際、給付金が支払われます。

受取人は保険金を受け取る方です。

この3つは、全て同じ方でも構いませんし、全て別の方でも構いません。

医療保険の種類

医療保険と一言で言っても、様々なものがあります。あなたと温泉に行ったら出演者一覧
「終身医療保険」と「定期医療保険」がメインとなりますが、他にも加入基準を緩めた「引受基準緩和型」、女性特有の疾病に保障が手厚い「女性向け保険」、実はがん保険も医療保険の一種です。

終身医療保険と定期医療保険の頭についている「終身」と「定期」、これは保険期間のことです。
「終身」は保険期間が一生涯です。
「定期」は保険期間が、例えば10年や60歳まで、といった具合です。

医療保険と中心となるのは、終身医療保険と定期医療保険です。

どんな病気やケガにも使えるわけではない

どんな病気やケガにも民間の医療保険が使えるのかというと、そうとは限りません。
基本的に、健康保険が適用される治療であることが前提となります。
しかし、健康保険が適用される治療ならば全ての医療保険が適用されるかというと、そうとは限りません。

具体的な例でいえば、歯の治療です。
歯の抜歯の手術は、健康保険を使えば3割負担となりますが民間の医療保険で手術給付金は支払われません。

医療保険の使える・使えない基準ですが、治療が予期できるかどうかがおおよその判断基準だと思ってください。

歯の治療の場合、ある程度治療に行く時期をコントロールできると思います。
これが許されると、医療保険の加入後すぐに給付金を受け取って治療に行き、即解約ということも可能になってしまいます。

何もないときに保険に加入し、いざ病気になったときに給付金を受けることができるという仕組みが保険のシステムです。

医療保険は必要なのか

他の民間の保険とは異なり、不要論が根強いのが医療保険です。
大きな理由として、日本の優秀な公的医療保険制度があります。

ただ一方で、差額ベッド代や交通費などが全額負担となること、先進医療の療養費も高額ですが健康保険の適用とならず全額自己負担となります。

定年退職後に年金生活となったとき、医療費が生活を圧迫することを考えると全ての方が不要であるとは言えないと思います。

女性向け医療保険とは

CMなどで女性向け医療保険というものを目にしたことがあると思います。
女性の方は少し危機感を煽られるような気持ちになったのではないでしょうか。

女性向け医療保険とはどのようなものかというと、女性特有の疾病による入院・手術のときの給付金が上乗せされる医療保険のことです。
保険会社各社で保障内容に差はあるものの、上乗せという補償内容については共通しています。

上乗せですので、上乗せされた保障分は保険料がアップしています。
上乗せがいらなければ、通常タイプの医療保険に加入しましょう。
通常タイプの医療保険でも女性特有の疾病をもちろん保障してくれますし、保障内容自体は全く同じです。

思い立ったら、なるべく早く加入するかどうかの決断を

年齢が一つ上がるごとに保険料も上がります。
この理由は、年齢が一つ上がるごとに病気にかかる確率も上がっていくためです。

保険料は性別と年齢により決定します。
誕生日がまだまだ先だという方は余裕を持って加入するかどうかを判断できます。
もうすぐだという方は、速やかに決断しましょう。

所得控除にも使える医療保険

医療保険の保険料は所得控除にも利用できます。
年間の保険料8万円超なら、4万円が所得控除にできます(8万とんで1円が最もベストということです)。
年間の医療保険料と控除額ですが、金額により段階的に決まっています。(2017/10/17)


1|2|3|4|5|6|

子供の医療保険は必要か

子供の医療保険としては入院時に日額5千円が支払われる、極めてシンプルな共済にお守り代わりに加入していました。
1年ほど前に、下の子供が軽い喘息で入院する事になりました。
8日程度の入院となり、4万円程度の保険金がもらえるはずで、退院後に共済会に電話を入れ、請求書類を送付してもらいました。
その請求書類と病院の診療内容と支払いが記載された書類を病院でもらい、送付するだけで請求手続きは完了しました。
請求後10日内に所定の銀行口座に保険金の振り込みがされ、スムーズに保険金の支払いを受ける事が出来ました。
小学生以下の子供の医療費は無償であり、本来は医療保険は必要ないとも言えます。
しかし幼い子供が入院すると、どうしても親が付き添いで泊り込んだりし、パートやアルバイトをしている家庭の主婦は収入がダウンしてしまいます。
これをカバーする意味で、この程度でも保険金がもらえるのは非常にありがたいと感じました。
掛け金が安くシンプルな保障内容が、子供の医療保険としては分かり易く、もらい損ねる心配もありません。
私の経験から、やはり掛け金が安く、入院時に支払いを受けられる医療共済には加入しておいた方が良いと思っています。
子供の医療費は自治体により小・中学生までは無料というところも結構あります。
しかし実際子供が入院することになった場合、次のような問題があります。
  • 大部屋で入院すると退屈で騒いでしまったとき迷惑なため、個室を希望したときの差額ベッド代
  • 大人と違い付き添いが必要になり、その間仕事を休むため、収入がダウンする
子供の入院は大人とは違った問題が起き、対処するにはお金もかかります。

自治体により負担されるのは主に公的医療保険の適用分であり、差額ベッド代は対象外ですし、入院期間中の親の収入補償などもちろんありません。

入院や手術は大人も子供も予想外の出費になりやすいですが、子供の保障を考えた場合、例えば共済なら月額1,000円程度の負担で保障が可能です。

風邪をひきやすい子や、屋外の遊びが好きでケガの多い子を持つ方は、一度検討してみることをおすすめします。

商品によるが、原則加入は可能

未成年の子供は医療保険に加入できるのでしょうか。
医療保険に加入といっても、保険の契約には契約者、被保険者、受取人の3つがあります。
契約者
まず契約者になるには、未成年の場合親権者の承諾が必要であり、さらに保険会社が加入を認めることで契約ができます。

実際に保険料は親権者が収めることになると思いますが、契約者≠保険料の負担者であっても問題はありません。
被保険者
保険には契約可能年齢がありますが、これは被保険者の対象年齢であって、契約者の対象年齢ではありません(誤解している方が多いため)。

例えば、オリックス生命『新CURE(キュア)』はHPを見ると契約可能年齢が0歳~80歳となっています。
よって、子供を被保険者として医療保険に加入することもできます。
子供を被保険者にした場合、子供の病気やケガが保険金の請求事由になるということです。

被保険者を子供とした医療保険ですが、中学3年生まで(自治体により範囲は様々)の子供については自治体による「乳幼児医療費助成制度」があります。

これは自治体によって名称が若干異なりますが、「○○(市区町村名) 子供 医療費」などで検索すれば、目的の制度が検索結果が表示されるはずです。

この制度は、子供の医療費の自己負担分を自治体で負担しますという制度です。
乳幼児という名称ですが、対象を中学3年生までとする自治体もあります。

年齢によって制度を利用できる範囲内であるかは自治体によりますが、もし範囲内であるのなら民間の医療保険への加入は再考すべきだと思います。
受取人
最後に受取人ですが、未成年であれば保険会社から他の成人の方にするようお願いがあるでしょう。
子が受取人となった場合、その親が使ってしまったりという問題が発生しやすいためです。

それでも未成年である子供を受取人としたいという場合は、保険会社がその契約を引き受けるかどうかによります。

医療保険だけでなく保険金額が大きくなる生命保険であっても、受取人を未成年の子供とすることは可能です。
しかし実際に生命保険などのケースで保険金を受け取ることになった場合、成年後見人の選任が必要になるかもしれません。

未成年の子供の成年後見人は、通常、親権者が該当します。
成年後見人は登録だけでなれるわけではなく、裁判所の許可が必要となります。
よって保険金の受け取りには時間がかかってしまうことが考えられるためです。(2019/02/26)
保険の加入審査といえば告知を最初に思い浮かべる方が多いと思いますが、職業や年収も審査項目に含まれています。

職業や年収が何故問われるのかもここで解説します。

告知項目

被保険者の身体的な状況を訊ねられますので、それに答えます。
医療保険は数あれど、質問内容はそれほど大きく変わりません。

一般的な医療保険の告知事項は次のものです。
  • 最近3か月以内に医師の診察・検査・治療・投薬を受けたか
  • 過去2年以内に健康診断や人間ドックで異常があったか
  • 過去5年以内に、診察・検査・治療・投薬を受けて完治まで7日以上要したことがあるか
  • 過去にがんにかかったか。女性の場合妊娠しているか・婦人科系の病気があるか。
  • 身体に障害があるか(視力・聴力・言語・咀嚼機能、手・足・指の欠損、背骨の変形など)
最近3か月以内に医師の診察・検査・治療・投薬を受けたか
よくある疑問が、風邪による通院です。
これは風邪が完治して3か月後に申し込むことのがベストです。

といっても実際に風邪程度の場合、保険に申し込んでしまう方もいますし、そのまま治ってしまう方がほとんどです。

しかし多くの病気の初期症状が風邪と似ていて、風邪だと思っていたものが重大な病気だったということは少なくありません。
そうなるとその後に入院・手術で保険を請求しても完全に告知義務違反になります。

告知義務違反になると保険金が下りないことはもちろん、それまで払い込んだ保険料も返ってくることは普通ありません(解約返戻金がある場合は返ってきます)。
過去2年以内に健康診断や人間ドックで異常があったか
異常とは主に要経過観察や要精密検査などです。

これも「異常なし」の診断確定後に申し込むという方法しかありません。
すでに持病等で服薬などで症状を維持できている場合、保険会社に申込可能か訊ねてみるのもよいです。
過去5年以内に、診察・検査・治療・投薬を受けて完治まで7日以上要したことがあるか
「がん」を除く全ての罹患歴に対する最長の告知期間が5年です。
この5年を経過したなら、がん以外の全ての病気は告知する必要はありません。
過去にがんにかかったか。女性の場合妊娠しているか・婦人科系の病気があるか。
「がん」については最後の治療から例え10年経っていても告知義務があります。

医療保険だけでなくがん保険についても同様の告知事項があり、がんの既往歴があるとまず民間の医療保険には加入できません(唯一アフラックの寄りそうDaysが可能です)。

妊娠については各保険会社により対応は様々ですが、ほとんどは出産後に再度の申込をということになります。
または契約可能であっても、”子宮を特定部位不担保”といったような内容で契約可能とする保険会社もあります(正常分娩はそもそも保障の対象外です)。
身体に障害があるか(視力・聴力・言語・咀嚼機能、手・足・指の欠損、背骨の変形など)
身体に障害がある場合も民間の医療保険のほとんどでは申込不可となります。

虚偽の告知をした場合

どうしても医療保険に入りたい方はこの告知を虚偽申告する方もいます。
しかし虚偽申告は保険金の請求時に発覚してしまうことが多く、そうなると保険金は下りないことはもちろん、保険料の返還もありません。
告知は正直に行いましょう。

職業

職業は保険金の請求頻度に大きく関係しているため、契約が制限されることがあります。
契約の制限とは、主に保険金の上限額設定です。

具体的には次のような職業を指します。
  • プロスポーツ選手
  • タクシーやトラックなどのドライバー
  • 飛行機のパイロット
  • 建設作業員
職業については職場に確認することなどは基本的にありません。
しかしこれも立派な告知項目の一つですので、虚偽の申告がばれた場合は保険金の支払いがなくなることや、保険料の返還もなくなることも十分ありえます。

収入

無職の方は基本的に保険に加入できません。

本来何らかの不幸に見舞われた時の保障が保険なのですが、無職ですと以前はなかった収入が発生してしまいます。
この理由から、有職者であっても収入に見合わない保険金は設定できないとされています。

例えば、年収約400万円の方が入院給付金日額を2万円で設定することはできません。
その理由は年収約400万円の場合日給換算では約1万円となるため、平時よりも多い収入となってしまうためです。

これは損害保険で有名な焼け太りのような状況であるといえます。
焼け太りとは、保険金請求事案が起こる以前と比較して起こった後の方が裕福になることです。

これを許すと保険金詐欺や悪意を持った加入者を呼び込むことになります。
これをモラルリスクといいます。

ただ、専業主婦の方や学生の方などは扶養者がいれば無職でも加入が可能となっています。
または無職であっても不動産収入のある方や年金収入があれば同様に加入は可能となります。

医療保険やがん保険では収入に対する保険金額の確認が主な確認事項となります。
生命保険では養老保険などの貯蓄型の場合は保険料が高くなるため、払い込んでいけるかという点についても確認されます。

若いほど保険料・総払込額ともに安くなる

生命保険、医療保険、がん保険どれにおいても、若い時ほど使う機会はまずありません。

しかし年齢が若い時に加入するほど保険料も安いですし、保険期間が長くなるほど総払込額も小さくなります。
さらに年齢を重ねると加入自体難しくなるという点も挙げられます。

もし将来的に一定の貯蓄が作れるか不安があるなら、生命保険および医療保険(がん保険)の加入を検討しましょう。(2018/12/27)

SBI生命の保険料払いはエポスカードがお得

妊娠中に医療保険加入は可能か

妊娠判明後の医療保険加入ですが、妊娠27週目までであれば保険会社によりますが、概ね可能です。
但し妊娠が判明している時点で、特定部位不担保の条件つきとなります。
この条件をつける目的は、帝王切開をはじめとした異常分娩を保障の対象から外すためです。

妊娠中でなく、特に告知すべきこともない状態で申込後、問題なく加入できたなら、異常分娩も保障の対象となります。
正常分娩の場合は、公的医療保険・民間医療保険ともに、保障の対象外です。
しかし自治体からの助成金がありますので、そちらを忘れずに申請しましょう。

何故、妊婦の保険加入は受け入れられないのか

妊娠判明後に保険を申し込んだ場合、妊娠27週目以降であれば加入ができなかったり、特定部位不担保の条件がついたりします。
このような対応になる理由ですが、給付金を支払う可能性が高いためです。

保険において加入者の公平性を担保するため、妊娠が既に判明している方や、告知項目に当てはまる方は何らかの条件をつける対応が必要になります。

妊娠は病気ではありませんが、出産が異常分娩となると給付金の支払いが必要になるため、保険会社としては妊娠しておらず、他にも告知事項のない方とは分ける必要があるのです。

なお妊娠判明後の保険申込は、母子手帳や血液検査の結果表の提示を求められることもあります。

女性の保険料は20代がやや高め

通常、保険というものは年齢と保険料が比例します。
年齢が上がるほど保険料は大きくなっていくものです。
そして同じ年齢の男女を比較した場合、男性の方が保険料は高くなります。
しかし下記リンク先を見ていただければ分かりますが、20代だけ女性の方が高くなるのです。

これは女性が20代~30代前半にかけて出産があるためで、これが保険料のアップにつながっているのです。
また女性特有の疾病には、比較的若い年齢で罹患してしまうものがあることも理由の一つでしょう。

と言ってもひと月あたりの保険料が急激にアップするわけではありませんので、加入しておくことをおすすめします。

出産に関する保障は女性向け保険でしか保障されない?

女性向け保険であるかないかは関係ありません。
女性向け保険でなくても、異常分娩や出産にまつわる入院は保障の対象です(妊娠前に加入できた場合)。

女性向け保険とは、女性特有の病気で入院・手術などに至った時、補償額が上乗せされる保険のことです。
出産だけでなく女性特有の病気は様々ですが、通常の医療保険も女性向け保険も、保障範囲は同じです。

女性向け保険は入院日額給付金や手術給付金の金額が上乗せされますが、その分保険料は上がります。

保険料の値上がり分を検討した結果、上乗せがいらないと思った方は女性であっても通常タイプの医療保険に加入すればいいのです。
そうすれば保険料は安く抑えることができます。

帝王切開と医療保険

現在では帝王切開による出産が全体の20%となり、珍しいものではなくなりました。
しかしながら、帝王切開での出産は高額の費用がかかります。

出産をすると国から助成金(出産育児一時金として42万円)が給付されますが、出産でかかる費用はおそらくそれだけではまかなえないでしょう。

民間の医療保険では、通常は帝王切開などの異常分娩も保障されます(妊娠前に加入できた場合)。
一度目の出産が帝王切開だった場合、母体や赤ちゃんへのリスクを考えて2度目以降の出産も帝王切開を勧められることがほとんどです。

帝王切開を一度経験すると、その後新たに保険に入るときには、不担保条項が設けられることが多いです。
出産にかかわる疾患や手術に対して、2年~5年ほど保障しない等の条件です(特定部位不担保・特定疾病不担保・特別保険料)。

ですので、将来妊娠や出産を考える女性は、早めに民間医療保険への加入を検討することをおすすめします。
20~30代で結婚するなら、結婚後に加入する方ことがおすすめです。

帝王切開は出産前に異常が確認されていてあらかじめ予定されている予定帝王切開と、分娩途中で切り替えられる緊急帝王切開があります。

予定帝王切開と緊急帝王切開

自然分娩できればそれに越したことはないですが、母児ともに危険が予想されるときは、吸引分娩(胎児の頭に吸引カップを装着し引っ張りだす)や帝王切開などの処置がとられます。

帝王切開は麻酔から縫合まで約1時間ほどです。
部分麻酔の場合は産声が聞けます。
入院は10日から2週間ほどで、回復して歩けるようになったら赤ちゃんの世話をします。
予定帝王切開になるケース
  • 胎児位置以上・・・逆子や横位のケース
  • 児頭骨盤不均衡・・・骨盤の内径より胎児の頭が大きいケース
  • 全前置胎盤・・・胎盤が子宮口を完全にふさいでいるケース
  • 多胎・・・双子は条件や病院によっては経膣分娩が可能です
  • 胎児発育不全・・・胎児の発育が悪いとき
緊急帝王切開になるケース
  • 早産・・・胎児の命が危険な場合。
  • 常位胎盤早期剥離・・・突然、胎盤がはがれたとき。
  • 回旋異常・・・赤ちゃんがうまく回旋できず下りてこないとき。
  • 遷延分娩・・・分娩時間が長く、母児ともに疲れてしまう場合。
  • 軟産動強靭・・・産道が固く、子宮口が開かず胎児が下りてこないとき。
  • 胎児仮死・・・胎児心拍が弱くなっているとき。

流産と医療保険

流産は保障される

流産で入院や手術を行うことになっても、公的・民間、どちらの医療保険でも保障されます。

民間医療保険であれば、通常の医療保険でも、女性向けの医療保険であってもどちらでも保障されます。
女性向けの医療保険だけしか保障されないのでは、と考える方もいるようですがそんなことはありません。

つわりがひどい場合の入院も保障される

つわりがひどい場合、入院により医師の治療を受けることもあります。
その場合も公的・民間、どちらの医療保険でも保障されます。

人工中絶について

人工中絶は公的・民間、どちらの医療保険も保障の対象外です。
公的医療保険が使えなければ、原則、民間の医療保険も適用されません。
ですので、医療費も10割負担となります。

子宮筋腫と医療保険

子宮筋腫でも医療保険はもちろん適用されます。
女性特有の病気ですので、通常の医療保険ももちろん適用されますが、女性疾病特約ありであれば入院・手術保障が上乗せされます。

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍です。
時には子どもの頭ほどの大きさになることもあります。
女性ホルモンによって大きくなり、閉経後には小さくなります。
30歳以上の女性の20~30%にあるといわれる、ありふれた疾患です。

子宮筋腫の主な症状は、月経痛と出血です。
月経時の出血が多い人のなかには、貧血になり治療が必要になる人もいます。
子宮筋腫は症状と超音波検査で診断できます。

治療は手術または薬となります。
妊娠を希望する場合は筋腫だけを取り除く筋腫核出術という手術を行ないます。
薬は、閉経状態にするもの(偽閉経療法といい、点鼻薬と注射をつかいます)、あるいはピルの内服です。

また、子宮筋腫を栄養している血管を塞ぐ、子宮動脈塞栓術という治療もあります。
妊娠希望の有無や筋腫の数・場所・大きさにより適した治療が異なりますので、どの治療がいいのかは婦人科医師と相談しましょう。

結婚後すぐに加入しましょう

女性の場合、結婚直後(妊娠前)に医療保険に加入することを強くおすすめします。
問題なく加入でき特に条件つきでもなければ、一度目の出産が異常分娩でも保障の対象になりますし、その場合は二度目の出産が異常分娩でも保障されます。

一度目が異常分娩だったからといって、途中で特定部位不担保などの条件付きになることはありません。

しかし一度目の異常分娩後に医療保険に加入しようとした場合、それが出産から5年以内であれば告知項目に該当することになります。
そうなるとほぼ確実に特定部位不担保の条件を提示されます。

結婚直後、あるいは就職後に加入するのも良いと思います。(2018/12/18)
生命保険、学資保険、個人年金保険など様々な種類の保険がありますが、中でも特に医療保険に関しては根強い不要論があります。
その理由として、日本の公的医療保険制度が大変しっかりしていることがあります。

優秀な公的医療保険制度

一般家庭ならひと月の自己負担額が約8万円を超えると、さらに自己負担額の割合が小さくなります。

また、同一世帯家族が立て続けに病院にかかったときや、入院が数か月に渡ったときもさらに自己負担が小さくなるよう制度設計されています。
このような中で、民間の医療保険が必要なのかということです。

全て公的医療保険が使えるわけではない

入院生活が始まると、全ての費用に公的医療保険が適用されるわけではありません。
全額自己負担となるものの代表例を挙げました。
  • 交通費
  • 差額ベッド代
  • 公的医療保険の適用外の治療
  • コインランドリー、テレビ代、ひまつぶしの雑誌など
自宅から病院が遠く、電車がない場合はタクシーを使うことになります。
毎回タクシー利用となると、かなりの出費になります。

また、民間の医療保険は「先進医療」にも対応することができます。
これは特約として付ける必要がありますが、月々の保険料も百数十円と大変安いので、是非つけておくことをおすすめします。

最も大きな出費になりうる「差額ベッド代」

入院生活で最も出費が心配される項目は「差額ベッド代」でしょう。
個室でなければ初めて会った方と同じ部屋で過ごすことになります。
「全く気にならない」という方は何の問題もないでしょう。

私の母親が入院したときに同室にいた年配の女性は、非常に細かく口うるさい方で母親が大変ストレスに感じていたようです。

短期の入院で済んだので何事もなく終わりましたが、長期の入院の場合は少人数部屋または個室がストレスを感じることなく治療に専念できると思います。

差額ベッド代の平均はおよそ6,000円です。
医療保険の入院日額給付金の基準が5,000円ですが、この差額ベッド代に合わせたと言われています。

この差額ベッド代以外にもテレビは有料でありカードのようなものを購入する必要があるかもしれません。
他にも病院で洗濯を済ませる場合のコインランドリー、雑誌やお菓子の費用など1日で1,000円ほどかかる場合もあります。

高齢になってから民間の医療保険に加入することは、ほぼできない

民間の医療保険の必要・不要を考えている方は、ほぼ20~40代前半あたりの若い方が多いのだろうと思います。
確かにその年代で長期の入院が必要になったり、大きな手術を行う方は少ないです。

それでは病院にかかることが多くなる高齢の時点で医療保険に加入できるかというと非常に難しくなります。
また加入できたとしても保険料は高めになります。
今必要かどうかでなく、一生涯必要か不要なのかで考えるべきです。
今の仕事がいくつまで続けられるか、定年退職後はどのくらい貯蓄ができているかなど考慮しましょう。

両親がかかった病気は子供もかかりやすいという遺伝的傾向があるものもありますが、民間の医療保険の場合は三大疾病に特化した商品などもあります。

民間医療保険の多くは「掛け捨て」

「掛け捨て」と聞くと何だか損するような印象を持ちがちです。

現在販売されている民間の医療保険の多くは掛け捨てであり、請求することがなければ返ってくるお金はありません。
元々保険は掛け捨てから始まったものなのですが、これがもったいないということで医療保険の不要論につながっていることもあります。

しかし実際に掛け捨てに抵抗があるのではなく、若い方は病院にかかる機会がほとんどないために、掛け捨て批判につながっているのではないでしょうか。

公的医療保険は強制であるためしぶしぶ払っている方もいると思いますが、これも高齢になった時のことを考えれば仕方ないと思える部分もあるでしょう。
民間の医療保険もこれと同じように考えるべきだと思います。

高齢になってから加入することは相当難しいからです。

実際に医療保険が役立った例

子供の頃から体は弱い方でしたが大きな病気に罹ることなく過ごしていました。
しかし2017年頃、突然難病である潰瘍性大腸炎に罹り13日間入院してしまいました。
社会人になってすぐに医療保険に加入していたのが、ようやく役に立つことになります。
入院中に保険会社に書類を請求して、主治医に記入を依頼しました。
退院後数日で病院の事務の方から書類が作成できたと連絡が来たので貰いに行きすぐに保険会社に送りました。
1週間くらいで入金されると思っていましたが、僅か4日で振り込まれていました。
金額は約15万円です。
手術をすればもう少し金額が貰えたのですが、内科治療のみなので基本的に1日に1万円にプラスαされたものです。
実際にかかった費用は12万円程度です。
内訳としては医療費に差額ベッド代です。
12万円以外にも主治医に書類を作成してもらうのに6000円程度かかりました。
ですから入院費と保険会社から入金された分で、おつりが来た形です。
私はあまり貯蓄がなかったので、医療保険に加入していて本当に良かったと思いました。
欲を言えばもう少し金額が多く貰えるものに加入しておけば良かったように感じますが、月々の保険料を考慮すると妥当なタイプかもしれません。
今後なかなか別の医療保険に加入しづらくなりますが、現在のタイプでも特に問題はないと思います。
医療保険は入院代や手術代に充てられることはもちろん、治療中で仕事を休んでいるときの収入保障としての役割であったり、健康保険で負担されない差額ベッド代や、病院への交通費でも使うことができます。

特に若くして加入すると、安い保険料でも一生涯の保障が可能となります。

貯蓄型の医療保険

一定の保険期間中、保険金の請求事案がなければそれまで払い込んだ保険料が返還される商品があります。
但し、数十種ある民間医療保険の中で、このタイプの保険は現在数種類のみ確認しています。

どうしてそれだけ数が少ないのかというと、おそらく人気がないからです。
私の想像ですが、加入検討時点で担当者から話を聞いたときに、掛け捨てに変更する方が多いのではないかと思います。

【デメリット】 途中で何かあってもお金は返還されない

まず払い込んだ保険料が返還される条件として、総払込保険料の方が受け取った保険金総額より多いことです。
返還は契約時に定める年齢で行われますが、例えば60歳としましょう。

60歳までに保険金の請求をしなかった場合、払い込んだ保険料は全て返還されます。
保険金の請求があっても、総払込保険料との差額が返還されます。
受け取った保険金の方が多い場合、返還されるお金はありません。

ここまでは問題ありません。

もし途中で、被保険者が死亡した場合や、保険料が払えなくなり中途解約に至ったときです。
この場合も保険料は基本的に返還されません。
保険料が払えなくなった場合はある程度納得できますが、死亡時も返還されないのです。
解約返戻金があれば返ってきますが、それまで払い込んだ保険料と比べると大変少ないことが多いです。

そして実際の保険料は、掛け捨てのおよそ倍です。
もし大きな病気にかかり保険金を請求する場合、保障内容は掛け捨てと同じなのにそれまでおよそ倍の保険料を払ってきたことになります。

それが保険料払込期間中であるのならもう戻ってくるお金がなかったとしても、保険料が返還された後は完全な掛け捨てになるので、(およそ)倍の保険料を払い続けなければいけません。

私なら掛け捨ての医療保険に加入し、貯蓄は別途自分で銀行にて行うという策をとりますが、この方法や考え方は人それぞれでしょう。

結局、掛け捨てを選択する方が多い

貯蓄型医療保険の内容を知るほど、掛け捨ての良さを実感することになり、結局掛け捨てを選択する方は多いです。
保険に戻りを求めることは、本来の保険の意味を考えれば正しいことではありません。

よく保険は「不幸の宝くじ」といいますが、運悪く病気や万一のことがあったときに、大きな生活水準の下落がないように備えるための制度が「保険」です。
そのために少額の費用を大勢で捻出し、不幸の宝くじに当たってしまった方が集めたお金を使うことができるのです。(2018/12/17)

アフラックの保険料払いはエポスカードがお得