入院保険と医療保険の違い
「入院保険」という言い方をするときもありますが、基本的には医療保険と全く同じだと考えてもらって構いません。ちなみに学資保険のことを「こども保険」と呼ぶこともありますが、学資保険もこども保険も基本的には同じものです。
ここでは民間の医療保険のことを単に「医療保険」と呼ぶこととします(公的な医療保険は健康保険)。
生命保険は大切な方の死亡時に死亡保険金が出るものであり、保険の初心者の方でも理解しやすい仕組みです。
一方で、医療保険となると難解な印象を受けるのではないでしょうか。
医療保険とは入院や手術などにより給付金を受け取ることができる保険のことです。
入院時には入院した日数分が補償され、手術の際も手術の度合いに応じて一時金が補償されます。
特約というオプションを付けることで、さらに様々な保障を追加できます。
医療保険の実際の使用例
医療保険とは何ぞや?という方は次の実際の請求例を参照してください。| 私は2017年10月に入院をして医療保険の入院一時金、手術給付金、入院給付金、通院給付金の請求をしました。 病名は腹腔動脈解離、そして動脈瘤という血管が裂ける病気だったのです。 入院日数は約30日間にもなりました。 医療給付金の請求にあたっては、保険会社から送付してもらった保険金請求書に医師の診断書を添えて保険会社に提出しました。 提出後、特に内容に問題はなかったようで一週間以内には私の口座に保険金は振り込まれました。 病気にかかり入院、手術をして退院をした時点で一度保険金の請求をしました。 その後は通院による治療となったのですが、通院給付金については治療が全て終わった段階で請求しました。 通院給付金の請求に診断書は不要で、自分自身でどこの病院にどういう症状でいつからいつまで通院をしたのか、記載をする書類で代替しました。 こちらも保険会社に提出をしてから一週間以内で保険金が支払われました。 結局、入院日数、通院日数の分だけ保険金の支払いを受けました。 書類の書き方が分からない時にはコールセンターに問い合わせをしましたが、実に丁寧に対応してくれました。 支払いを受けた保険金の大半は入院や通院にかかった費用として使いました。 一方で退院後の自宅療養が長きに渡った事により会社からの給料は大きく減ることになりました。 ですのでそういった病気や怪我で働けなくなって減ってしまった収入を保障してくれる保険にも加入しておけば良かったなと思いました。 今はそういう保険が保険会社から発売されていますが、医療保険を検討する方はそちらも比較対象として検討すると良いと思います。 |
他にも差額ベッド代や病院への交通費などに充てることができます。
契約者・被保険者・受取人
保険を契約する上で、契約者・被保険者・受取人の3つを指名しなければいけません。契約者は保険の契約の主体となる方です。
普通は保険料を払い込む方であり、保険の契約内容を変更することもできます。
ちなみに契約者と保険料の払い込みをする方を別々にすることもできます。
被保険者は保険の対象となる方です。
この方が病気やケガをした際、給付金が支払われます。
受取人は保険金を受け取る方です。
この3つは、全て同じ方でも構いませんし、全て別の方でも構いません。
医療保険の種類
医療保険と一言で言っても、様々なものがあります。あなたと温泉に行ったら出演者一覧「終身医療保険」と「定期医療保険」がメインとなりますが、他にも加入基準を緩めた「引受基準緩和型」、女性特有の疾病に保障が手厚い「女性向け保険」、実はがん保険も医療保険の一種です。
終身医療保険と定期医療保険の頭についている「終身」と「定期」、これは保険期間のことです。
「終身」は保険期間が一生涯です。
「定期」は保険期間が、例えば10年や60歳まで、といった具合です。
医療保険と中心となるのは、終身医療保険と定期医療保険です。
どんな病気やケガにも使えるわけではない
どんな病気やケガにも民間の医療保険が使えるのかというと、そうとは限りません。基本的に、健康保険が適用される治療であることが前提となります。
しかし、健康保険が適用される治療ならば全ての医療保険が適用されるかというと、そうとは限りません。
具体的な例でいえば、歯の治療です。
歯の抜歯の手術は、健康保険を使えば3割負担となりますが民間の医療保険で手術給付金は支払われません。
医療保険の使える・使えない基準ですが、治療が予期できるかどうかがおおよその判断基準だと思ってください。
歯の治療の場合、ある程度治療に行く時期をコントロールできると思います。
これが許されると、医療保険の加入後すぐに給付金を受け取って治療に行き、即解約ということも可能になってしまいます。
何もないときに保険に加入し、いざ病気になったときに給付金を受けることができるという仕組みが保険のシステムです。
医療保険は必要なのか
他の民間の保険とは異なり、不要論が根強いのが医療保険です。大きな理由として、日本の優秀な公的医療保険制度があります。
ただ一方で、差額ベッド代や交通費などが全額負担となること、先進医療の療養費も高額ですが健康保険の適用とならず全額自己負担となります。
定年退職後に年金生活となったとき、医療費が生活を圧迫することを考えると全ての方が不要であるとは言えないと思います。
女性向け医療保険とは
CMなどで女性向け医療保険というものを目にしたことがあると思います。女性の方は少し危機感を煽られるような気持ちになったのではないでしょうか。
女性向け医療保険とはどのようなものかというと、女性特有の疾病による入院・手術のときの給付金が上乗せされる医療保険のことです。
保険会社各社で保障内容に差はあるものの、上乗せという補償内容については共通しています。
上乗せですので、上乗せされた保障分は保険料がアップしています。
上乗せがいらなければ、通常タイプの医療保険に加入しましょう。
通常タイプの医療保険でも女性特有の疾病をもちろん保障してくれますし、保障内容自体は全く同じです。
思い立ったら、なるべく早く加入するかどうかの決断を
年齢が一つ上がるごとに保険料も上がります。この理由は、年齢が一つ上がるごとに病気にかかる確率も上がっていくためです。
保険料は性別と年齢により決定します。
誕生日がまだまだ先だという方は余裕を持って加入するかどうかを判断できます。
もうすぐだという方は、速やかに決断しましょう。
所得控除にも使える医療保険
医療保険の保険料は所得控除にも利用できます。年間の保険料8万円超なら、4万円が所得控除にできます(8万とんで1円が最もベストということです)。
年間の医療保険料と控除額ですが、金額により段階的に決まっています。(2017/10/17)
