稲盛和夫氏と中村天風氏のつながり | 生命(いのち)を輝かせる言葉の森

稲盛和夫氏と中村天風氏のつながり

稲盛和夫氏の言葉
(「京セラフィロソフィー」サンマーク出版より)

 

 この世には、すべてのものを進化発展させていく流れがあります。これは「宇宙の意志」というべきものです。この「宇宙の意志」は、愛と誠と調和に満ち満ちています。そして私たち一人一人の思いが発するエネルギーと、この「宇宙の意志」とが同調するのか、反発しあうのかによってその人の運命が決まってきます。

 宇宙の流れと同調し、調和するようなきれいな心で描く美しい思いをもつことによって、運命も明るくひらけていくのです。

(引用ここまで)

 

中村天風氏の言葉
(「成功の実現」日本経営合理化出版より)

 

 心のなかの掃除をしないで、汚れるままに消極的な観念をいっぱい溜めて生きていくと、たとえどんなに学問しようが、どんなに金ができようが、だいいち毎日が少しも安心した状態で生きられないんですよ。
(中略)
 神経が過敏だと、正当な幸福を恵まれても、恵まれたとは思いません。月見ても、花見ても、人生生活を楽しもうという気持ちが心のなかから出てこない。見るもの聞くもの、みんな癪の種、心配の種になっちまう。
(中略)
 それをインドで(ヨガ聖人カリアッパ師から)言われたんだ。
 「お前は自分勝手で、ひとりよがりのことばかり言ってる。いくらお前がそう思ったところで、お前が間違ったことを思っている以上、宇宙真理というものは同情しないよ」と。

(引用ここまで)

 

 稲盛氏が中村天風氏のことを相当深く研究され経営の実践に活かされていることは御本人が著書の中でも何度か触れておられます。
JAL再生のときにも天風氏の言葉を壁に貼って、計画の成功のために社員を鼓舞された話も有名です。

 大切なことは、心の中で思うこと、考えることが、「宇宙の意志や真理」と同調しているかどうかということがお二人に共通していることです。
 人間というものは、物差しがないとついつい自分に都合のよいように物事を考え、計画し、実行してしまうもの。それがたまたま「真理」と合致していればよいですが、間違っていたら、周囲の方の同意があったとしても最後は失敗に終わってしまう。そういう厳粛な結果をしっかりと受け止めないといけないと思いました。