ネッツトヨタ南国の新入社員研修の面白さ、凄さ | 生命(いのち)を輝かせる言葉の森

ネッツトヨタ南国の新入社員研修の面白さ、凄さ

顧客満足度日本一のカーディーラーとして、四国にありながら、四国以外のお客様もいるというネッツトヨタ南国。
その新人教育の仕組みが面白いです。
引用は、「日本でいちばん大切にしたい会社4」の既刊の宣伝ページ(最後の方にあります)からです。

(引用ここから)

ネッツトヨタ南国の、入社後の教育制度もユニークです。
新入社員の歓迎会では、その日に合わせて寄せられた、新入社員のお父さんやお母さんからの手紙が朗読されます。
新入社員が赤ん坊のころのこと、子供のころのこと、大変だったこと、苦しかったこと、楽しかったことなどが書かれた親からの激励の手紙は、代読する司会者はもとより、新入社員にも先輩社員にも、ハンカチで目頭を押さえる人、すすり泣きをする人が大勢いるそうです。
その後、45日間の新入社員オリエンテーションが始まります。
その中でも圧巻は、最後を飾る4泊5日の「バリアフリーお遍路の旅」でしょう。
全国の視覚等に障害を持たれている方とペアを組み、四国八十八箇所霊場を案内して回る旅です。

新入社員たちは、目の不自由な方や車椅子の方、ご高齢の方と一緒に生活する機会などなく、最初は戸惑いが隠せないそうです。
けれどとにかく一生懸命になって、失敗のないようにと手取り足取りのお世話をするのですが、実は同行される障がいのある方は、そうしたことを求めているわけではありません。
目の不自由な方は、一緒に旅をし、お風呂で背中を流したり寝る前にお話をしたりするなかで、
「自分はこの目で何十年も生きてきました。目が見えなくなったときは本当につらかった。生きることが苦しくて、毎日精一杯だった。だけどそんな中で生まれた家族との絆があった。応援してくれる人との出会いもあった。
そしていつか、目が見えないことに感謝する気持ちになれた。
私にあれもこれもと、全部をしなくていい。あなたが、私が不自由そうだな、と感じることがあったら、そのことだけ、少しだけ力を貸してくれればいいんですよ・・・。」
と話してくださったりするのだそうです。

旅を終えた新入社員たちは、
「バリアフリーという言葉の意味が理解できました。相手の求めていることは何か。それを感じとり、実践するためには、先入観、固定観念という自分の心のバリアを捨てることが大切だと実感しました。これから真心で、お客様や仲間、家族と向き合って生きていきます」
と、涙を流しながら報告をするのだそうです。
こうして社会人としての基礎力とやさしい人柄を身につけた社員が、ネッツトヨタ南国には集まっているのです。
この会社のショールームに入った瞬間、心も体も満たされ、癒される理由は、どうやらそのへんにありそうです。

(引用ここまで)

バリアフリーは自分の心のバリアを捨てること。

なるほど、相手の方が何を欲しているのか感じ、行動できるためには、無駄な先入観はかえって邪魔になることもあるのですね。こんな人生の機微に新入社員が気づくということも、また深い配慮がある会社と感嘆せずにはいられません。
こうして新たな物語が生まれるのだと感じました。
ではまた。