今いる環境を見つめる視点、シスター鈴木秀子先生の言葉(致知メルマガより) | 生命(いのち)を輝かせる言葉の森

今いる環境を見つめる視点、シスター鈴木秀子先生の言葉(致知メルマガより)


12月、師走の風に身の引き締まる思いをされている方も多いと思います。
この時期は、年賀欠礼のお葉書をいただく機会も多く、ご恩を返せないままになった方への思いを思い出すこともよくあります。

その中で、生命(いのち)をどう活かすかを示してくださる一つの考え方に出合いました。

(引用ここから)

┌────────今日の注目ワード───────────┐
   「幸せは遠くに求めるものではなく、
        自分のいる環境の中に潜んでいる」
     鈴木秀子(文学博士)
    ※『致知』2013年12月号
              連載「人生を照らす言葉」より
└───────────────────────────┘


幸せは遠くに求めるものではなく、
自分のいる環境の中に潜んでいる――。


私たちは日々の糧が与えられることだったり、
苦楽をともにする家族がいてくれることだったり、
一見、当たり前と思えるような現実の中に
多くの宝を見つけ出すことができます。


言葉を変えれば、
それは私たちが“生かされている”という
厳然とした事実に気づくことです。


私は東日本大震災以降、
被災地にたびたび足を運び、
現地の人たちと直接ふれあって
お話ししてきました。


大切な家族も家も財産も津波に流され、
残ったのは自分の命だけという状況の中で、
多くの人たちから

「命があるのがこれほどありがたいとは
 思っていませんでした」

「支え合う隣人がいることが、
 どんなに嬉しいことか……」

という声を聞いてきました。


皆様の姿をとおして、
生きるか死ぬかという
切羽詰まったような状態の中から、
本当の人間の姿が立ち現れてくることを
私は改めて確信しました。


震災のような極限状態にまで
追い込まれないにしても、
私たちは辛い試練に遭遇した時に
周囲の人のさりげない優しさや温かい言葉に触れて、
命を吹き返すことがあります。


「試練と支援の間で人は成長する」
という言葉がありますが、
試練と支援はどちらがいい、どちらが悪い、
ということはありません。


東洋には陰陽の思想があります。
陰と陽が調和しながら
物事が生成発展していくという考え方ですが、
両者のバランスが保たれた時に
命は輝きを増すものなのでしょう。


試練と支援もまた同じなのです。

(引用ここまで)

現代日本は、死を出来る限り日常から遠ざけている気がします。
その分、人間が薄っぺらくなる危険性があることに、気づいている人も多いでしょう。
やはり、死は実は常に身近にあるのだと思い、今をきちんと生きることの大切さを思うことが価値高く、尊く生きることに繋がると改めて思いました。

ではまた。