満点を狙わない仕事が大切であること、(人間学入門、森信三氏対談より)
さて、人間学入門からの考察3日目になります。
本日からは、在野の哲人と呼んでよい、森信三氏の対談からです。
月曜日ということもあり、まずはよい仕事を進める上でのアドバイスを引用したいと思います。
(以下引用)
(対談者)先生(森信三氏)の学問は、「いかに生くべきか」の学問、いわば実践の哲学ですね。
それだけに、先生の語録集「一日一語」(寺田一清編)の中にも我々ビジネスマンが読んでもハッとさせられる言葉が多いです。いくつか例を挙げますと、
〈物事は一応八十点級のできばえでいいから、絶対に期限に遅れないこと、これ世に処する一大要訣と知るべし〉
〈人間は、進歩か退歩かの何れかであって、その中間はない。現状維持と思うのは、じつは退歩している証拠である〉
〈休息は睡眠以外には不要――という人間になること。すべてはそこから始まる〉
(森氏)その例を一つ。もう亡くなっているが、昔、京都大学に西田某という歴史家があった。当時、相当有名な人で素質もいい人。その人が学問の方法を間違えたんだね。
(対談者)どんな風に間違えたんです?
(森氏)それはね、力があるから、西洋の歴史理論をずっとやった。それならそれで思い切って本を出してしまえばよかったんだが、分量が足らんというので出しもせず、結局はどっちつかずのもの一冊。死んで残ったのは一冊だけ。あれ、早く出しておけばいいんだ。
(対談者)人間、やるべき時にやらなければだめだということですね。
(森氏)やるべき時にね。時が大事だ。時点が。薄くてもいいから出しておけばよかった。そうすると次から次へと回転していくんです。
(対談者)エネルギーというのは出せば出すほど回転していく。
(森氏)そういうこと。出さなければふんづまり。ふんづまりってことは半分死んでいるってこと。
(対談者)だから、そこで躊躇しとどまっちゃいかん、と。
(森氏)そうです、人がどう思うだろうかなんてね。そこが勇気を要する。
(対談者)そういえば、仕事は一気呵成にやリ抜けといわれてますね。
(森氏)その通り。一気呵成にやる。直すのはゆっくり直して。どうしても一度中断せねばならない場合は、最低6割は峠を越えておくこと。これが仕事をやりぬく秘訣です。
(引用ここまで)
基本的な問題意識としては、皆さんに応援してもらうイメージを固めておかれるようにお勧めします。
そして、森氏の言葉で、仕事はまずは80点主義でいいという見切りは素晴らしいと思います。
人間というのは多くの案件を片づければ、それなりに実力がつくものです。
そして、その中で情報が不足している場合は、時に拙速がよいとみていることです。
悩んで、時間を使うより、一気呵成に進めた方がいいというのも私も同感です。
早めに上司に提出すれば、現場への指示が早くなるため、一石二鳥の効果があると思います。
ではまた、。