午前中、園児が「気持ちが悪い」「顔色が悪い」「元気がない」などの理由で呼ばれることがあります。




バイタルを取っても普段と大きく変わらず。

強いて言えば、その子にとっては微熱、そして、やや頻脈くらい。

全身状態を観察しても少し汗ばんでいる程度。




こういった時は、幼児さんであれば、食事や睡眠について聞き取りをします。

話せる状況ではなかったり、乳児さんの場合は連絡ノートを確認します。

すると、朝食を摂っていなかったり、就寝時間が遅かったりということが少なくありません。




慌ただしい朝。

何度起こしても子どもが起きてこない。

もう出発しないと間に合わない…

となると、十分に食事をする時間がない。




食べながら来るお子さんもいますが、食物アレルギーのお子さんも複数いるため、最低限口腔内に食べ物が残っていないこと、口周りや衣服に食物が付着していないことを確認するまでは園舎内への立ち入りをお断りしています。




朝食を食べるか、食べないか。

ライフスタイルにもよりますし、考え方にもよりますよね。

食べた方が良いという説もあるし、食べない方が良いという説もある。

どちらにも「なるほど」と思えるエビデンスがありますが、食べないことで日常生活に支障が出るのであれば食べた方が良いと思います。

そして、子どもにとっては、心身の成長発達の大切な時期ということを忘れてはいけません。




さて、今回は朝食を推進する見地から。

まず、朝食を抜くと、午前中、空腹感からイライラして「交感神経」が優位になりすぎてしまうという問題が出てきます。




私たちは興奮したり、緊張したり、イライラしたりすると「交感神経」が優位になります。

それに伴い、心臓はドキドキと激しくなり、心拍数が上がり、血圧も上昇します。




すると、心臓は高い負荷に逆らって、強く収縮して血液を全身に送り出さなければならなくなります。

心臓の健康を守る大前提として、日常生活において、血圧や心拍数をムダに上げない工夫をすることが大切で、そのためには交感神経を過度に緊張させないことが重要になってきます。




子どもの頃は、それほど心臓に影響がないとしても、朝食を摂らないことが習慣化してしまうと、そのうち大きなしっぺ返しを喰らうかもしれません驚き




それに、お腹が空くと集中力が落ちて、イライラして活動ができませんし、友達とのトラブルに繋がり、交友関係や社会性にも悪影響が出るおそれがあります。

自律神経を整えるためにも、朝食は重要ですニコニコ




もう一つは、朝食を抜くと、昼食後の血糖値がガツンと上がってしまうことです。




血糖値が急上昇すると、それを下げるために膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンが多量に分泌されます。

すると、今度は急激に血糖値が低下します。

この血糖値の急激な上昇や下降は血管を傷つける大敵です。




朝食を摂らないと、「低血糖」の状態が長く続くため、身体は「インスリン拮抗ホルモン」という、血糖値を上げるホルモンを分泌します。

その状態で昼食を摂ると、いつも以上に血糖値が爆上がりしやすくなります驚き




そして、爆上がりした血糖値を下げるために、インスリンもいつも以上に分泌されます。

インスリンの作用のひとつに、ブドウ糖を脂肪に換えて身体に蓄えるというものがあります。

朝食を摂らない分、お昼に食べすぎてしまう可能性があるという点にも注意が必要です。

生活リズムの乱れが肥満につながるというのは、この辺りからも分かりますね。




子どもが自分自身で選択することは、まだまだ難しいです。保護者や周りの大人が環境を整えてあげる必要があります。

新年度が始まって半月が経ちました。

子どものため、そして、家族全体の健康のためにも、できるところから見直していけると良いですねうさぎのぬいぐるみスター