事件の発端は2024年の9月だった。

宅急便クロネコヤマトからスマートホンに「荷物のお届け予定メール」が届き、何だろう?と不思議に思った。不思議に思った理由はこの数週間アマゾンに注文はしていなかったからで、送られてくる品物には全く心当たりがなかった。

 今回、送られて来た商品は「卓球ラケット、他」と書いてある。

卓球?----私には卓球の趣味はない。これは何かの間違いだ。何処かの届け先と間違ったのではないのか。しかし私自身が注文したようになっている。何?これ?

 

 ふと、これは新手の詐欺かも知れないと考えた。

「頼んだ覚えがありません」

の私からの返信メールを狙って、送った側が本人確認に話しを導き出し個人情報を抜き出そうとしているのかもしれない。----と言うのも、この頃毎週のように銀行やカード会社を名乗り不安をあおる詐欺メールが送られていたのだ。

「もし問い合わせ内容に本人確認をいただけない場合、口座が使えなくなる可能性があります」

と人を不安に陥らせ、慌てた客から情報を抜き取るメールが頻発していたのだ。きっとこの配達メール自体が詐欺メールだろうと判断、私は無視した。

 

ところが翌日、再びヤマト便から

「本日午前中に配達予定です」

と連絡が入った。えっ、本当に配達するのか?あれはクロネコヤマトを偽装した詐欺メールじゃなく本物だった?------この時になって初めてクロネコヤマトに電話をいれたのだった。

「頼んでないのに持ってこられても受け取れない。これはきっと誰かが間違えて私の住所を入力したか送り付けたものだ」

と。--------数時間後、荷物を配達してきたドライバーに事情を説明するとドライバーはそのまま持って帰ったのだった。

 

 頭の中で疑問符が飛び交っていた。不可解なのは私が登録したカード決済で卓球用具の代金は支払われるようになっていることで、注文した覚えはないのだ。 持ち帰ってもらった卓球用具総額は131,391円だった。一個人が購入する量ではない。中身を確認せず受け取っていたら自動的に口座からその金額が引き落とされていたところだった。

 

 これで終わった、と思っていると翌日再び卓球ラケット類が今度は88,987円分送られてきた。この時になって驚きを通り越しはじめてこれは誰かの嫌がらせに違いない、私のカード口座を利用した詐欺だと思うようになった。

2回目の時は配達メールが送られた時点で内容を確認し、また成りすまし詐欺だ、とクロネコヤマトに連絡を入れたがドライバーは配達に出発していたらしく、窓口の人は

「ドライバーが来たら、持ち帰るように言ってください。こちらで処理します」

と言ってくれた。そして20分後に荷物を運んできた女性ドライバーにその旨を伝えると

「私も去年、何者かに関西の方でカードで買い物されて何万円か使われてしまったのです。結局お金は後で戻りましたけど。------これと同じなりすまし詐欺が別の地区でもありました。でも注意のしようがありませんね」

と言うのだった。

犯罪は身近に起こらないと他人事だが、わが身に起こった途端に切実な恐怖に変わる。誰かがわが家を標的にしている。2度も立て続けだ、これは確実に狙われている。

 

このまま手を拱(こまね)いていると送り付けて来る品物は更にヒートアップするに違いない。今のうちに何とかしなければと考えた。2度あることは3度ある。

 

-----しかし誰がこんなことをするのだろう?と不思議でならなかった。これは嫌がらせでイジメ以外の何物でもない。本人になりすまし他人が商品を得るならカード詐欺だが、本人に成りすまして要らないものを大量に送り付け支払わせようとする嫌がらせ詐欺だ。送り付ける先が本人以外なら、受け取った人が犯人と特定されるが当人に送れば犯人はわからない。それを狙っているに違いない。-----私は誰かに恨みを買うようなことをしただろうか?最近の出来事、人とのやり取りを一つ一つ振り返ってみたのだった。

 私のクレジットカード情報を知りうる人物でメールアドレスや住所、電話も知る人、恨みを抱きそうな人とは誰だ?

 

------するとある人物が頭に浮かんだ。

それはこの事件の2か月前、私がインターネットで防犯カメラを購入、実際に使った体験をレビューにして送った時の相手だった。メールアドレス、住所氏名、電話番号、振り込みクレジットカード番号まですべて知りうる人物はその人物に違いない。

 

昨年のブログ

「防犯カメラを設置した後で・顛末記」

に書いたが、話を要約すると次の通りである。私が書いた評価点3点のレビューに、防犯カメラ営業担当から直接メールが届いたのだ。要約すると

 

貴方()の書いた評価点3点を満点の5点に直してもらえれば1万円差し上げます。更に当社から新製品が出た際はVIP待遇モニターとして無料で差し上げます。当社製品で欲しいものがあれば2割引で優遇もします。私も会社側から査定される身でレビュー評価により給料も変わってしまうのでお願いですから再度レビュー評価し直し満点にしてください。よい返事をお待ちしています。

-------と言う内容だった。必死になって懇願する様子が目に見えるようだった。

 

それに対し私は金をくれるから甘い評価にし直す気はなく誘惑を無視していた。お願いメールは数週間を挟んで2度来たが私は全く返信しなかった。真実を曲げてお金に動ずる人間にはなりたくない。自分の判断は曲げられない、という矜持があった。武士は食わねど爪楊枝、いや高楊枝、である。

 

私に恨みを抱く人間はあの中国人に違いない。

 

彼以外に私の住所、メールアドレス、カード情報、住所氏名を知りうる人物はない。選りによって卓球用具を選んで送り付けるとは、卓球が国技の中国人が思い付きそうなものだ。幾つもの関連する線が交差し合致した。あいつだ。あいつ以外にいない。

 

-----しかし証拠はない。本人のパソコンを調べない限り証拠は出てこない。

中国の監視カメラメーカーが得た顧客の購入情報をもとに、私に成りすましたとしか考えようがない。中国の会社員は自分の保身のためには商売で得た個人情報をどうとでも悪用する輩なのか、と腹が立った。彼は私の無視への仕返しが2度とも失敗したとわかると懲りずに3度目のなりすまし詐欺を仕掛けて来るに違いない。

 

余談だが、日本の尖閣諸島で中国の領海侵入に対し日本の巡視船は穏やかに追い払っているが、中国は対応が甘いとみると警告されても長時間侵犯を繰り返し続けている。彼の国は人も国家も面の皮の厚みで神経まで鈍く出来ているようだ。繊細な神経のない人種で、目の覚めるような強い対応をしない限り彼らは居座り続ける。

 

3度目の嫌がらせの前に防衛措置を取ろう、と頭を絞った。

私はパソコンやスマホを使っているが「メール」「ワード」「ユーチューブ」程度で内容は素人領域、専門家ではない。しかしこういう詐欺被害の事態に直面すると不思議にやる気が出て来る。いろいろ調べカード乱用をブロックする方法があるのに気付いた。それは次のとおりである。

 

「アマゾン」の場合、成りすまし詐欺を防止するには注文した人物が本当に当人か「アマゾン」側で注文の入る都度ワンタイムパスワードを注文者に送り、当人からパスワード返信があることで注文を確定させる方法をとっているのだった。

ワンタイムパスワードの有効時間は10分以内。当人にしかワンタイムパスワードは届かないので本人になりすます事は出来ない。このチェック体制が入ることで3回目のなりすまし被害は防ぐことができたのだった。

 

すると敵は (こうなると相手はもう「敵」である) Amazon事務局の人間になりすまし新たにメールで接近して来たのだった。発信欄 (~from) には「アマゾン事務局」とあるがマウス左クリックで発信元を表示させると次のメールアドレス()が隠れていた。

 

Amazon事務局より  (m2ga@newss0.rt3wre.com)

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敬​具

A​m​​az​o​n​カスタマーサポート

 

ちなみにアマゾン事務局を名乗りながらメールアドレスを表記させるとAMAZONの文字は見当たらないしメールが届いたタイミングと言いきわめて怪しいと判断し無視した。

 

この事件以来、半年以上経過しているがAmazonから制限はかからず永久停止もされてもいない。やはりこのAmazon事務局メールも詐欺だったのか、と思う。

 

なお、「防犯カメラを設置した後で・顛末記」

に出て来る美女が

 もし実在していたら、この事件も起こらなかっただろう。あーっ、誘惑されればよかった!

 

皆さんも彼の国の製品、購入には要注意!!で接してください。

 

(なお、「アカウント情報の更新ページへ」をクリックしてみると現在はそのページに移行しなくなっている。何らかの理由で抹消されたのだろう)