
『Drifter』キリンジ
大好きな曲です。
イントロからAメロへの優しい主旋律が
なんだか静かに雨が降っているような 慰められるようなメロディー
交わしたはずのない 約束に縛られ
破り捨てようとすれば 後ろめたくなるのは何故だ
冒頭からたまらんです。
どうやったらこんな素敵な歌詞が思いつくんだろうか。
たとえ鬱が夜更けに目覚めて
獣のように襲いかかろうとも
祈りをカラスが引き裂いて流れ弾の雨が降り注ごうとも
この街の空の下あなたがいるかぎり僕は逃げない
わかるよぉ
深夜一人で起きているときに襲い掛かってくる鬱に抗いながら、それでも
この街の空の下あなたがいるかぎり僕は逃げない
うんうん 「あなた」に出会えて本当に良かった
で、実は一番好きな箇所が
子供の泣く声が踊り場に響く夜
冷蔵庫のドアを開いて
ボトルの水飲んで誓いをたてるよ
誰かが 子供の泣く声=虐待 と書いていましたが私はそう思わない。
夜泣きをしている子供をお母さんが抱っこして踊り場であやしている。
私も数十年前子育て時によくやりました。
遠くで走っている車のライトを指さして「救急車は来るかな」と言うと
夜泣きしている長男は泣き止んで一緒に車を見つめていました。
そんな普通にどこにでもある平凡だけれども幸せな風景。
愛する人と幸せに生きていこうと心に強く誓いをたてる僕。
良質なショートフィルムの一場面のような日常の光景。
本当に美しすぎてためいきが出てしまいます
キリンジ、デビューが二十年早すぎた、と何度も思ってしまう


