…終わった…
こんな日が来るんじゃないかって
毎日怯えていた…
だって…俺が撒いた種だから…
あの日…智さんを追いかけなかったから…
そして…何も行動に移せなかったから…
でも…何度も連絡しようかと悩んだ…
だけど……この先の智さんとの未来が…
想像できなかった…
二人でキャンプに出掛けても…
夜にそんな雰囲気になると…
また俺たちは同じことを繰り返すんじゃ
ないかって…
雅紀が言うように…
挿入が全てじゃないと何度も自分に
言い聞かせた…
だけど……全く想像できなかった…
グッズを使ってイったとしても…
目の前にいる智さんと
一緒にイくわけじゃない…
お互い…一人でヤってるのを見せ合って…
そんなのって……
初めて一人エッチを覚えた
中学生同士みたいで……
想像しただけで……
虚しくなるだけだって思った。
だからって…自分がそっち側に
なれるかって言われたら…
それも想像できなかった。
きっと智さんも同じことを考えるだろう…
だから……やっぱり俺たちは
無理なんじゃないかって…考え始めていた…
そこに智さんからの電話だった…
最初はつい…本音が出た。
でも…無言の智さんが怖くなった…
智さんからの言葉が…どんなものであれ…
聞きたくないって思った…
聞いてしまったら…ずっと耳に残って…
俺は立ち直れないって……
って……すでにもう…
立ち直れそうにないかも……
智さんに貰ったランタンを抱きしめ…
俺は声を殺して泣いた…。
ピンポーン。
…えっ…今ごろ…誰…?
ピッ。
「…はい…」
『…開けて…俺。』
「っ、智さん!?」
急いで玄関に向かった。
ドンッ!
「っ、痛っ!」
段ボールで足をぶつけた。
カチッ。
ガチャ!
ドアが引っ張られた…
その弾みで体勢を崩した俺…
「危ねぇ!」
「あっ…!」
智さんが俺の肩を掴んだ…
「智さん…」
「…ったく…せめて玄関くらい片付けろ…」
「…ごめん…」
「…一方的に電話…切られたから
文句言いに来た。」
「えっ…」
「かけ直しても出ねぇし…ったく。」
「…智さん…」
本物を見て…思わず涙腺が再び決壊した…。