あれから毎晩、智さんから

プレゼントしてもらったランタンを眺めた。







ここに…火が灯る時には…






それは智さんとのキャンプの日…







距離が離れていても…

お互いのランタンで顔は見えるはず…







「…早く行きたいなぁ…」






ブブッ!






スマホを見ると…







《この前爆買いしたキャンプグッツは

届いた?》






「っ、智さんっ!」






俺は慌てて返事を送った。









《届きました!》





《翔って車持ってる?》





「えっ…!」





《持ってます!SUVです!》





すると…







《じゃ、俺もそれに乗っけて。》






「えっ…!それって!!!」






《キャンプ用品店に!?》






《本番だよ!翔に必要な物は俺が準備した!》






「えぇ!?」













そして、週末…






マンションの駐車場に車を停めた。








ドキドキ…





インターフォンを鳴らすと…







『翔!上がってきて!荷物運んで!』






ドキッ!






「っ、はいっ!」







エレベーターに乗り込み、

智さんの部屋の前に行くと…







「っ、智さん!」






すでに玄関ドアの前に荷物が!







「おはよー」





ドキッ!





服装がキャンプ仕様の智さんっ!





似合ってる!





しかも…なんかかわいい!







「何ボーッとしてんだよ!それ早く運べ!」






「っ、!はいっ!」






「よしっ!」






玄関の鍵をして荷物を2人で運んだ。








「途中でスーパー寄るぞ!」





「あ、はいっ!」






エレベーターの中でそう返事をすると…







「…んふふ。…完全に舎弟だな。」





「…え?」






「なんでもねぇよ!」








「……いつもは…どうやってキャンプ場へ?」






「ん?…あぁ。俺、バイクの免許しか

もってないからね。」






「じゃ、いつもバイクで?」






「ソロキャンプの醍醐味~」







そう言って嬉しそうに笑う智さんを見て…

俺も本気でバイクの免許を取ろうかと思った…。









「おぉ!でけぇなぁ!」






トランクを開けて荷物を積み込んだ。







「やっぱ車はいいなぁ~」






「バイクは醍醐味なんでしょ?」






「いや、でも雨に降られたらな。」






「確かに!」








「今日は例外!」





「え?」






智さんが俺を見た。







「今日は翔の初キャンプだからな。」






「…えっ…」







「ちゃんとキャンプを

好きになってもらわないと。

それが今回の俺の任務!」






ドキッ!





智さんがキリッとした表情で敬礼をした…







「隊長!よろしくお願いします!」






「ぶはっ!なんだそれ!」






「…ふははっ!」






「行くぞ!隊員!」






「っ、ラジャー!」







「んははっ!」






智さんの高い笑い声が

俺の全身を擽ってきた…。